秋の初月の二十九日
正門広場をもう一度歩き回って、晶灯のリボンをどこに飾るかを決めた。
バルコニーの下に簡易の舞台を組んで、踊手たちに使ってもらう。舞台からは広場の左右に通路を組んで、踊り手が動き回れるようにするのはすでに決めてあった。演奏は更にその下に席を作る。バルコニーから放射状に張るリボンは基本的な照明になる。これはタイミングに合わせてつけたり消したりするだけで、難しことはしない。宴の終わったあとは舞踏会の終夜照明に使う。
このリボンの担当は女官五人で、一人でリボンを二本担当してもらう。
広場の入り口を飾るリボンは、もう完全につけっぱなし。明かりが切れないようにたまに巡回すれば十分。広場から続く市場は終日営業の予定だけれど、これは基本的に自主管理。連絡役は男子の方で引き受けてくれた。
広場側面は男子の担当。どうしても暗い隅などが出来るので巡回がてらリボンの照明の管理をしてもらう。あまり派手につけない代わりに、難しい操作はしない。
大変なのはやはり正門の明かりで、ここを私たち女子組が他の女性魔術師の助けを受けながら担当する。
踊りや音楽と連動した難しい場所だけど、半月あるし、きっと何とかなると思いたい。




