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秋の初月二十六日
リリーナの転移魔法がだいぶん安定してきた。まだちょっとよれたりはするけど、これならなんとかなりそう。
光の花を打ち上げるのは宴の最初と最後。
連続しているわけでもないし、コツさえつかめば難しくない。
今日は宮廷の方で嫌な話を聞いてしまった。
宴当日の手伝いのことで女官詰め所に出かけたときにきいたのだけど、スレイアさまのところにザヴィータの大使夫人がよく出入りしているというのだ。
やっぱり、という気持ちと残念な気持ちでいっぱいだ。
何を吹き込まれただか知らないけど、それでアマリエさまのことに口出しをしようとし始めたのだろう。
全く、スレイアさまもどうしてああなんだろう。
そして陛下はスレイアさまの、どこが一体良かったんだろう。




