表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/407

秋の初月十八日

 最近、陛下のご容態が落ち着いているそうだ。

 王太子さまが取り寄せた薬がきいたらしい。

 珍しくお母様が塔に来て話して下さった。

 最も、アマリエ様は王太子様にこそ安静にして頂きたいと気を揉んでいるそうだ。最近の王太子様は体調を崩しやすくて、今もお風邪をめしておられるらしい。

 いっそ王太子様が即位すれば、エドを正式に王弟、アマリエ様をリリカシアとして公に執務に参加させられるにだけど。

 今の状態では二人は内々にしか執務に関われないし、塔主さまが引き受けられる執務にも限度がある。

 塔主さまだってリリカシアと塔主の地位をアマリエさまに譲ってしまえば、もっと自由に動けるのだ。リリカシアではなくなっても、すでにリアーナがいないのだから王の嫡母は塔主さまになるのだし。

 王がもっと回復あそばして、ご譲位のことがなだらかに進んでくれればいいのだけど。

 お母様はアイラ様のところに何か用事があっていらしたそうで、ちょっと立ち話しただけで王宮に戻られた。お母様も忙しいのだろうけど、今は私も余裕がない。踊り手の衣装の仕上げをしているからだ。

 刺繍や縫物は嫌いじゃないし、苦にならないほうだと思うけど、こうも猛然と毎日針を動かすのはさすがに初めてだ。魔術師の塔の女子部なんだか、お針の会なんだかさっぱりわからないくらい、今は皆でひたすら縫物をしている。

 今回の感謝祭が終わったら、全員お針子になれるほどに縫物の腕が上がると思う。

 そうなるとアジャがますます下手ってことになるなあ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ