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秋の初月十七日

 仮縫いは結構大変だった。

 ゼルリッター夫人が集めて下さった踊り手は、みんな既婚の若い奥方達だった。確かに子供ならともかく適齢期の娘がやるには目立ちすぎる役割だ。既婚の夫人方の方が無難だろう。

 「久しぶり。」

 中によく見知った顔があった。去年の夏の初めに塔を出て結婚したロザンナだ。

 「え、旦那の領地に行ったんじゃなかった?」

 仲の良かったアリアが駆け寄っていく。

 「そうなんだけど、旦那のお祖母様が私がいると血が上ってめまいがするとおっしゃってね。お身体にさわるのも良くないから旦那と一緒にこっちに戻ったの。」

 それはそれは

 「大丈夫なの?踊り手なんかやったら卒倒するんじゃないの?」

 マリーダが呆れたように言うと笑い飛ばした。

 「言わなきゃわかんないわよ。旦那はやれって言ってるし。」

 さすがロザンナ。

 他も塔所属の中級資格者ばかりなので、言ってみるなら先輩ばかりだ。女官といい恐縮するしかない駆り出しっぷりだけど、今は他に方法がない。

 全員に衣装をあわせて補正の印を打つ。

 「まあ、まかせときなさい。」 

 ゼルリッター夫人が言うと踊り手のみなさんが力強く笑った。

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