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秋の初月十四日
女官詰め所に預けた刺繍が出来てきた。さっそく晶灯を縫い付けていく。マリーダとアリアは踊り手の衣装の方に掛かりきりになっていた。
晶灯はすでに千個を超えている。買えばさすがにすごい値段になっただろうけど、ルイが預けたお金で上手く晶石を買って作ってくれているのでなんとか数を揃えることができた。その分働き通しになったルイには申し訳なかったけれど。
普通よりはかなり小さい晶灯だけど数が数だ。全部まとめて点灯したら昼のような明るさになると思う。
次の課題はその明るさの調節だ。
光の宴というのはあくまで月夜に楽しむ光であって、別に夜を欺きたいわけではないのだし。
実際に正門前の広場で実験できれば簡単なのだけど、そういうわけにもいかないので、塔の中庭での実験で感じを掴まなくちゃいけない。
これから寝不足になりそう。




