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秋の初月十三日

 ゼルリッター夫人も一緒に、光の宴についての相談をした。

 ゼルリッター夫人は、光の色を布の覆いで変えるのは正門の窓だけでいいのではないかという。

 むしろ光を音楽に合わせてつけたり消したりする方が効果は大きいだろうというのだ。正面に色を集めれば人の目もそちらに行くだろうし、布を被せた分光は弱るだろうから、踊り手の衣装の光が映えるだろうといわれた。

 暗くなってから塔の中庭で実験してみた。

 中庭に面した食堂の窓に布をかけ、晶灯を配置する。

 リリーナに試作品の衣装を着せて明かりもつけて立たせた。

 ゼルリッター夫人の意見の正しいことはわかったけれど、それ以上にまずいことがわかった。

 この衣装、なんか顔が怖くなる。

 考えて見れば下からチラチラ揺れる明かりが当たるんだからあたりまえなんだろうけど、これほどひどい顔になるとは思わなかった。

 急遽、リリーナにベールを被せる。

 いっそショールをやめて円形の長いベールを手首に留める衣装にすることになった。ベールもドレスと同じように晶灯で飾る。

 晶灯の灯りがベールに映るせいで中の人はほとんど見えないけれど、怖い顔よりはいいと思う。

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