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春の初月の九日
あまりにもいろんな事が纏まって起こるのは、やっぱり良くないと思う。
新年のドレスも結婚式のドレスもぎりぎりになってしまったもの。
朝の家業をこなしてから、イリアと一緒に宮廷のお母様の部屋で布を選んだ。お母様が途中でちょっと顔を出して助言をしてくれた。
深い赤紫で、地紋に菱形の模様のある生地を選んだ。
付き添いのドレスは刺繍なしの決まりだから、注文してしまえばそれで終わりだ。魔術師の衣は新年のでいけそう。
裾の引きは軽めにして、動きやすいようにしてもらった。