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冬の終月の二十九日
今日は正門前広場の飾り付けをした。
新年には夜明け前から人々が集まるので、毎年暖をとるのも兼ねて松明をたくのだけど、今年は晶灯のリボンも配置した。
本当になぜ今まで思いつかなかったのだろう。作るのはちょっと面倒だったけど、晶灯のリボンはとても便利だ。
考えてみると他にも使いみちはありそうな気がする。塔主さまに相談して、手の空いているときにもう少し作っておいてもいいかも。
感謝祭と違って本当に飾り付けだけなので、随分と楽だ。
国王陛下が夜明けとともに民に呼びかけられて、その後謁見の間での貴族の謁見に移る。もちろん陛下には無理なので、王太子殿下と塔主さまのお仕事になっているのだけど。
本当に譲位の話が早く進むといいのだけど。