183/407
冬の終月の二十五日
今日はイリアのドレスが届いた。淡い薔薇色のドレスだ。私のドレスは渋い薔薇色だから、リリーナと三人合わせると見た目のバランスは悪くなさそう。ちょっとリリーナが目立つかな。
水晶磨きは思った通り終わらせる事ができた。ついでにまじものの確認もした。
驚いたことにまじものが出た。
ひびの入っていた水晶のうちの三つ。
古そうではあるけれど、一応塔主代さまに届けた。
こんなところにどうやって、だれが、何のために紛れ込ませたのだろう。
触れただけではわからないくらい、気配の薄いまじないだった。