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冬の終月の二十三日
昨日お母さまとも相談したのだけど、今日正式に要請があった。二十七日には大広間の支度を手伝いに行く。
それに先立ってシャンデリアの水晶飾りを磨くのを請け負う事になって、今日その箱が届けられた。
積み上げられたたくさんの薄い箱の中は小さく区切られて、その区切りに一つずつ水晶飾りが収められている。汚れ落としの魔法陣を抜いとった布で、一つ一つ拭き上げると、キラキラと光を弾くようになった。
難しい作業ではないけれど、数が数なので時間がかかる。
いつもなら新年よりは余裕のある感謝祭の前に、女官総出で磨くのだけど、今年は塔の手伝いをしてもらったせいでできていないのだ。
もとはと言えば私達のせいでもあるし、新年は塔の方には余裕があるから請負うのは全然構わない。
ただ女官に比べると女子部は人数も少ないし、作業に慣れてもいないので一日では終わらなかった。さすがに三人だと何をやっても効率は悪い。
なんとか二十七日までには終わらせたい。