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冬の終月の二十二日
宮廷のお母様の部屋は結構広い。大きい寝室がお母様とお父様の寝室で、小さめの寝室二つが私と兄様の分。あとは三つの寝室につながる居間。
リカドにも一応家はあるし、お父様と兄様は領地の方にもよく行くけれど、私は小さな頃からお母様と宮廷にいるのが普通だった。
宮廷の寝室は塔に入ってからは予備の衣装部屋みたいになっている。
お母様も時間をあけて下さって、仕立て屋の持ってきた布をあれこれ悩みながら一緒に選んだ。
ついでだからと下着や靴屋も呼ばれていて、何組か誂えた。
あれやこれやで塔に戻ったのは結局夕食時になってしまった。