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冬の終月の五日
夕方にアリアが戻ってきた。
夕食の席が随分賑やかになったように思える。
アリアはきれいなリボンやレースや端切れをいっぱい持って帰ってきた。嫁入り支度の副産物らしい。
感謝祭の時の髪飾りのリボンなんかがちょっとよれちゃっているので、新年にむけて付け替えようかとみんなで相談している。
あのときは髪飾りをつけっぱなしみたいになっていたもの。
あとはいっぱい栗を持って帰ってくれたので、夕食後に早速談話室の暖炉の灰にくべて焼いた。
実家もばたばたしていたそうで、塔のほうがずっと落ち着くそうだ。そんなに忙しくなってきているのに、まだこっちにいてくれようとする気持ちが嬉しくて、やっぱりちょっともうしわけない。
それでも「いいからもう塔をでなさいよ。」なんていう勇気もない。
考えなくてもマリーダも抜けている今、アリアがいなければ私以外の女子部は全員年下なのだ。もちろんアマリエ様を抜いてだけど。
それが結構心細い。
奇妙な風邪の原因もまだ突き止められていないからなおさら。
たぶんアリアはそんなこともわかった上で、付き合ってくれている気がする。