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冬の中月の二十九日
飾りはなんとか出来上がった。
明日はレイラの見送りに行く。
夜明けには起きてアジャのケーキを焼くつもり。
飾りの魔法陣を試すのに、一つを中庭に持ち出してそばで術を使ってみた。ちょっと派手めということで、突風の術にした。
まず、術が使いにくい。
力を使おうとすると魔法陣がその力を吸い取ろうとするからだ。
それでも無理やり発動させると、紙の飾りが光って破裂した。
これなら十分に目立つ。
うまく発動してくれてよかった。
とにかく不穏な魔力が使えないようにしておきたい。
新年に騒ぎを起こされると後々に響きそうだもの。
明日は早く起きるので、今日は早く寝ようと思う。