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冬の中月の二十七日
新年のための飾りを一生懸命作った。
来月に入ってしまったら王宮の掃除の手伝いも入ってくるし、レイラの見送りにも行きたいし、できるときにできるだけやっとかないとあとが大変になってしまう。
宮廷の方はやっと人が揃ってきたとかで、ご譲位の話が進み始めているそうだ。まさか今からでは新年というのは無理だろうけど、できるだけ早くということらしい。
養子がどうとかいうへんな流言を消すためにも、できるだけ早く形を整えてしまいたいらしい。
ただ、難しいのは王妃の前に魔術妃を立てるわけにはいかなそうということだ。ただでさえこじれ気味の縁談を、一層こじれさせてしまいかねない。
その辺りの絡みもあってのレイラの結婚なんだけど、レイラだっていきなり派手には動けないだろうし、妃なしでの戴冠という事になってしまうのかもしれない。
ザヴィータのせいで本当に厄介だ。