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冬の初月の二十八日
昨日が刺繍の日なら、今日は飴の日だった。
とにかく薬草を刻んで煎じて飴を作った。
飴にしておくと、砕いてお湯に溶かせば簡単な薬湯にもなる。
ただ、飴というのははねると火傷をし易いものなのが面倒だ。よりにもよってアリアが二の腕に火傷を作ってしまった。目立たないからと本人は言っているけど、飴の火傷は痛むものだし、もうすぐ花嫁衣裳を着るのに。
しかも黙って我慢していたものだから、手当てが遅れてしまった。気づいて慌てて薬を塗ったり術をかけたりしたけれど、時間がたっていた分ちょっと効きが悪かったみたい。
痛みは結構ひいたみたいだけど、薄く皮をはった傷はよれたみたいに歪んでいる。
痕が残らなきゃいいけど。
しばらくは毎日様子を見ようと思う。