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冬の初月の二十三日
宮廷の母にマリーダの話をしてきた。
母もマリーダの事は覚えていたみたい。心がけてくれるという。
兄が言ってたみたいに風邪の流行は結構ひどいらしくて、宮廷は人少なだった。母の話では女官にも患者が結構出ているそうで、人手が足りなくなっているそうだ。
「今すぐ手伝ってほしいくらいなんだけど。そういうわけにはいかないものね。今は塔も女子部も大変でしょうし。」
母も女子部の出身なので状況はわかっている。
花嫁が二人出るというのは、本当に大変なことなのだ。しかも今は塔としての風邪の対応もあるし。
それに正式な出仕にはそれなりの手順もいるので、私の出仕はよほど早くても夏頃になるそうだ。