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秋の初月五日
ルイに昨日の案を持って晶灯の相談をした。
晶灯の数を揃えるのはなんとかなりそう。ルイに言わせると晶灯というのは「クズのようなかけらでも作れる」のだそうで、すでに結構な晶石を確保して、作り始めてくれていた。
ルイは男子らしく棒状のものに固定する仕掛けについて考案してくれていたけれど、晶石を固定する方法については私たちに考えがある。
棒を通せるようにした薄布にビーズのように縫い付けて、下げられるようにするというものだ。これならどこから見てもある程度光が見えるようにできると思う。
この考えはルイをとても面白がらせた。布に縫い付けられるようにすることは簡単にできるそうだ。明日にでも試作品を届けてくれることになった。
午後から試作用の薄布を準備した。
薄布に刺繍をして、補強と魔術を晶灯に走らせる線を兼ねる。
刺繍糸は魔導金を仕込んだものを使った。ちょっと縫いにくいけれど魔力を走らせるのは楽になる。とにかく数が多いのだからちょっとでも工夫しないと。