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冬の初月の二十一日
兄が久しぶりにやってきた。
お祝いだと言って美味しいものをたくさん持って。
当然のようにお茶会になった。
食堂を占拠して、男子部のみんなも呼んだ。
一度落ち着きかけた風邪はまた、勢いを盛り返しているらしい。王太子さまのお加減も安定しないようで、エドは早々に宮廷に呼び戻されることになりそうだ。
女子部では飴を作ることにした。
薬草を混ぜ込んで、風邪の予防と症状の緩和に役立つようにしようと思う。
兄はあとで宮廷の調理場からも人をよこすから、作り方を教えてくれと言ってきた。大量にいりそうなのだそうだ。
ベールの刺繍だけじゃなくて、なんだか忙しくなりそう。