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冬の初月の十八日
リリーナやイリアが頑張ってくれていたので白の裾模様はもうかなりできている。なので私は顔周りの刺繍に取り掛かった。マリーダが銀糸の刺繍を始める。
銀の裾模様は銀糸が縫いにくいだけでなくレイラの模様を刺すので大変だ。レイラの模様は水面の鳥という名で、水を表す模様が鳥の模様を繋いでいる。
とても優美な模様だけど、結構複雑で縫いにくい。
しかも白の刺繍をすでに施した上から刺繍するので、一層縫いにくい。
顔周りは目立つので気を使うけど、縫いやすさで言うとまだマシだ。
このところ考えたり覚えたりばかりが多かったので、無心に針を動かすのはちょっと心地良かった。