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冬の初月の十四日
いつも通りの修練をした。
それから教本のおさらいをした。
もう、本は開けない。
そんなことをしたら眠らずに読みふけってしまいそうだから。
不安で不安で不安だけど、あえてもう無視しようと思う。
熱を出したのは失敗だったけど、もうそのことも考えない。
たぶんやれることはやったと思う。
それに本当に大切なのは、そんな僅かな間の事じゃない。
試験はいつだって日常の集大成だ。
結局ちゃんと身についたこと以外はいざという時には使えない。
大丈夫、かはわからないけど、今私の中にあるものが、私の全部だ。今更必死にかき集めても、もう間に合わない。
明日、精一杯頑張ることのできる幸運が、どうかありますように。