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秋の初月三日

 今日は久々に宮廷に行ってきた。

 まず、お母様を捕まえて、塔主さまの居場所を聞き出す。母親が女官長だと、こういう時は便利だ。

 執務室におられるということだったので、そちらに向かった。

 本来王太子様の執務室は王太子府にあるのだけれど、今は陛下の代理を務めておられるので、陛下の執務室を使っておられる。

 執務室には王太子さまと塔主さま、それからアマリエさまとエドがいた。

 略式の礼の形をとって室内に入る。

 塔でなら格式張った礼はいらないけれど、宮廷ではそうもいかない。

 「エリシア? どうしたんだ?」

 エドが気づいて声をかけてきた。

 「こっちに来るのは珍しいわね。こちらへいらっしゃい。」

 塔主さまが手招きをしてくださったので、足早に奥に向かった。

 「お忙しいのに申し訳ありません。あの、感謝祭についてのご相談が。」

 そっと申し上げると塔主さまが頷かれた。

 王太子さまとエドとアマリエさまと四人で囲んでいた大机から離れて、窓辺に歩く。

 「アジャが抜けた分、光の宴の演出が難しくなりました。人手とお金が足りません。」

 「そうよね。」

 塔主さまが額に手をあてた。

 「予算はなんとかするわ。どうするかの考えはあるの?」

 ルイと相談した晶灯を使う案を申し上げると頷かれた。

 「それがいいと思うわ。練習の時間もいりそうね。人手はアイラと相談して外の魔術師も召喚してもらいなさい。人選には気をつけてね。一筆書くからちょっと待って。」

 大机に戻ると新しい紙を一枚取ってサラサラとペンを走らせたられた。

 「これでいいわ。持っていきなさい。」

 受け取って、礼をして部屋を出る。

 エドはもう私の方は見ずに、王太子さまと何か話し込んでいた。

 女官長は宮廷の影の実力者です。エリシアの母アゼランシャア夫人はリアーナ亡き後の宮廷を支えました。

 エリシアは、この母のもとで半ば宮廷で育っています。

 アゼランシャア夫人は娘のリアーナ就任後も女官長を務め、あとを長男の嫁であるマリーダに譲りました。

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