00000HI「我慢の限界(一)」
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経験が浅いので、ぜひ執筆の参考にさせて頂きたいです。
もし宜しければご協力お願いいたします。m(_ _)m
この世界はクソッたれなんだ。
皆、表だけは着飾り、
それでいて見えない所では、平然と悪いことをしているんだから。
けど、俺が殺人鬼になったのも、
他ならぬ、このクソッたれな世界のためだったんだ。
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時間は既に深夜一時を回っていて、
いつものように俺は自室にこもって、オンラインFPSをプレイしていた。
チームプレイ戦で、ルールはミッション式だ。
銃を持って敵陣に攻め入り、
相手の陣地に爆弾をセットすることが、勝利条件になっている。
だが、チームプレイをしていると思い通りにならないことはよくあることで、
この日もどうやら、そうらしかった。
「待てよ。まだ味方が来ていないじゃないか。あっ、おい!」
俺が止めるのも構わず、
いきなり、チームの連中が特攻し始めたんだ。
味方が揃ってからじゃないと、簡単にやられるに決まっている。
俺は慌てて援護射撃に走って、
突っ走る味方を必死に守ってやった。
もちろん、そんなやり方で上手くいくはずがない。
何て言ったって、相手は手練のガチ勢なんだから。
やはりすぐに負け、画面には「You LOSE」の文字が浮かんでくる。
俺は大きく、ため息をついて言った。
「あーあ。また負けたじゃん。
……マジでカスだな。
何回も言ってんのにさ。本当何で俺の言うこと聞かねえの」
ヘッドフォンを通してチームメイトの言い訳が返ってきた。
俺はそれをすぐにさえぎって、
「いや、言い訳なんて良いって……。
眠いとかマジでアリエッティだし、学校で眠ればイインダヨ?
……遊びでやってんじゃねえって俺いつも言ってるよな?」
と言ってやったのだが、また言い訳だ。
ぶつぶつぶつぶつと、今度は俺に責任を押し付けてくる。
もうマジでありえない。
最近嫌なこと続きで鬱憤がたまっていた俺は、あまりにムカついて、
……モニターをぶち壊した。
キーボードをブンブン振り回して、
「言い訳、言うなああああ!!」
と、思いきり暴れてみせる。
それそれ、俺の怒りを思い知れ。
俺を怒らしたらこうなるんだ。
しかしそのとき、階下からドカドカと階段を上がる足音が聞こえてきた。
それは、いかにもオコな感じの足音で、(註:オコとは、怒ってるということ)
まっすぐに俺の部屋に向かってきているようだった。
やばい、これは親父だ!
そう思い、俺はダッシュでドアに駆けつける。
急いでドアに鍵をかけて、ドアを背にして座った。
親父はドンドンとドアを叩き、何かを怒鳴り散らしているようだった。
うるせえな……。
両手で耳をふさいでいても聞こえてきやがる。
近所迷惑だぞこの野郎。
俺じゃない、親父の方が近所迷惑だ。
本当、俺の周りはカスばかりなんだ。
どいつもこいつも、本当に何にもわかっちゃいない。
何もわかっちゃいないくせに、俺にあれこれ言ってくる。
やがて2時になってようやく、家の中は静かになった。
どうやら親父も含めて皆眠ってしまったらしい。
俺は自室を出て、歯を磨きに行こうとした。
その途中、妹の部屋に寄ってみる。
妹はまだ中学に上がったばかりの中学一年生。
夜真っ暗で眠るのが怖くて、いつも部屋の扉を開けて寝るようにしている。
いつまで経っても子どもみたいなやつなんだ。
俺はその扉をそおっと開けて、中を覗き込んでみた。
やはり、もう眠っているようだ。
そろりそろりと、静かに部屋の中に入る。
こういうときは、いつもドキドキしていた。
妹は俺に似ていない。
どこの子だよってくらい可愛い顔をしている。
血が繋がってるのかも怪しいと思う。
布団を蹴り飛ばして、妹のパジャマが丸見えになっていた。
パジャマの隙間から、おへそがチラリと見える。
その隙間に手を入れて、もちもちの肌を確かめながら、胸の上までそーっと手をはわせたい。
そんな衝動を抑えながら、俺は布団をかけ直してやって、部屋を出た。
そんなこと、もしやってみろ。
バレたら親父に殺される。
アイツなら本気で殺しかねないからな。
ほんと……この世界はクソだった。