Diving
短編、ポエムっぽい感じですね
今日も君はいない。
風に景色がゆらぐ、とぎれとぎれに差し込む夕焼けが車内を橙の光で満たす。
少し目を閉じる、黒っぽい橙にぼやっとした景色が浮かぶ。
有限、無限、有限、無限…
限りなく黒に近い透明感のある液体に、暖色の照明が写り込んでユラユラゆれている。それを見つめてると、君の表情が写り込んできた。
ハッと顔をあげると、不思議そうな君の顔が映り込む
窓から差し込むオレンジの光に君がその方向を見る。オレンジに照らされる優しい君の横顔を見ていた。無限のように感じられた。
日が暮れる―――
目を開けると、燻った橙が群青に押しつぶされているのが見えた。
ああ、夜が来る
駅名を告げるアナウンスが、車内に流れる。
聞いたことがある気がする名前だった。この駅は君と一緒に来たっけ?
そんなことを考えながら駅に降りた。くたびれたワイシャツを着た中年のサラリーマン、参考書を読み込んでいる学生、ベビーカーを押す母親、杖をつく老人、若い会社員の男性…
改札を出た
街頭は少ない。白い息が僅かな明かりに映る。
暗闇をめいいっぱい吸い込んで、そして、歩き出す。歩幅は広くなり、歩調は早くなる。
脳への酸素が、全身に均等に発散していくのがわかる。
流れていく暗闇、肺を刺す痛みは増すけど、だけれども走る。
ああ
そうか
この場所は
いつかキミと
一緒に来た場所か
僕と一緒に、初めて
特にこれといって、言いたいこと、オチはないです、書きたかっただけw
題名と内容を無理やりつなげるんだったら
思い出に、潜って見つける、Divingかなw