2014年:メリークリスマス
本当に遅れてもうしわけありません。(土下座)
※この回は本編とは殆どかかわりがありません。
本編だけ見たい方は次へとお進みしても問題ありません。
※この回は『2014年:聖なる日の前に』の続きです。お手数ですが読んでない方はそちらから読んで下さい。
子供たちが外で遊んでいる間に準備をせっせと進める。ツリーを立てるときに獣族の女性たちから「なにこれ」と軽い質問攻めにあったが、秘密ですと言って適当に誤魔化しておいた。
女性陣は料理。俺は装飾。一人でやるのって以外と大変です。電球を付けての、天辺に星つけてのと言った感じで作業したけど、《風術》がなければもっと大変だっただろうな。
クリスマスツリー用の木を見つけるのは以外と簡単だった。近くの森にそれらしい木がそこらじゅうに生えていたからな。
「……よし、これでいいな」
額の汗を拭きながら、俺は自分で作ったツリーを見て納得をしていた。自己満足? ええ、そうです。
ちょうどその時、子供たちも中に入ってきた。獣族はクリスマスツリーを見て、キョトンとしていた。
「? クロウお兄ちゃん、これはなんです?」
フェイが皆の声を代弁して質問をしてきた。
「これはクリスマスツリーって言うものだよ」
「クリスマスつりー? なんですかそれは?」
「んー……俺の故郷でクリスマスの時に飾った木だよ。こうやって木に装飾をして飾るんだよ」
「おーなんかすごそうです」
凄くないけどな。
「フェイもやりたいです」
「分かったよ、じゃあ来年は皆でやろうか?」
「やるでーす!」
どうやらフェイはやる気満々のようだ。他の子供たちにも聞いてみたが、やりたいとのこと。好奇心旺盛だなぁ……。俺が子供もときは絶対にしなかったな。眺めているだけだし。
その後、エリラたちが作った料理が続々と運ばれて来て、準備は整った。
で、乾杯する前にツリーを点灯することにした。やっぱり光っている横で食べたいし。
「じゃあ、点灯するぞー」
「点灯? どういうこと?」
エリラも初めて見るツリーに驚いていたな。
「見れば分かるさ、じゃあ行くぞー」
前もって作っておいた魔石を回路にはめ込む。すると回路に電力の代わりの魔力が流れ込み電球が次々と光だし、やがてツリーに飾ってある全ての電球が光だした。色はどうしようか悩んだが、どうしても色を出す方法が分からなかったので、塗料で塗った。あっでもこれが普通なのかな?
少し薄暗い部屋をツリーの光が照らす。子供たちがおーと歓喜声を上げた。女性陣もツリーに見とれていた。
こういう顔を見てると作って良かったなと思う。あと、よくよく見たらはしゃいでる子供の中にテリュールがいたが、目を瞑って見なかったことにしよう。
「へぇ……クロのところではこんなのを飾っていたのね」
「まあ飾らない家もあったけどな」
俺も施設でしか見なかったし。
「私に隠れてこんなのを作っていたのね」
「サプライズだよ。エリラたちに見せたら駄目だろ?」
「そうね、うん、知らなくて良かったと思うわ。だってこんなに凄いと感じこと出来なかっただろうしね」
その後、エリラたちが作った料理を美味しく頂きました。日本のときにもこうやってワイワイしたかったなと、ちょっとセンチメンタルになったのは秘密だ。
「ケーキですぅ!」
「おいしいですね」
「ぐぬぬぬ……こんなのも作っていたのね……」
何か言いたそうな顔をしていたエリラだが、一口ケーキを食べるとさっきまでの顔が嘘のように消え、代わりにとろけるような顔になっていた。
甘いものには弱いなぁ……。いや別にいいけどさ。
まあまだ終わりませんが。
「はーい、皆にクリスマスプレゼントがあります」
「クリスマスプレゼント?」
「そう、こうやってクリスマスの時に渡すものだよ」
まぁあっちでは24の夜でサンタが……といった感じになるけど、別にしなくてもいいですよね?
子供たちには魔力を流せば、長さを変幻自在に代えることが可能な短剣をプレゼントした。クリスマスプレゼントに武器かよ! と思ったが、刃が無いし、不殺スキルで怪我をしないようにしているから、物騒な物ではない。まあいうならば、チャンバラ用の剣だ。鬼ごっこだけだったら可哀想だし。何か変化をつけさせてあげたかったのだ。
まあ……結果的に喜んでくれたので勘弁してほしい。
女性たちにはアクセサリーをプレゼントした。まあさすがにそんなにきらびやかな物はやめておいたけど、向こうの世界では一個数万はするぐらいの物をプレゼントした。
こちらはちょっと困惑していたが、最終的に喜んで貰ってもらえた。どうせなので、一人一人に付けてあげた。付けるときに何人かの女性の猫耳がやけにピクピクしていたような気がした。アクセサリー関係はテリュールにもネックレスを渡した。テリュールは隷属関係のチョーカーを付けている訳でもないので、煌びやかなネックレスをプレゼントした。「フェイも欲しいのです!」と言われたので後でフェイにも作ってあげたことは後日談として言っておこう。テリュールも喜んでいたので安心した。と言うのも大人、それも人間の女性に渡すことなど無かっただけに少し緊張をしていたのだ。
さて、これで残るはエリラだけになったな。
でも、エリラには既にネックレスをプレゼントしているので、ちょっと変化をつけてみることにした。
「エリラには……これ」
渡したのは、毛糸で作った特製の白色のマフラーだ。この世界にはマフラーという物が無いので、エリラも初めてみるマフラーに何これ状態だった。
「? これどう使うの?」
「それはこうやって……」
俺はエリラの首にマフラーをかけてあげた。マフラーを巻かれたエリラはしばらく動きが止まっていた。おそらく何の効果があるのだろうかと思ったのだろう。
しばらくして、ようやくエリラも何か気付いた。
「……温かいわ」
「保温効果があるアクセサリーの一種だよ。それに首チョーカーも隠せるし」
「あっ、そういえば」
そう、俺がエリラにマフラーをプレゼントしたのはそのためだ。せめて見た目からは奴隷に見えなくしようと思ったのがきっかけだ。
まあ冬限定ですが。
「……ありがとう。大切にするわ」
彼女はマフラーを触りながら嬉しそうに言ってくれた。
こうして、この世界に来て初めてのクリスマスは無事幕を降ろした。
ということで、最初と言うことでクロウが色々あげました。来年はもっと色々とネタを盛り込む予定です。まあ来年の今頃まで続いていたらの話ですが。
まあそう考えると2日に一回更新しているので、来年の今頃は約300話あたり……書いている自信がありません。
あと、投稿遅れて申し訳ありません。25日にまさかの爆睡というミスを犯してしまいました。
次書くときはそうならないように頑張ります。
=====2017年=====
02/26:テリュールに物を渡している描写が無いという痛恨のミスを指摘されたので加筆修正しておきました。ごめんねテリュール。




