第69話:魔闘大会
よ、四本目……次で本日の投稿は終わりです。
だ、誰かリポ○タを……グフッ
「では、朝礼を始めます」
月一回に、行われる特待生組の朝礼。俺はこれが2回目になる。
「先日は、皆様本当にお疲れ様でした。そして、本当に申し訳ございませんでした」
朝一番の、朝礼で、アルゼリカ先生は俺たちに向かって、頭を下げた。
「別に気にしなくても宜しいですわよ」
「そうだよ先生。誰も死んだりしてねぇから大丈夫だって」
シュラが、ローゼに続くような形で、先生を慰める。いい奴らだ。
「まぁ、若干一名、成長した人はいr (バキャッ) ごはぁ! アバラガー!?」
「……静かに……」
……まぁ、空気を読めない奴も中にはいますが。
「ありがとうございます……では、次に今月に行われる【魔闘大会】についてですが……」
魔闘大会? なんじゃそりゃ。
「初めての人もいますので、今一度説明をしたいと思います。魔闘大会とは、この学園内で行われる、トーナメント式の実践大会です。参加資格は一般学生については自由参加。特待生組に対しては怪我などの諸事情が無い限りは強制参加になります」
強制参加なのね……。
「ルールは、お互い持てる武器は練習用の木剣。魔法は自由に使って宜しいです。制限時間は20分。制限時間内に相手を、降伏、またはノックアウトさせれば勝利となります。なお、制限時間内に勝負が付かない場合は審判による判定戦となります。なおレスリーストップがかけられた場合、即座に攻撃をやめなければ失格となり、強制的に留年が確定します、その他にも度合いによって、罰が課せられます」
うわぁ……確かに、必要以上に熱くなられても困るから分かるが、厳しいルールだな……。
「そして、最後まで勝ち残った上位、5名が優秀者として表彰されます」
優勝者は決めないんだな……。まあ理由はおおよそ見当はついているが。
「試合は、今月末。場所は闘技場にて行われます。集合時間は早朝。そこで、予選を行い、残った32名が本選出場となります。予選方法については当日公開されます。以上です。質問はありますでしょうか? ……なければ、これで終わりとなります。では、解散です」
「優勝者は決めないんだね」
朝礼終了後に、エリラが俺に言ってきた。
「多分、舎弟関係を作られるのを、恐れての対策だと思うけど、そんなんじゃあ対策にならないと思うけどな……」
俺は、一般生徒の事は知らないが、多分どこにでもあるような苛めとかあるんだろうな。しかもこの世界は、魔法って言う強さを決めるシンプルな物が、あるんだからなおさらだろう。
「まっ、俺らは頑張るしかないって事さ」
シュラは俺たちの話を聞いていたのか。
「所で、毎年だれが優秀者として選ばれているのですか?」
「う~ん、俺は去年の分しか知らないけど、去年の優秀者は、一般生徒3名に特待生組は、サヤとカイトだな」
アレ、以外と特待生組少ないな……。このメンバーらも年齢の割には、かなり強い分類に入るのだけど。てか、サヤさん強くないですか?
「一般生徒が3名ですか?」
「ああ、まあ特待生組は、有望株と言うことで推薦された人たちだからな。強さはあまり関係ないんだよ。逆に叩き上げで登ってくる奴らは多いみたいだ」
「選落ちした僕は暫く、一般生徒に顔向けできませんでしたけど」
テリーが会話に入ってきた。
「私も似たような感じでした」
ネリーも入ってきた。もうこの前の事は、引きずっていないのかな?
「特に、エリートとか言われる奴らが煩いな」
今度はカイトか。
「しかも、今年は入学して1年目にして、最上級生を打ち負かす人材が3名もいるって話よ……」
「……面倒……」
セレナとサヤもだ。なんかドンドン集まってきたなぁ。まあこの大会の事を知らない俺には嬉しいけど。
「まあ、参加するかは分かりませんけど」
最終的にローゼも混じって来ました。アレ? この中に絶対磁石みたいな人いるよね?
「まず参加するだろうな。一回そいつららしき奴らを見たことあるが、高飛車と言うか下の奴らを、まるでゴミでも見るような感じの奴だった」
あっ、それ絶対関わったらアカンパターンの奴らや。
「はぁ、また今年も荒れそうですね」
「テリーさんはこの大会が嫌いなのですか?」
「まあ、勝ち負け以前に参加したくはないね」
「特待生組はタダで入っているんだから、それなりに実力あるのでしょ? って嫌みを言う奴もいたな」
「あの~……皆さんは参加したくないのですか?」
「俺はどっちでもいい」
「嫌だ」
「私も」
「まぁ……そこまで参加したいとは」
「……強い格闘がいるなら参加したい……」
色々、文句言われる身としては、参加したくないよな。そしてサヤさん。あなたはどこかの某戦闘民族の人でしょうか? 発言がやばいって。
「まっ、参加するなら負けるつもりはないけどな。よしっ、カイト早速修行だ!」
「あったりめーだ!」
そういって、ダッシュで教室を出ていくシュラとカイト。やっぱり普段は、脳筋な奴らだなと思った。
「……私も練習する……クロウ……」
「あっ、はい。いいですよ」
この人も、やる気に満ち溢れているなぁ……。
「恥ずかしい思いなんて、テルファニア家として出来ませんわ。私も早速鍛錬をして参りますわ」
「あっ、サヤがクロウと練習するなら、私はローゼとする!」
「僕らも、やれるだけの事はやろうか」
「うん!」
続々と教室を出ていく皆。本当、勤勉家だよなあの人たちって……。
「……行こう……」
「ええ、そうですね」
サヤに引っ張られるような形で、俺も闘技場に向かっていった。アレ? 先生に許可は? と思ったが、行ってみると闘技場では、特待生組が全員居た。サヤが「……みんなの訓練はここって決まっているから……」と言って、自分が使いたい場所へ俺を引っ張っていく。
その後、4時間ぐらいミッチリと戦わせられました(泣)。いやサヤ、スタミナあり過ぎでしょ!? それ以上に恐ろしいのは、何度も俺に挑んでは、色々な技を(うろ覚えな柔道の技。ただしスキル補正でプロ級並の上手さになっています)かけているのだが、何度も立ち上がっては、俺に果敢に挑んでくる。休憩のとき以外に、止まっている所を見ないぐらいだ。
しかも、技術の吸収スピードも尋常な無いぐらい早い。後半になるにつれて、俺も少しは力を入れないといけないほどになった。
結局、俺らは夕方の閉校時間ギリギリまで、残って特訓を続けた。
「やばい、眠い……」
「お疲れ様」
目をゴシゴシする俺にエリラがタオルをかけてくれた。ちなみに今頃かもしれないが、テリュールは家で獣族語を勉強している。獣族の人たちも最近は、俺らの言葉を覚えて来た者もいるので、多分大丈夫だろう。
「それじゃあ、家に戻る?」
「そうだな……ん?」
校舎の入口から出て家に帰ろうとしたとき。どこからかともなく、ボッと言う音が聞こえて来た。
「? 今の音なんだろう?」
エリラもその音に気付いたようだ。もう学校が閉まる前なのに、まだ誰かが練習しているのだろうか?
「ちょっと行ってみるか」
そう言って、俺は音の聞こえた方に足を向けた。
学園には、闘技場以外にも、何か所か魔法を使っていい場所がある。ただし人に向けるのは厳禁だが。人に向けて使ってもいいのは、今の所俺の知っている限りだと、闘技場だけだ。
魔法を使っていい場所の一つに中庭がある。中央に噴水と隅にベンチがあり、大きさはサッカーコートのおよそ4分の1程度の大きさだ。
昼休みには、ここで休憩している人もしばしば見かける。この場所で、誰が何をしているんだろうか。
校舎の物陰に隠れて、こっそりと中庭の方を見ると、そこには一人の少女が、杖を片手に持って一人、ポツンと立っていた。
少女は、杖を高々と突き出し、詠唱を開始しする。
「――――――《炎》」
ボッと言う音とともに、杖の先端から火の球が生まれ、暮れかかった夕暮れ時の辺りを照らした。
「誰だろうね?」
「……あっ」
俺は、あっとした。思い出したのだ
「彼女は―――
第2章のタイトル名は【魔法学園・魔闘大会編】となりました。急な変更申し訳ございません。
m(_ _)m




