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第60話:平常運行

「………と、言うわけです」


「………雲を掴むような話だな」


非常に恥ずかしい光景をさらしたのち、俺はとりあえず事情を説明した。

あと、さっき気づいたらいつもの脳内アナウンスが流れた。あれを聞くのも久々だったな。

でも、話の流れを切るので後でまとめて説明しようと思う。メタい? 細かいことは気にしないでください。


「さっぱりわからん、どういうことだ?」


カイトが頭にハテナマークが浮かんでいる。


「あとで説明するから、お座り」


シュラが犬でも手懐けるかのようにカイトをなだめる。


「ワン! ………って、俺は犬じゃねぇよ!」


それに反応するカイト。犬のお座りのポーズを取る。そして華麗なノリツッコミを決める。


………こんなキャラだっけ? この世界のノリツッコミも日本と似ているなと思った。


「………うるさい………」


サヤが冷たい目でカイトを睨んだ。彼女はこういうことは苦手なのだろうか? 7年前には分からなかった事だ。


「はい、申し訳ございません!」


その声に、カイトはお座りのポーズを取ったまま、まるで蛇に睨まれたカエルのように固まる。


………7年前、そのまんまだな………。この中で俺だけ年齢が進むと言う、なんとも、不思議な感じだ。


さて、結論から言うと俺は戻ってはこれた。簡単な魔法を使って見たが、一応使えた。と言うのも7年も使っていなかったので、大きな魔法を使うのが怖いからだ。


さらに俺が生きた7年間は、こっちの世界では僅かに十数分程度しか経っていなかったのだ。

物凄い時間差だ。約2分が、あちらの世界で1年分に相当するのだ。

と言うことは………こっちで1時間も経てば向こうでは30年経つ計算じゃねぇかよ!


このことをテリュールに告げると、少し寂しそうな顔をしたが、「覚悟はしていたから大丈夫よ」と言った。


ちなみに、テリュールの事についても説明したときに、ちょっとエリラが怖かった。「へぇ………付いてきたのねぇ………」と言っていたときに、後ろに毘沙門天が見えたのは気のせいだよな?


そんなエリラは、俺の腕に巻き付いている。あの………当たるところが当たっているのですが、俺も成長したので、立つところが立ちそうで危ないのですが、気にしないようにしないと………あっ(以下略)


ととととにかく、俺だけ成長して後は変わらないと言うなんだかおかしな展開になってしまった。何これ?


「さて、その辺も踏まえて、アルゼリカ先生に報告をしよう。戻って早々に悪いけどすぐに戻るけどいいか?」


「ええ、私も家とかが心配でしたので異論はありません」


「………さっきまで子供だった奴がいきなり成長すると、どう対応すればいいか判らないんだが………」


デスヨネー。と言うか俺が一番どう対応しようか悩んでいると思うのですが。


「いつも通りでいいのではございませんか? クロウもそっちの方が宜しいのでは?」


よし、ナイスだローゼ。


「ええ、そっちの方が良いです」


「そうだな。じゃいつも通りと言うことで、戻るとしますか」


こうして、俺らはチェルストを後にし、帰路についた。







ーーー特別条件『時空を越えし者』を取得しました。

>>スキル《創生魔法》傘下スキル《空間魔法》のレベルが最大限になりました。


ーーー特別条件『不断(ふだん)(つるぎ)』を取得しました。

>>スキル《不殺》のスキルレベルが最大になります。


ーーー特別条件『魔法を封じられし者』を取得しました。

>>スキル《動作中断》を取得しました。


ーーー特別条件『鈍器で斬りし者』を取得しました。

>>スキル《瞬断》を取得しました。


ーーー特別条件『一点集中』を取得しました。

>>スキル《力点制御(パワー・コントロール)》を取得しました。






………久々に戻ったらこの有り様だよ!














「むー」


「………いや、そんな顔をされても困るんだが………」


「………私より大きくなってる………」


帰りの途中、エリラが俺のほうを見て何やら不機嫌な顔になっていた。


「仕方ないだろ………別に困ることでもないだろ?」


「困るわ」


「なんでだよ………」


「弄るネタが無くなるじゃない!」


「そこかよ!」


「あと、枕に出来ないじゃない」


「あれ、確信犯だったのか!」


背後でセレナ辺りが必死に笑いを堪えているのを感じる。「くっ………我慢、我慢………」って言ってるし。


「あークロウって暖かいよね~、少し寒い日には本当に気持ちいいよね~」


ばかやろおぉぉぉぉぉぉ!



突如テリュールから投下された言葉の爆弾。


「あら、なんであなたがそんなことを?」


あっ、嫌な予感しかしない。エリラは俺の腕にまとわり付き、テリュールを笑顔で見ていた。ただし、笑顔の前に怒が付きますが。


そんなエリラの顔を見つつも、テリュールは全く気にしていないようだ。

というか、業と? 業と言ってるの?


「いや、私たちの世界って天気とか言うのは、変わらないんだけど、気温は以外と変わるのよね。それで寒い日は、クロウは暖かいから………ねぇ?」


………そういえば無理やりカイロ感覚で使われた記憶が………


バチバチと言う音が聞こえて来る。


ふと、エリラを見てみる。


「フフフ………」


エリラ………さん………怖いです………



元の世界に戻って僅か数時間。俺は早速面倒事に巻き込まれそうです。

スマホからは時間がかかります。


今回はどうでしたでしょうか? 前回はあまりにさくっと進み過ぎないか? と言う声が聞こえましたが。


ええ、私もそう思います。


し、仕方が無いんです! 早く元の世界の物語書きたい病が出てしまったのです! エリラたちの事を書きたかったんです! 許してください。(土下座)



あと、まだ第1章は続きます。昔、遠足で「家に帰るまでが遠足だぞ」と言われましたよね?

あの感覚ですね。まだまだクロウ達のやり取りを書いていきたいので書きます。


次回更新日は11/25を予定しています。


次回もよろしくお願いします。

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