第52話:やり直し
俺が後悔をしていたとき、俺に近づいて来る影が見えた。
「……どうしたの?」
テリュールだ。テリュールは、仰向けに倒れている俺の顔を上から覗きこんだ。
俺は何も答えない、と言うか答えれない。今は真面にしゃべれる気がしない。
「……聞いたよ。他の世界から来たんだってね」
「ああ……」
俺は辛うじて言葉を返す。
「……私には何も出来ないかもしれないけど、何か手伝えることがあったら言ってね」
「……ありがとう……」
「……元の世界に戻れるといいね……」
テリュールは、それだけ言うと、その場を後にした。
それから、どれくらの時間が立っただろうか。2時間? 3時間? それとも、もっとかもしれない。
いつまでもこうしている訳には行かない。俺はそう思うと、涙を拭き体を起こす。
何か方法はあるはずだ。例え何もなくても、ここで後悔しているのは駄目だ。あいつらの為にも早く元の世界に戻らないといけない。
俺は頭を冷静にし、これからの方針を決めることにした。
ここにいる人達が、本当に何もしらないとすると、少なくとも彼らの生活範囲内に、なんらかのヒントがある確率は低いだろう。そうなると、生活範囲外……村から遠く離れた場所。
マッピングか……。スキルを使う事に慣れていたせいで、物凄く面倒な感じがする。剣の扱いにも慣れないといけない。
おそらく前世の世界で、繰り返し慣れるようにしないといけないだろう。もしスキル補正なしで同じように振れるのにどれくらいの時間がかかるだろうか……。
ステータスのお蔭で、あの熊は倒せたが探索するたびにあんな戦闘を繰り返していたら、とてもじゃないが身がもたない。
戦闘を避けるのが一番いいかもしれないが、囲まれたり、逃げられない状況に陥ったりする可能性もあるし、素手で殴るには危険すぎる相手と、対峙する場合も想定しておかなければならない。
と、言う事で俺は長老に剣が無いか聞いてみたが
「剣……? 木剣のことか?」
「いえ、鉄の剣が欲しいのです」
「てつ……? なんじゃそれは?」
と、言われた。
そして、俺は建物の建築方法を見て納得した。
建物をよく見てみると、釘がなく、木と木に窪みや穴を開けてそこに、はめ込んで組み立てており、鉄製の物が一切無かった。
長老の家にあった派手な装飾品にも鉄製品は無く焼き物だった。
どうやら、この世界には鉄と言うものが無いみたいだ。物はすべて、木や綿などで出来ており、むしろ、これ鉄使っていないの? と言う代物もたくさんあった。
精錬と言う技術が無いか、または鉄鉱石自体が存在しないのかもしれない。
考えてみれば、今の状況って最悪じゃね?
・ヒント無し
・スキル無し
・魔法無し
・武器無し
俺の着ている服も魔力繊維と言う特殊な糸で防御力は並の鎧ぐらいはあるが、このような状況なので、効果は保障出来ない。
「本当に何もないじゃねぇか……」
俺は頭を抱えた。木剣や石を括り付けた鈍器はあったが、耐久力、攻撃力、ともに不足しており。これでは使い物にならない。
そこで、俺は木剣を使い、極力敵の動きを流すと言う戦い方をすることにした。
だが、これも並大抵のことではない。今までスキルに頼っていた剣術を記憶を頼りに体に染みつくまで練習をしなければならない。
幸い、長老が剣術を教えている先生を紹介してくれたので、すべて自分でしなければならないと言う事態だけは避けれた。
しかし、スキルが無い状態での覚える速度は遅く、改めてスキルに頼りすぎていた自分が情け無くなってきた。
しかも、加減スキルなどもないので、力をセーブすることにも一苦労だ。力加減を間違えれば木剣がすぐ折れるし、先生を真っ二つにしかねない。
本当は、今すぐ調査して元の世界に戻りたい。だが先生が言うには。今の俺の剣の使い方じゃ、外に出たらすぐ武器を駄目になることが目に見えているとの事。ましてや人々が踏み入ったことも無い地域を歩き回るなら、自分の教えをマスターしても怪しいとのこと。
結局、俺は先生に良いと言われるまでは、外に出れないことになってしまった。
そのことに、俺も特に異論はいなかった。戻りたい気持ちは当然あるが、ここで焦って命を落としてしまえば元もこうも無い。
こうして、俺の焦る自分の心と、剣術とひたすら向き合い続ける日々が始まった。
心が折れそうです……
感想欄の中傷的な言葉に気にしないと思いつつもダメージが……。心優しい方が運営に報告してくださったようで本当にありがたいです。
あと、自分の文章力のなさにマジメに引退を考えていたりもします。小中学生レベルって……詳しくは申しませんが、私は今現在(2014年11月7日現在)、高校を卒業し専門学生です。理系ですが、文章力が無い事の理由にはなりませんね。
……とまあ、言い訳に聞こえるかもしれませんが、無意識で気にしているのか、急に筆が進まなくなりました。
これがスランプと言う物なのでしょうか?
書きたいことは決まっているのに、全く進めず、文章を何度直しても納得が行かず、文章量が激減してしまいました……。
でも、私は自分でこの小説を気に入っています。主人公と周りの人々のお話をまだまだ書き続けたいです。
ですから、これからも更新は頑張っていきます。
絶対完結してやります。
誰も読まなくても完結させます。
どんなに誹謗中傷がこようが完結させます。
なお、感想欄はこのまま、誰でも書けるようにしておきます。やっぱり外部の意見は大事ですので。
なお、これから私が誹謗中傷を書いただけと判断した感想は問答無用で削除していきます。
こんな状態ですが、これからもこの小説をよろしくお願いします。




