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第46話:チェルスト

 ※10/29 誤字を一部修正しました。

 ※10/31 ステータスミスを修正しました。

「ここが、チェルスト……」


 旧都市跡のチェルストは、ボロボロの城壁に覆われていた。城壁には、蔦が生い茂っており、石の部分は殆ど見受けられらなかった。壊れた城壁の奥に住居らしきものが見えるが、それもほとんど原型を留めておらず崩壊をしているように見える。

 今日は偶々かもしれないが、風が強い。これも、風化を進めている原因なのではと思う。


「それにしても、こんな立地の悪い所に、こんなでけぇ都市なんか建てるなよ……」


 シュラが足に絡まった蔓を、引きちぎりながら呟く。


「この地形だからこそ、守りに適した場所といえるのさ」


「それでも、人が住むにはどうかと思いますわ」


 全くだ。


 エルシオンを出発してから、1週間ちょっと。俺たちは無事、旧都市チェルストの入口まで来ていた。本当に長かった。途中の町で馬車から降りてから、歩いて3日もかかったんだけど……。冒険に慣れている者にとっては、そこまで問題ではないが、初めて参加する人には過酷だろう。


 意外とサヤは平気そうな顔をしている。道中、話を聞くと、やっぱり武器は格闘みたいで、自分のナックルダスターを見せてくれた。

 指の関節部分辺りには、刃が付けられており、斬撃にも使われそうな感じだった。ただ刃は脆いらしく、予備は必須との事。


 今度、丈夫な物でもあげようかな?


 一方、テリーとネリーは完全にバテており、地面に座り込んでいる。この二人が今回、もっとも危険だと思える。

 と言うのもレベルが20すらも到達していない。これでもDランククラスの、力なのだが、もう少し詳しく言うとDの下の下だ。Cランク、しかも大型系モンスターとなると全然、力が足りない。それに加えて経験無し。なんでOK出したの? ノリなの? と聞きたいくらいである。


 レベル的には他のメンバーも、最高が31と大して変わらないかもしれないが、スキルに圧倒的な差が出ており、さらに、細かい称号なども加えていくと、かなりの差が出てしまう。

 つまり、経験値に差が出てしまっているのだ。


 どうせなので、ここで俺とエリラ以外の、全員のステータスを出して見よう。ただ、全て出すと非常に長く、かつ観難くなるので、基本ステータスと戦闘系スキルのみの抽出とさせてもらう。



――――――――――

名前:シュラ・ストライタ

種族:人間

レベル:31

筋力:500

生命:870

敏捷:600

器用:980

魔力:400

スキル

・戦闘スキル

 《見切り:4》 《気配察知:6》

 《回避:5》  《心眼:4》

 《対魔物:3》

・武器スキル

 《片手剣:3》 《大剣:6》

 《盾:2》   《格闘:4》

・魔法スキル

 《火魔法:3》

――――――――――

――――――――――

名前:カイト・シュダリア

種族:人間

レベル:27

筋力:440

生命:720

敏捷:610

器用:1,000

魔力:370

スキル

・戦闘スキル

 《見切り:2》 《気配察知:4》

 《回避:2》  《心眼:3》

 《対魔物:3》

・武器スキル

 《片手剣:6》 《槍:2》

 《盾:1》   《格闘:2》

・魔法スキル

 《風魔法:2》  《付加魔法:3》

 《詠唱:3》

――――――――――

――――――――――

名前:ローゼ・テルファニア

種族:人間

レベル:22

筋力:300

生命:620

敏捷:550

器用:930

魔力:360

スキル

・戦闘スキル

 《見切り:5》 《気配察知:5》

 《回避:3》

・武器スキル

 《片手剣:4》 《盾:2》

 《格闘:1》

・魔法スキル

 《風魔法:2》  《光魔法:2》

 《詠唱:2》

――――――――――

――――――――――

名前:セレナ・ガーデン

種族:人間

レベル:30

筋力:500

生命:730

敏捷:630

器用:900

魔力:200

スキル

・戦闘スキル

 《見切り:4》 《気配察知:3》

 《回避:3》  《心眼:2》

 《集中:3》  《対魔物:4》

・武器スキル

 《片手剣:5》 《盾:1》   

 《射撃:3》  《格闘:2》

・魔法スキル

 《水魔法:4》 《土魔法:4》

――――――――――

――――――――――

名前:サヤ・ミカヅキ

種族:人間

レベル:23

筋力:620

生命:740

敏捷:700

器用:600

魔力:200

スキル

・戦闘スキル

 《見切り:2》 《気配察知:4》

 《回避:2》  《心眼:3》

 《対魔物:3》

・武器スキル

 《格闘:7》

・魔法スキル

 《魔力制御:3》《詠唱:3》

――――――――――

――――――――――

名前:テリー・ラーナ

種族:人間

レベル:19

筋力:370

生命:430

敏捷:390

器用:500

魔力:350

スキル

・戦闘スキル

・武器スキル

 《片手剣:4》 《盾:1》

・魔法スキル

 《火魔法:2》 《風魔法:2》

――――――――――

――――――――――

名前:ネリー・ラーナ

種族:人間

レベル:17

筋力:290

生命:380

敏捷:420

器用:630

魔力:300

スキル

・戦闘スキル

・武器スキル

 《片手剣:2》 《盾:3》

・魔法スキル

 《風魔法:2》 《光魔法:1》

――――――――――


 ……冒険者と言っていたシュラ、カイト、セレナは、問題ない。最低限、自分の身は守れるだろう。

 ローゼも多少能力は低いが、警戒系スキルがやや高めなので問題ない。サヤに至っては「君、なんで冒険者じゃないの?」と聞きたいぐらいだ。《格闘:7》って……あの拳に何人が沈んで行っただろうか。

 ……考えないでおこう。


 そうなると、テリーとネリーが問題か……。


「さて、時間も無いしさっさと行くか」


 今回、リーダーを務めるのはシュラだ。この中で一番ランクが高いのは俺だが、長旅などほとんどしたことないので、ここは経験者にお願いすることになった。


 食料などは各自で携帯している。各自、最低でも《倉庫:2》を持っているので、そこに食料や水をたっぷりと入れて置いた。バラバラになってしまった時の保険も含めて。


 シュラの案内の元、俺らは都市の中へと入っていく。通り道にはほとんど物が落ちていなかったので、進むのに邪魔になることはなかったが、中の寂れ具合を見ると本当に長い間放置されていたのがわかる。何とか形を取りとめている家は石などの建造物で、木で出来ていたであろう建物は、もはや支柱を残し、かつてここに家があったと言う事だけが、辛うじて分かる。

 幽霊とか出て来そう。この世界にいるのかどうかは、知らないけど。


 さて、お化けと言うとここに一名、苦手な人がいる。


「お、お化けとか、で、で、で、出ないよね?」


 エリラが、先程から俺が付けているマントをしっかりと握り、離れない用にすぐ、後ろを歩いている。マントが上がっている上に、風が強いので、背中がスースーする。


「雰囲気だけだと出て来そうだけどな」


「こ、こわい事を言わないでよ!」


 うーん、ここではエリラも戦力外かな? 実際の戦闘はどうなるか分からないけど。


 町の中を進んでいく、目標のベヘモスと思われる姿は辺りに見当たらない。と言うよりか


「……風以外に音がしないな」


 時折、風で石などが崩れ落ちる音は聞こえるが、生き物の声らしきものはしない。普通こういう所は、魔物が巣にしていることが多いらしいが、今は全く聞こえない。


「……居ないわね」


 セレナが周囲を警戒しつつ呟く。


「ああ、気配すらも感じないぞ」


 俺も気配は全く感じない。だが妙だ。何もいないはずなのに、俺は妙な視線をさっきから感じていた。本当に極僅で、意識していないと分からないほどであるが。


 ……どこだ? 


 俺が周囲をキョロキョロしているのにシュラが気付いた、


「どうしたんだ? クロウ」


「いえ……ちょっと妙な視線を感じているので」


「気のせいじゃないのか?」


「……だといいのですが」


 ……これは気のせいじゃないな。


―――スキル《探索》発動


 スキルにより周囲の情報が一気に俺の脳内にインプットされていく。すぐに見つけることは出来ないが、これを常に発動していれば、近づけばすぐに分かるはずだ。


「それにしても、どこにいるんだ?」


「アルゼリカ先生に聞くところによると、移動は歩きで空を飛んだり、地面を潜って進むことは出来ないそうだけど」


「空でも飛べればな……」


 全員が思わず上を向いてしまう。空は雲一つない快晴だが、鳥の姿は見当たらない。それが俺らを一層、不安にさせる。


「無い物ねだりをしても仕方がないだろ。兎に角、探索を続けるぞ」


 出来るけど、絶対にやらないからな。バレたら洒落にならない。











「いねぇ……」


 探索を初めてかれこれ2時間。その間ぶっ続けで探し続けたのだが、ベヘモスどころか虫すらも見つけれない。


 そして、俺の探索も無反応だ。どこにいるんだよ……。


 と、そのとき


―――ギャオオオオオオオオ!!!!―――


 突然、鳴り響く声。全員が一斉に武器を構え周囲を警戒する。だが、どこからも来ない。

 ―――いや


「下だ!!」


 俺の叫び声に反応し、エリラ、シュラ、カイト、セレナ、サヤが咄嗟にその場から離れる。だがローゼ、テリー、ネリーは慣れていないこともあり、反応が僅かに遅れた。


 俺は咄嗟に風魔法を使い、3人を強制的に吹き飛ばす。多少手荒いが止む得ない。


 3人を飛ばした瞬間、地面が一瞬盛り上がったかと思うと、爆音と共に、中から大きな口が現れる。その姿はまるで、鯨の様だった。皮膚は黒く、所々に赤い斑点見たいな模様が見受けられた。


 誰が、地面には潜らないかボケエェェェェ! 俺は心の中で叫んでいた。


 謎の生き物は、勢いそのままに地面から抜け出し、その大きな巨体を地面に叩き付ける。ズドォンと音と共にあたりに地震並の振動が伝わる。


「全員! 戦闘体勢にt―――」


 シュラが、指示を出そうとしたとき、全員がその異変に気付く。


 地面に広がるひび割れ。そして広がって行く亀裂。その亀裂は謎の生き物が飛び出した穴からではなく、謎の巨体が落ちたを中心に広がっていた。


「まずい! 崩れるぞ!」


 だが、シュラの言葉虚しく、振動により足を取られたことも影響し、全員が地面の中へと落ちて行く。


 俺も例外ではない。一瞬空を飛ぶことも考えたが、見られると思うと、発動を一瞬ためらってしまい、巻き込まれてしまった。

 だが、落ちたことにより、俺はあることに気づく。


(どういうことだ?)


 俺は最初、突如飛び出た、謎の生物が作った穴と、地面に叩き付けられた衝撃で崩落が発生したと思った。

 だが、地面の中は空洞だったのだ。まだ、崩れていない、地上のすぐ下の部分も暗黒に包まれており、崩れて無くなった……と言うより前から無かったと言う方が妥当と思った。


「うああぁぁぁぁ!!!!」


 俺たちは、そのまま暗闇の中へと吸い込まれていった。

 ステータスを見たらわかるかもしれませんが、ステータスには見えない数多くの称号があります。

 私たちが普段意識していないことも称号に入っていることもあるので、レベルが近くてもステータスには大きな違いがあります。

 一番いい例がサヤですね。彼女は冒険者ではありませんが、身体能力が高いため、クロウの「下だ!」と言う発言にも素早い反応が出来たのです。


 次回、投稿予定は10月30日です。


 修正は予定通りに(ry


 ほんとマジですいません。


【大幅加筆修正報告】

・第4話

 ・不必要な個所を大幅カット、また文章を一部修正しました。物語に影響はありません。

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