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第25話:驚くべき真実

 エルシオンの町はずれにあるコロッセオ。昔はここでよく決闘が行われていたらしいが今では、ほとんど人が来ない場所だ。

 だが、汚いとか古びているわけでは無い。何故ならまだ決闘をすることはしばしばあり、また年に一度ここでは「武闘会」と呼ばれる大会があり、アルマスダン中の人々が集まる。この大会は国王も見学に来て優秀な人材はスカウトされることもあるそうだ。しかも兵士スタートではなく分隊長など1ランク上の格からスタートすることが多い。当然収入も違う。

 そのためこの大会に参加するために1年間修練を積んで態々参加する人もいるらしい。


 ※ちなみに普通の兵士になら王都で試験受けて合格すれば入隊出来ます。


 んで、普段ここは国が管理しているのだが、見張りの兵士以外はマジでほとんど来ない。そのうち死霊がいたとか悪霊に憑りつかれるとか言う噂が立ちそうだな。心霊スポット化する闘技場とか見たくねぇ、ベターと言えばベターだが……。


「勝負は一本勝負。時間は無制限で魔法あり。敵を降参させるか戦闘不能にすれば勝利となる。異論は?」


「ありません」


「ない」


 またこれかぁ……闘技場と言えばエリラと出会った闘技場はギルド内にあったんだよな、あっちは小さかったけど。


「クロ! 頑張りなさいよ!」


 エリラが手を振って笑顔で観客席から応援している。


「当然」


 エリラは最近笑顔が多くなった気がする。最初の時はほとんど笑うときがなかったからな。


「では、始め!」


 審判(見張りの兵士)が始めの合図を鳴らす。もはや前置きすらないこの適当感。おい見張りの兵士あんた物語の基n(以下メタ発言略)


「―――《炎牙》!」


 先手を取ったのはハヤテだった。言葉の通り炎が俺を食らいつくすかのように襲ってくる。手加減はしないのですね。


「よっと」


 俺は素早く横に避ける。通り過ぎて行った炎が壁に当たる。そして……えっ壁が溶けて……る?

 まて! スキルと能力見た限りではこうはならないはずだぞ!?


 人だよね!? うん、種族も《人族》だな。ここは神目の分析を信じよう。


「―――――《炎狼》!」


 うげっ、今度は狼型の炎!? しかもでけぇ!


「ちっ《土壁》! 魔力最大限!」


 黒龍のブレスさえも防いだ強さだ。これなら……


 あれ? 何か溶けていませんか? 俺の作った壁はシュ~と言う言葉と共に熱も持ち溶けだしていた。そして時間にして僅か数秒で完全に溶けきり炎が再び襲い掛かってきた。


 ウソヤ、ドンドコド~ン……ってボケてる暇じゃねぇ!


「五連魔方陣《多重防壁(ポリゴン・ウォール)》!」


 魔力の障壁が炎を受け止める。よし、今度は溶けていないな。そして炎は完全に消滅する。


「全く、とんでもない魔法を使いますね」


 俺は正直な感想を述べた。だって《土壁》が完全に溶けるもんな。黒龍のブレスすらも防いだあれが溶けるとかどれだけの熱量だよ。


 あれ? でも《多重防壁》では防げたな。もちろん防御力は《多重防壁》の方が上だけど妙だな……


「何を言っているのですか、あなたの魔法なんか見たことありませんよ。しかもそれを無詠唱とは」


「ただの《防壁》ですよ」


 半分はあってるぞ、重ねてると言ってないだけで。


「ふむ、《防壁》であれを防ぎますかおもしろいですね。それにしても今ので決める気だったのですけどね」


 死ななかったかと言う声が聞こえてきた。こ、こいつ俺を殺す気だったのか、いい度胸じゃねぇか。


「そうですか、じゃあ次の魔法はもっと面白いですよ。火傷しないように」


 そういうと、俺は手のひらを前に突き出す。


「《白焔砲》!」


 炎と風を混ぜた《炎風剣》の上位強化版だ。あまりに高温にしすぎたので色は白くなったので白焔と言う名前にした。


「!?」


 発射された瞬間に彼は危険を察知したのだろう、とっさに回避行動を取ったので体には当たらなかったが、鎧の一部が溶けてしまっていた。


 あっ、ちなみに炎はもう消火済みですよ、目の前にいるどこかのお偉いさん見たいに壁とかにぶつけていませんからね。


「感想は?」


 俺はいかにも全力で撃ちました風にわざと膝に手を置いて見た。いやぁ一度でいいからこういうのやって見たかったんだよね。もちろん全力じゃないぞ、全力でやったらこの街消えるかもしれないから。


 観客席で観戦していた兵士たちがざわめいている。


「う、嘘だろ……」


「ハヤテさんの鎧が……」


「魔法繊維も入っている対魔法用の鎧があっさりと」


 へぇ、そんなにいいものだったのか。魔法繊維と言えばかなり高価な物ばかりだからな。


「ふっ、中々やる、だが魔力を使い切ったかい?」


「いえ、全然」


「じゃあ、しっかり立つがいい」


「じゃあ、お言葉に甘えて……ほい」


 俺が膝から両手を離した瞬間、ハヤテの周りの地面から大量の槍が飛び出してきた


「ぬぉ!?」


 咄嗟に反応したハヤテだったが、完全に油断したのかコンマ一秒の判断が遅れ一つの槍がハヤテの足を捉えた。


「ぐわっ!!」


 太ももに入る一撃。うわぁ、痛そう。今度からは鈍器にしておこう。


「お前……」


「《竹槍(バンブーランス)》。まああれは竹じゃなくて土で作った槍ですけどね。あなたが回避している間に仕込ませていただきました」


「くっ、私が気づかないとは……」


 一応、魔力は感じると思うんだけどな。やっぱり気づかないもんなのか。


「ククク……おもしろい」


「ん? 何か嫌な予感が……」


「貴様も消してやる」


 お、おいなんかさっきと感じが違うのだが。


「―――――――――――――《紅焔》!!」


 ハヤテの体中から炎が溢れだす。……って暑! おい、ここまで熱風来てるぞ!?


「行くぞ」


 そういうと、いきなり飛びかかって来た。


「ちっ」


 俺もハヤテの動きに合わせて速度を上げる。どうやらあの魔法は身体能力強化の能力があるようだな。ブーストってことか。


「くっ、この速さでも回避するか」


「弱い者は逃げ足は速いっていうことですよ」


 まあどっちかうと悪者が速いんだろうけど。


「ちょこまかと……キエロォ!!」


 ちょ、口調も変わっていないか!? この人も戦闘狂!? 


「《紅焔》!!」


「無詠唱!? くっ、《破砕隕石(クラッシュ・メテオ)》! 《竹槍》!」


 二つ同時の魔法発動とか久々だな。もちろん前と比べても威力は桁違いだけどな。


 前後左右から一斉に石の弾丸と土槍が襲い掛かって来る。これで多少はなんとかならないかな。


 だが、俺の予想は脆くも崩れ去り、体中に弾丸を受けながらも、魔法をやめる気配がなかった。くそっ、マジで止める気ないんのか!? こうなったら迎撃するしかないんじゃないか!


「二十三連魔方陣《多重防壁》!」


 まだ魔方式が解読しきれていないから、これが現時点での俺の出来る多重防壁の限界の重ね掛けだ。俺の見立てだとおそらく、あの《紅焔》という魔法には魔法の威力も強化できるのではと思っている。眼で見てみたいんだが中々チャンスが出来ないのであくまで憶測だが。


 俺の防壁とハヤテの炎が激しくぶつかり合い、そして炎の方が消えた。俺の防壁が勝ったのだ。


「テメェ……コロシテヤル」


 やっぱり、おかしい。だがハヤテが止まってくれたお蔭で見ることが出来たぜ。俺は前もってステータスの確認はしていたのだが称号の確認まではしていなかったのだ。俺はさっきからおかしい位の炎の力は称号の能力があるのではないかと思った。例えば《炎の追求者》とか《炎を極めし者》とかありそうじゃん。


―――スキル《神眼の分析》能力・称号分析発動



「……!!!!」


 俺はしばらく硬直していた。そこに映っていた称号は


――――――――――

ハヤテ


称号

・《放火魔》

・《放火の狂人》

・《放火の狂王》

・《他種族を恨みし者》

・《他種族の天敵》

・《親殺し》

・《国の騎士団》

――――――――――


 こ、これは一体どういうことなんだ……


 俺はハヤテが次の攻撃を仕掛けるまでの間動くことが出来なかった。

 と、言う訳で急展開。称号にやばいのが沢山入っているな。他種族のことから関係しているのですがね。


 ※アドバイス、感想などありましたら気軽にどうぞ

 ※誤字脱字がありましたら報告お願いします。

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