第23話:国の使者
※9/14 誤字修正をしました。
「エリラ」
「えっ、なに」
「……お前は俺に着いて来ることを望んでいるか?」
ガラムとの会話の後、俺は表に戻る前にエリラに聞いた。それは俺の先程の言葉から出たものだ。ガラムは言った
「いずれどんなに足掻こうが無理なことが来る。それはもはや運命。逃れないな。その時もお主は自分の意志で進むのだろうが……周りを不幸にだけはするなよ」
と、確かに俺は強いかもしれない。だが幾ら強くても時として守れないときもある。もちろんそうならないように最善を尽くすが。
そう考えるとエリラはどうなのだろうかと思ったのだ。
「何言ってるのいまさら。私はあなたの奴隷とでしかまともに生きていけれないのよ。どうしようがあなたの勝手よ」
勝手か……
まあ、今は考えるのはやめて置くか、先延ばししているだけだけどな気がするが答えの出ないことは考えても意味ないしな。後で後悔しないか不安だが今は置いておこう。
気持ちを切り替える。こういうのは前から得意だったよな。寝たら忘れるタイプだったし。でも嫌いな奴とかは結構選別する癖があったからな……だから前世で友達できねぇんだよと言う声が聞こえてきそうだ。
「そうだな一蓮托生って奴か、だけど一つ間違えている」
俺はエリラに向き直ると額に軽くデコピンをする。「あ痛っ」という声が漏れる。
「エリラは奴隷じゃねぇ仲間だ。誰が何と言おうがな」
エリラはクロウの顔を一瞬見つめるとクスッと笑い
「そうだったわね。あなたはそんな人だったわ」
「そういうことだ、じゃ行くとするか」
これだけは譲らない。俺は改めて誓うと面倒事だらけのギルドの広場に戻るため歩き出した。
結論から言うと、ある程度は説明した。エリラだからあり得るかと納得する人が圧倒的に多かったが、何人かはそもそもCクラスに相当する実力を兼ね備えているエリラが俺見たいな小僧の奴隷になっているのが気に入らないのか必要以上に突っかかってくる奴もちらほらいた。
そう言う奴らも軽く無視するのだが、やっぱり俺みたいな奴に言われたらムカつくのか喧嘩騒動になりかける場面もしばしばあった。
もちろんそのたびに《不殺》スキルを発動して全力で殴って終わらせた。最近チートかしてきているスキルや魔法だが、俺は《不殺》スキルにもちょっとした手を加えた。
そもそも《不殺》スキルとは全力で戦って手加減を間違えても命だけは助かるようになるスキルだ。ただし命だけはなので、骨折しようが内臓が破裂しようが死ななければダメージとして残るようになっている。
つまり、後遺症も残る可能性があるということだ。下手したら植物人間にすらなりえる。
そこで、俺はちょいとスキルをいじることにしたのだ
※簡単に言ってるが普通はこんなことできません
俺は設定という能力を付けることにした。これによりたとえば筋肉だけに損傷を与えるとか、痛みだけ与えるとかすることが可能になる。詳しい原理はややこしいので割愛するが、創世魔法のおかげであるところが大きい。
今回は、骨折程度で済ませるようにしている。ちなみに俺の筋力+格闘スキルが合わされば人間の顔面なんか水風船のように割れるらしい。そのため普段からセーブしているが、それをしないでいいのは正直楽だけど、手加減の仕方を忘れそうなので多用はしない。
と言う訳で、俺の殴りかかってきた馬鹿どもは全員病院送りにしておきました。正当防衛だから問題ないよな?
それからさらに数日たったある日の昼下がり。俺は宿屋に籠ってちょっとした物を作っていたときのことだ。コンコンとドアが叩いた音がした。
「すいません、クロウさん」
どうやら宿屋の受付嬢さんのようだ。あっ、ちなみに名前はラミと言うらしい。
「アルダスマン国の使者がお会いになりたいと」
アルダスマン国……確かアレスがもともといた国であり、ここエルシオンを管轄している国だったな。普段国の事とか意識しないから忘れかけていたな。
「わかりました、すぐに行きます」
国の使者を待たせるわけには行かないよな。俺はエリラと共に下の階に降りる。
そこにいたのは10名程度の兵士らしき物と白銀鎧を来た大男だった。
今回も内容が少なくてすいません。キリのいいところで終わらせようとする癖があるのでどうしてもこうなっちゃいます。
見切り発進ダメですね。どんな話をしたいかだけ考えても駄目だなと最近思うようになりました。
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