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【異世界転生戦記】~チートなスキルをもらい生きて行く~  作者: 黒羽
第5章:クロウのエルシオン開拓日記編
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第207話:交わりの時

どうしてこうなった……。

 夕食を食べ終え、就寝間地かとなった自宅の寝室。本来ならベットイン! 熟睡タイム! って感じで即布団にダイブをする場面だが、今日ばかりはそうも言ってられなかった。何故なら―――


「……入るわよ」


 エリラの声がしたかと思うと、ドアが開きエリラの姿が目に映った。いつもなら寝間着姿の彼女であったが、今日は違った。


「……いやぁ、いつも見ていたけど改めてみるとエロいな」


「っ! な、何を言ってるのよ!」


「心の思った通りに申したまでです」


「ううっ……恥ずかしい……」


 今の彼女は下着だけ付けており実に……エロいです。体中にはいつかの傷跡が残っているが、それを考慮しても美しい肌だと思う。トレーニングを続けている彼女の事だから女子力(物理)になっていないか不安だったが、出る所は出て引き締まるところはきっちりと引き締まっており15歳とは思えない体つきだった。日本でグラビアアイドルとかで売り出せば絶対人気出てたと思う。ちなみに俺の服装はいつも通りだ。えっ、脱がないのかって? 男の裸とか誰得だよ!


「……そういえばいつかの回答がまだだったな」


「えっ?」


「まあ、まずは座りな」


 ベットに座っていた俺は、自身の隣をポンポンと叩き誘導する。言われるがままエリラは隣に座る。いつも寝る時は俺に抱き枕感覚で抱き付いてくる彼女であったが、今日の彼女は恥ずかしいのか、俺との間に僅かに隙間を作っている。


「……いつかエリラが言ってたよな、子供が欲しいかって」


「う、うん……」


「結論から言うと欲しいな」


「!」


「でも……今は駄目だ」


「駄目……」


「ああ、そうだ。エリラも察しは付くだろ? 今、この家には何人いる? 俺、エリラ、テリュール、そして獣族達……合計29人もの家族がいる。そうなるとまずは俺たちを含めた彼女たちの生活の安定がどうしても優先されてしまう」


「うん」


「だからエリラにはもう少し待ってもらいたいんだ……いいかな?」


「ええ、もちろん。10年でも20年でも待つわよ」


「ありがとうな」


「うん……そのかわり―――」


 エリラの顔がスッと近づいて来た、俺も呼応するように顔を近づける。そしてお互いにすぐそばまで近づくとそっと唇を合わせた。柔らかく、甘い味がする。それと同時に彼女が微かに震えているのが分かった。

 緊張しているな、と言っても俺も他人事では無く前世含めて初の性行為に緊張しないわけが無く、彼女にも俺が震えているのが伝わったかもしれない。

 そして、そのままベットに倒れ込む二人。気付けばエリラが俺を下にして被さるようかのように乗っかっていた。


「今夜はたくさん甘えさせてね……」


「……ああ」


「……大丈夫? ごめんね傷だらけの肌で……」


「何言ってるんだ……綺麗な肌じゃないか、俺にはもったいないぐらいだよ」


「ふふ……ありがとう……」


 静かな廊下にやがて交わり合う二人の男女の声が響きだしたのは、それからすぐ後の事だった。









==========


 翌朝。小鳥の声がどこからともなく聞こえてきた。その声で目が覚めた俺は、まだ若干重い瞼を開きつつ、体を起こした。


―――むにゅ


 ……なんだか柔らかい感触が……。

 そう思い、手の先を見てみると、そこにはエリラの左胸をがっしりと掴んでいる俺の手が見えた。


「……」


 しばし思考が止まった。チュンチュンと言う鳴き声と今見えているものから嫌でも「朝チュン」という言葉を思い出し、そして悶絶を始めてしまうのだった。


「ああそうだ……やったのか……」


 昨晩の出来事が次々と頭の中に蘇る。蘇る映像一つ一つがとてもじゃないが口では迂闊に語れないもばかりだ。特に事の後半はエリラからの再三にわたる求めに応じて理性? そんなの無いぜ! と言わんばかりに交わった記憶しかない。何回したっけ……ああ、うん、もう覚えていないや。少なくともそれくらいしたことは分かっている。


「う……う~ん……」


 と、そこまで思い出したところで今度はエリラが目を覚ましたようだ。エリラの眼が拓いた瞬間、俺と彼女との目線が交わった。

 止まる世界、その時間は数秒のはずだったが、俺らには何時間にも感じるようだった。


「……おはよう」


「お、おはよう……」


 ようやく口が開いたかと思うとこんな言葉しか出てこなかった。


「……そうか、私クロと……クロと……」


 ようやくエリラも昨晩の事を思い出したのか、俺の名前をぼそっと呟きながらそっと布団の中に潜り込んでしまった。


「やったんだ……獣のようにやってしまったんだ……途中から一方的に求めてしまった……ああわあわあああ……」


「そうだな、獣の様だったな」


「い、言わないでぇぇぇぇぇ!!」


 エリラの呟きにぼそっと反応してやるとエリラが即座に絶叫することで言葉を返した。やがて、エリラの顔が恐る恐ると言った感じに布団からひょっこりと出て来た。髪の色が赤いことも重なってか、今の彼女の顔を一言で例えるなら真っ赤なトマトのようだ。


「……幻滅した……?」


「いや、全然」


 幻滅なんてとんでもない。むしろ俺がされてないか逆に心配になるよ。


「よかった……ねえ……?」


「ん? なんだ?」


「よかったら……また今度……いい?」


「……ああ、もちろんだ。むしろ俺からも……いいか?」


「ふふ……もちろんよ。クロからだったら断る訳がないじゃない……」


「そうか……ありがとな」


 そういうと俺は起こしていた上半身を再びベットに倒し、再びエリラと隣り合わせとなる。

 いつもの見慣れた彼女の顔のはずだが、今日は非常につややかに見えた……いや、見えたじゃない、間違いなくつやつやだ。


「……綺麗な顔だな」


「ふあっ!?」


 思わずつぶやいてしまった。そしてその言葉は目の前にいた彼女に聞こえないはずが無く思わず反応してしまったようだ。


「うう……普段から言って欲しいな……」


「はは、悪いな」


「……ねぇ、昨日も聞いたけど、本当に私の肌汚くなかった?」


「当然だろ? そんな傷なんかでエリラが汚くなるわけが無いだろ? 昨日も言ったけど綺麗な肌だよ。それに残すって言ったのはエリラ自身だろ? 今更らしくないぞ? 何度も言うけど俺はそんな事で嫌いになったりしないし、嫌いになるつもりもない」


「……うん、ありがとう……」


 そういうと、俺とエリラは唇を合わせる。昨日と同じく、柔らかく、甘かったが、昨日みたいな震えは感じなかった。

 しばし、交わっていたのちスッと合わせていた唇を離す。


「……ねぇ……もう一回……しよ?」


「……いいよ」


 まさか、朝にもう一回やろうと言い出すとは思わなかったが、俺はいつでもウェルカムだ。

 そして、再び両者の体が交わった瞬間―――


「起きるのですーーー!!」


 バンッとドアを開けてフェイの元気な声が響き渡る。


「こ、こら今日は駄目って―――あっ」


 フェイを追いかけて来たのかニャミィが後から追従するように入って来た。そして、ニャミィと目があってしまった。


「……クロウお兄ちゃんたちはなんで裸なのです?」


 昨日の行為中に服を脱いだことを、この一言で思い出す。だが、問題はそこではなかった。



 家中にエリラの声が響くのに、それほど時間はなく、朝から非常に元気な一日となった。









==========


「おはよう」


「お、おはようございます」


「……どうした? なんか眠そうな顔だけど?」


 色々なハプニングが起きたが無事(?)準備を終えて下へ降りて来ると既にほかの皆は起きていたが、なんだから皆眠そうな顔をしていた。逆に変わらず元気だったのがテリュールと子供たちで、彼女たちは朝からせっせと準備やお手伝いをしていた。

 ちなみに今この場にエリラはいなかった。何故なら彼女は今も部屋のベットで一人悶絶しているからだ。多少布団で隠れていたとはいえ、俺と交わっている所を別の人にみられたことは相当なダメージだったようだ。

 俺も非常に気まずかったが、降りない訳にもいかないし嫌々ながらも降りてきたところだ。


「い、いえ……」


 妙に言葉の噛みきりが悪い。昨日はエリラとあんな事やこんなことをしたことかなと思ったが、考えてみると彼女たちは昨日の出来事のことは知っていたし、だからと言ってそれが眠そうな顔のことに繋がるかと言えばそうでもないし。

 そんな俺の疑問に答えるかのようにフェイが首を傾げながら言った。


「そういえばお母さんたちは何で昨日は起きていたのです?」


「あっ、ちょっフェィ何を言って―――」


「そういえば昨日は妙なにおいがしたのです、こう……なんだか変な気分になるような感じでしたのです。主にお母さんたちからしてたのです。あとなんで自分の胸とかをもんでたのですか?」


「……ああ、なるほどね」


 フェイの言葉で事を理解した俺は思わず頷いてしまった。


「ふぇ、フェイ! そのことは言わないでって言ったのn―――」


「??」


 獣族の反応にフェイは疑問顔だった。どうやらフェイは覚えていないようだ。寝ぼけながらでも話していたのだろう。

 俺が事を理解したことに気付いたのか、大人の獣族たちは全員顔を真っ赤にしていた。今朝のエリラに負けず劣らずのトマト色だ。


「……そういえば、獣族って鼻と耳はいいんだよな」


「く、クロウ様?」


「……自慰をやるのは別にいいけど、子供たちのことを考えてやろうな」


「「「!?」」」


「? じいってなんですの?」


「ん? フェイも大人になったら分かるよ」


「そうなのです?」


 俺とフェイは軽い言葉のキッャチボールを行っていたが、彼女たちには何も聞こえていないのかもしれない。何故なら当の獣族たちは自分たちのしていたことを思い出したのか、顔をさらに赤くして、プルプルと震えているだけだったのだから。


 ……今度、エリラと行う時は匂いをどうにかしてやらないとな。俺らの行為で発情していましたなんで、聞いたら何て顔をするか……。


 そして、この日ギルドでの仕事は何故か俺とエリラとテリュールで行う事になってしまい、彼女たちがこの日部屋から出る事はなかったのだった。

R-18指定……もとい作品を消されないか非常に心配になりますね。


ある日突然この作品が消されていたときは察して下さい。

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