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【異世界転生戦記】~チートなスキルをもらい生きて行く~  作者: 黒羽
第5章:クロウのエルシオン開拓日記編
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第205話:お約束?

 お約束回(?)です。

 さて、午後も頑張るとしますか。

 と、言ってもお客が来るまでは暇なのだが。


「うっは、なんだよ獣族が店員かよ。貧乏くせぇな」


 ……前言撤回。嫌な奴と言うよりかテンプレと言うべきか、ある意味予想通りのお客が来やがったようだ。ちなみに今回、面倒な奴が来ても基本俺は対処しない。それだと俺が常に見張ってないといけなくなるので、極力彼女たちに任せることにしている。


 さて、早速最初の犠牲者……ゲフンゲフン、面倒臭そうな奴が来たな。


「貧乏ですからね」


 取りあえず相づちを打っておく。

 やって来たのは冒険者だった。顔は見たことなかったので、恐らくつい最近やってきた冒険者なんだろう。

 レベルは……19か、低いな。俺ら視点から見たらの話だが。


「貧乏でも獣族を店員にするなよ、買う気が失せるだろうが」


「そうですか(だったら買うなよバーカ)善処しますね」


「てか、お前が店長か? こりゃまた青二才なガキだな? なんだ親に留守番でも任せられたか? てか、ガキごときに留守番何て出来るんかよ? 大丈夫か? 逃げられないか? ぎゃっはっはっはっ!」


 冒険者は一人で楽しそうだ。


「いえ、私が店長ですよ、彼女たちも私と《契約》を結んでいますから、そんな心配何てありませんよ」


「ほんとかよ? お前みたいなガキに二人もか? そりゃあ勿体無いなぁ、一人貸してくれよ、なあ、そこの獣族よ俺と気持ちいいことしないか?」


 そういって下心全開でシャルにすり寄る冒険者。気持ち悪い奴だな。


「……お断りします」


 当然シャルは断った。


「おっ、なんだつれねぇな、そんなこと言わずなっ?」


「おい、それ以上はやめときな」


 俺はそういって警告をする。警告だけな。


「何をいってるんだガキ? ああ、金なら後で払ってやるよ、ほら行こうぜ」


「お断りします。あなたなどと遊ぶつもりなど毛頭ありませんので」


 獣族にここまで言われたら流石にカチンと来たのか、先ほどまで余裕を持って接していた冒険者の言動が荒くなる。


「おいおい、なんだよ獣族の癖に偉そうなこと言いやがって。テメェに拒否権何てある訳ねぇだろが!」


「あなたに従う必要は無いと思います。私は従うのはクロウ様の命令だけです」


「ほぅ……おいガキ! 随分と懐かれているようだな? もしかして既にヤッていたりするのか?」


「ヤッた? 何のことでしょうか?」


 おおよそ見当ついているけど取りあえず分かっていない振りをする。


「とぼけるな。当然セッ○スに決まってるだろ!」


(やっぱりそっち方面か)「いえ、特にそんな事はやっていませんが?」


「ああ? なんだじゃあこいつ処女かよ? それは良くないな。どうだ? 俺が今まで味わったことのない世界を味あわせてやろうじゃないか」


「……お断りさせて頂きます。私の初めてをあなたなどの下種に上げるつもりなどありませんので」


「何だとぉ……!? ……おいおい本気で言ってるのか? 奴隷の獣族で好きな奴に処女を捧げることなんかできると思ってるのか? どんな甘ちゃんだ? 俺に任せておけば大人にさせてやるってだけでも有難いと思いな!」


「あら? 何を勘違いされていますの? 私がいつ捧げる人がいないと言いましたか?」


 イライラを募らせる男と違い実に冷静な対応をするシャル。端から見ればまさにガキと大人ぐらいの違いがあるな。

 えっ? 俺は助けないのかって? まあ、そこはもうちょい待ってろって。勿論、今すぐにでもぶっ飛ばしたいがそれは最後の手段だ。

 ……ところで、捧げる人ってだれのことだ?


「ほう……いるってのか?」


「ええ、勿論です。私の初めては……主であるクロウ様以外に捧げる気はありませんので」


「「ブッ!!?」」


 思わず吹いてしまう俺と冒険者の男。ちょっとまてぇぃ! おい、シャル、今何て言った? パールン?


「勿論、クロウ様が嫌だとおっしゃるならば、生涯誰にも上げるつもりはありませんよ」


 笑顔でこちらを見るシャル。君、今自分が何を言っているのか分かっているのかな?


「ですから、あなたに差し上げるものなんて何もありませんので、お帰り下さいモヤシさん」


(モヤシさん!?)


 冒険者はレベルこと高くないが腐っても冒険者だ。ガタイは決して悪くはない。なのにモヤシとは……?


「て、てめぇぇぇぇ! 上等だ! 誰が上かテメェの体に叩き込んでやる!」


 あっ、遂にキレた。

 見え見えの安い挑発に乗ってしまった冒険者が無理やりでも連れ出そうとシャルに襲い掛かる。

 だが、相手が悪すぎた。男がシャルの両腕を掴もうと手を出す、シャルが止めようと両手を出し、取っ組み合いになった。当然、力の勝負になれば男性の方が有利になるはずだが。


「あ、あれ? くそっ! こいつ動かねぇ!」


 男が右に左にとシャルの体を揺らそうとするがピクリとも動かない。

 当然だ、いくら男性といえども所詮はレベル19。それに対しシャルはレベル100付近のエリラと筋力勝負で互角の戦いが出来るのだ。力の差は歴然としている。


「あらあら、私程度も動かせないのですか? やっぱりモヤシですわね」


「クソッたれがぁ! ぬぉぉぉぉぉぉ!!!」


 男の虚しい奮闘はギルドのカウンターの方からでも見えているのか、何人かがこちらを見て笑っているようだ。ちなみに笑っている奴らは大抵、俺の事を知っているので、こんなことをするような奴らでない。

 ちなみに笑っているのはフェーレもであって、店の隅で先ほどからの光景を見て、顔を赤くしたり笑い転げたりなど実に忙しそうだ。


「ぜぇ……ぜぇ……」


 取っ組み合いを始めて僅か30秒で男の方はバテたのか肩で激しく息をしているのが分かった。それに対しシャルの方は息一つ乱しておらず、まだまだ余裕そうな表情を浮かべている。


「あら、終わりですか? では、そろそろ終わりましょうか」


「な、何―――」


 ヒュンと一瞬風が吹いたかと思うと、次の瞬間、男は床に頭から叩き落とされていた。ギルド側から見ていた人もさすがにこの光景には驚いたのか、唖然としている。

 先ほども言ったが男の方は決してモヤシではなく体重もそれなりにあるだろう。だが、そんなことものともせずにシャルは、パワーだけで男を持ち上げ地面へと叩き落としたのだ。


「あらあら、実に弱いですね。そんなので私の初めてを奪おうとしていたなんて……馬鹿を通り越して実に哀れですね」


 顔は笑っていたシャルだが、今の彼女の笑顔は悪魔の笑顔にしか見えない。俺が思っている以上に彼女は怒っているようだ。普段大人しいだけあって、怒った時はやっぱり怖いな。


「これはお仕置きが必要ですね」


 そういうと、シャルは男の片腕だけを掴んだ。


「な、何をする気だ!?」


「何って……こうするに決まってるじゃないですか」


 そういうと、シャルは男の掴んでいる腕の方の方に足を乗っけると、持っていた腕の方を思いっきり反対側の肩へと引き始めたのだ。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? ご、ごめんなさい! 謝るから! 謝るから許し―――」


「嫌です(笑顔」


 ベキッ! と何かが外れる音がした。


「あああああああああぁっぁぁぁぁ」


 見ると男の腕が完全に肩から外れているのが分かった。ああ、痛そう……。

 そして、これで十分とそのまま持ち上げ店の外に出ると、そのまま放り投げるとかなと思ったが、ここで予想外の動きに出る。

 シャルは男を一回地面に降ろすと、なんと男のズボンを脱がせにかかったのだ。

 肩の外れた男に止める力などあろうはずもなく、あっという間に男は下半身を公の場で露出する羽目になったのだ。


「あら、冗談で言ったつもりでしたが……本当に小さい男ですね。そんなので私を満足させれると思いましたか?」


 小さい男……ここで行ったのはガタイの方では無くナニの方だ。これを傍観していた他の冒険者たちはが自分の股間を手で一斉に塞ぐ動作を行い、実にシュールな光景になっていた。


「あっ、このズボンは捨てておきますね」


 そういうと、ズボンを放り投げると、詠唱を開始した。そして獣族の大半が得意、または使えるとされる風魔法でズボンを切り刻み使い物にならないようにしてしまった。


 うわぁ……。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん! もう嫌だぁぁぁぁぁ!」


 肩を脱臼させられ、あろうことか公衆の場で下半身を露出させててしまった男は泣きながらギルドから全速力で走り去って行った。その光景を見ていた他の冒険者たちは一斉に爆笑していた。先ほどまで自分たちも股間を抑えていた人たちの様子には見えないな。

 まあ、女……それも獣族に返り討ちにあったとなれば、彼の面目など無いを通り越して奈落の底に落ちてしまっただろう。おそらく今後ギルドに顔を出す事はあるまい。


 男が走り去っていく様子を見届けたシャルが店内へと戻って来た。


「お疲れ、派手にやったな」


「あら、クロウ様の命令じゃないですか」


「いや、確かに襲ってきたら容赦はしないで良いとは言ったけどな……まあ、あれでもう懲りただろう」


 男としてより人として終わってしまっただろうけどな。


「それよりも俺は初めてを捧げる~の方が驚いたけどな」


「本音を言ったまでですよ」


「本音……えっとつまり―――」


 言い切り前に、シャルが俺に飛びかかって来た。さっきの光景もあってか一瞬身構えそうになったが、俺の胸に飛び込んで来た彼女の柔らかい感触に直ぐに、警戒を解除した。うん、まあ、身構える必要など最初からないのだけどな。


「どうですか? 今晩、私と一緒に―――」


「……シャル?」


 シャルの後ろ側でずっと見ていたフェーレが非常に声をかけ難そうにかけてきた。


「……あっ」


 フェーレの顔を見た彼女の動きが硬直した。どうやら完全に彼女の存在を忘れていたようである。

 プルプルと震えだしたかと思うと、顔を真っ赤にした。


「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 いつかのエリラ同じく、叫びながら顔を俺の胸に埋めてしまった。もはや俺の中にあった彼女への大人しいといったイメージは完全に崩れ去っていた。


「忘れ下さい! 今のは全部忘れて下さい! 今のは全部無しにしてくださぁい!」


「わ、分かったから落ち着け! 落ち着けな!?」


「へぇ……シャルってそんな一面があったんだ……これは報告だね♪」


「ちょっ、フェーレおま―――」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 フェーレの言葉を聞いたシャルが一層強く顔を埋めて来る。


「と、取りあえずフェーレはこのまま当番しててくれ! 俺はシャルをどうにかしてくる」


「アイアイサーです」


 結局、その後小2時間ほどかけて彼女を慰めました。


 何と言うか……彼女の一面にも驚いたが、俺の童貞が襲われそうで実に恐ろしかった。

 考えてみれば、クロウってまだ童貞だったんですよね。

 これは誰が奪ってくのでしょうか(笑)


 ……どこかで殺気を感じたので私はこれにt(以後彼の姿を見たものはいなかった)

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