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第2話:成長期

 能力上昇値が決まりましたので、第1話のレイナとアレスのステータスを大幅変更しました。


 ※8/2 以下を変更しました。

  ・スキル《神目の分析》を《神眼の分析》に変更しました。

  ・《罠》習得と同時に《魔法制御》も取得することにしました。

  ・誤字、脱字を修正。


 ※8/3 スキル《商人》を《商人の心得》に変更しました。

 ※8/20 加筆修正しました。

※10/17 誤字を修正しました。

 ※10/22 加筆修正を行いました。(大幅修正)

 ※11/3 誤字を一部修正しました。 

 クロウです。この世界で生き抜いていくには力は絶対だと思います。両親の初めての姿が、血だらけの姿だったら、嫌でもそう思わざる得ません。


――――――――――

名前:クロウ・アルエレス

種族:龍人族(龍族・人間)

レベル:1

筋力:500

生命:500

敏捷:500

器用:500

魔力:1000

スキル:《理解・吸収》《武器整備:1》《龍族語》《倉庫:10》

    《換装:1》《神眼の分析》《土魔法:1》《身体強化:1》

    《千里眼:1》《見切り:1》《透視:1》《フォース:1》

――――――――――


 しかし、まずは何から始めればいいのやら……どうやら両親は、俺を外には出さないつもりのようだし……まぁ、その代り座学は鍛えさせてもらいますか、俺の知識を見せる時だぜ!


 ……しかし、俺はまだ赤ん坊。さすがに色々するわけにもいかないので、親の行動を見て盗むことにしよう。


 レイナ……お母さんが何かを作っている。どうやら二人の今日の晩飯を作っているようだ。俺はまだ乳を吸っている状態である。非常に興奮するがあくまで俺の精神だけであって、体は反応しない。今のうちに目に焼き付けることにしよう。


>スキル《調理》を取得しました。

>スキル《暗記》を取得しました。


 ……なぜ暗記を覚え――――いや、こんなものなのか? 意識をしてもスキルを覚えるのか。なるほど、これは覚えておこう。《暗記》は魔法を覚えるときとかに役に立つだろう。


 それと、ある事に気づいた。それは、俺の天性スキル《理解・吸収》のもう一つの効果だ。


――――――――――

スキル:《理解・吸収》

分類:古代スキル

属性:神

効果:一度見たものは即座に理解し使用することができる。

   《分析》スキルでは表示されない。

   ※見ることによっても多少経験値が手に入る。

   ※また他人より経験値を取得しやすい

――――――――――


 最初見たときは気づかなかったが、どうやら俺は見れば見るほど強くなっていくことが出来るようだ。当然、トレーニングをする方が、早いかもしれないが、遥かに上の人物の対戦を見た方が効率が、いい場合もあるかもしれない。ふむ、この世界に闘技場みたいなのはあるのだろうか? あるなら是非一度、見てみたいものだ。


 その時、レイナの動きがピタッと止まる。どうしたんだろう、と思うといきなりそばにあった槍を持って出て行った。どうやら敵の気配を感じたようである。


>スキル《気配察知》を取得しました。


 うぉいおい、こんな事からでも取得できるのか? 本当、チートスキルだなこのやろぉ


 そうなると現在スキルを取得できる条件は……


 1・動きを見て取得する

   例:槍を拭く、魔法を目の前で使う

 

 2・特殊条件下で取得可能


 俺の見立てが正しければおそらく、これ以外に「自分で動作をすれば」取得することが可能なのではないかと思う。さすがにこれは俺がある程度動けるようになってからじゃないとわからないな。


 20分後、槍に血がべっとりついたレイナが戻ってきた。いや、かなりシュールな光景なのですが、てか槍に腸みたいなのがついてる!? グロい!


 笑顔でこっち見ないで!! トラウマになっちゃいます!


>スキル《状態異常耐性》を取得しました。


 日本ではまずリアルで見ることがなかった光景だけに、俺の精神的ダメージはかなりあるようだ。そりゃあホラー系ゲームとか中だけの世界ですしね。ダークソ○ルとかでしか見たことないよ。よかったその手のゲームもしていて。もっとも何とも思わないわけではないが。


 レイナは、槍を拭き、返り血も落としていく、さすがにそのまま料理は勘弁ですわ。それが終わると、出ていくときに早業で消していった火を、近くにあったライターみたいなので付け直す。


>スキル《魔法道具操作》を取得しました。

>スキル《火魔法》を取得しました。


 あれって、魔法道具だったんだな。じっと見つめて詳細をみる。


―――――――――

アイテム名:【発火棒】

分類:魔法アイテム

属性:火

効果:火を起こすことが可能。道具内に魔力を貯めることにより、

   使用者の魔力切れが起きた時でも使用可能。

――――――――――


 なるほど、ライターみたいなものだな。それにしても今ので火系の魔法を覚えるとは……例えば水で物を洗ったりしても魔法を覚えるのかな? いや、魔法道具を使ったからかな? 


 とにかく色々なことをやってもらいドンドンスキルを取得・強化していくべきだな。あっでもやりすぎても怪しまれるかな?

 いや、どうせ成長したらスキルのことは話すつもりだ。それなら今はできる限りのことをしておこう、時間は有効に使わないとな。


 

 そのあとしばらくの間、スキルを「見て」学ぶことにした。親父が剣を振っている様子。対人戦(レイナとアレスによる模擬戦のこと)などを見ながら地道にスキルを貯めていく毎日。


 半年も経った頃には、俺のスキルはかなり充実してきていた。ついでにレベルも2ほど上がった。これは見ることによる《理解・吸収》の効果の一つでもあるようだ。もっとも本当に微々たるものなのだが。だって半年も見てほとんど上がっていないんだぞ。レベル3とかコウモリをしばける程度なんですが(※DQのこと)


 そんで俺の、今の俺のステータスはこんな感じだ。


――――――――――

名前:クロウ・アルエレス

種族:龍人族(龍族・人間)

レベル:3

筋力:650

生命:770

敏捷:710

器用:660

魔力:1500

スキル

・固有スキル:《理解・吸収》《神眼の分析》《龍の眼》

       《千里眼:1》《透視:1》

・言語スキル:《大陸語》《龍神語》

・生活スキル:《倉庫:10》《換装:2》《調理:1》

       《魔法道具操作:2》

・作成スキル:《武器製作:1》《武器整備:2》

・戦闘スキル:《身体強化:2》《見切り:4》《気配察知:3》

       《状態異常耐性:2》

・武器スキル:《片手剣:2》《大剣:1》《盾:3》《槍:3》

・魔法スキル:《魔道士の心得》《火魔法:2》《風魔法:1》

       《土魔法:1》《光魔法:1》《治癒魔法:1》《暗記:1》

・特殊スキル:《フォース:1》

――――――――――


 増えてきたら見にくいなぁ、と思っていると、急に並び替えられ、しかも、ジャンルごとにしてくれた。便利なスキルだな。

 野営とかは無理だけどほとんどのスキルはもらったようだな。ってかステータスの数値が異常すぎる。なんでだ? 魔力だけなら両親の数値を余裕で超えているのですが?

 《風魔法》は魔法道具から取得できた。なんか扇風機もどきみたいなのを、使っていたときだ。

 それにしても……これは、後でいろいろな意味で怒られそうだな。まぁいいやとにかくこれ以上の成長は効率が落ちそうだな。

 しかし、俺はまだ生まれて半年。精神年齢は20代だが、体はまだ半年。当然歩くことはできない。ハイハイぐらいはなんとか出来るようになったが、それでも家からは出れないし、本を漁ろうにも少し高い位置にあって手が届かない。どうやら俺が動き回っても問題ないようにしているみたいだ。魔法道具も手の届かない位置におかれている。

 椅子に上って取るということも考えたが、肝心の椅子が高すぎてどうしようもない。

くっ、龍人族の成長速度ってどれくらいだ? ……って俺が初めてだから比べようがないな。歩けるようになるまでどれくらいかかるんだろうな。


 と、思っていたら1週間後には立てた。そして歩けた。急に歩けるようになって驚かれていた。うんそりゃそうだよね。普通、立ってしばらくしてから歩けるようになるもんね。

 でも、二人は素直に喜んでいた。もっとも、これは龍族にしたら遅いようだ。

 あとで知ったことだが、龍族は生まれたら1週間ぐらいで立てるようだ。まぁ地球の世界でも動物はすぐに立たないと肉食動物にやられてしまうからな、決して弱い生物じゃないだろうがやっぱ弱肉強食の世界なんだな。いや人間が異常なんか? 「人間は一年早く生まれている」っぽい事を、誰かが言ってたしな。


 歩くようになってからは非常に速かった。


 俺は親が出払っているときの合間を縫って書物を漁ってはいろいろなスキルを習得した。魔法に始まり簡単な武器の扱い方。そしてこの大陸の歴史書を見つけた。

 しかし、これはほとんど役に立たなかった。俺の当初の見立て通り、各種族ごとにかなりの偏見があるのだ。

 結果は大抵あっていたのだが、その過程がまるで正反対なのだ。正直結果以外は当てにならない。


 しかしスキルを得ることが出来たのは、大きい。それにしてもちょっと上がるスピードが速すぎないか? 少しは抑えないと親になんて説明すればいいのかわからなくなるし。

 と思っていたら本のなかから《遮断》スキルについて書かれていた本を見つけた。当然熟読して覚えさせてもらいました。


――――――――――

スキル名:《遮断》

分類:戦闘スキル

属性:闇

効果:《鑑定》、《分析》スキルを防ぐことができる。

   効果は熟練度による。

   自由にスキルを隠したり見せたりすることが可能だが、

   所持していないスキルを、表示することはできない。

   また、種族は隠すことはできない。

――――――――――


 いやっほうぅ! 最高なスキルじゃないですか! でも種族名は隠せないのか。ふむようは表示するかしないかの違いなのか? なら種族も消しても……いや、消したら種族不明でどこの町にも入れなさそうだな。つーか、見た目でばれそうですし。


 でも、これでスキルを取りまくれるな。よしゃあ上げまくるぜ!


 ……こうして1年間まるっと本で鍛えた結果がこれです。


――――――――――

名前:クロウ・アルエレス

種族:龍人族(龍族・人間)

レベル:20

筋力:1,840

生命:2,810

敏捷:2,410

器用:1,850

魔力:4,900

スキル

・固有スキル:《理解・吸収》《神眼の分析》《龍の眼》

       《千里眼:1》《透視:3》

・言語スキル:《大陸語》《龍神語》《妖精語》《兎耳語》

・生活スキル:《倉庫:10》《換装:2》《調理:3》《野営:2》

       《魔法道具操作:2》《家事:2》《演算:1》

       《商人の心得》

・作成スキル:《武器製作:3》《武器整備:3》《防具製作:3》

       《防具整備:3》《装飾製作:2》《装飾整備:2》

・戦闘スキル:《身体強化:3》《見切り:4》《気配察知:3》

       《回避:1》《状態異常耐性:2》《遮断:3》

       《跳躍:1》《心眼:1》《射撃:1》

・武器スキル:《片手剣:2》《細剣:2》《刀:1》《大剣:1》

       《槍:3》《投擲:1》《斧:1》《弓:1》

       《クロウボウ:1》《鈍器:1》《盾:2》《格闘:1》

・魔法スキル:《魔道士の心得》《火魔法:2》《水魔法:1》

       《風魔法:1》《土魔法:1》《雷魔法:1》《光魔法:1》

       《闇魔法:1》《治癒魔法:1》《音魔法:1》《毒魔法:1》

       《付加魔法:2》《詠唱:1》《詠唱短縮:1》《暗記:1》

       《魔力操作:1》《瞑想:1》

・特殊スキル:《フォース:1》

――――――――――


 うん、おかしいぐらいにあるね。レイナのと比べるともう比較にならないぐらいの量が……、でもスキルレベルはやっぱり簡単には上がらないか。これはやっぱり実践で上がっていくのかな?

 あと、スキルレベル(スキルの後ろにある数値)の上限は10が限界のようだ。

 なぜ俺がそれに気づいたかというと《倉庫》を取得したとき俺のスキルレベルはすでに10だった。そして脳内アナウンスで


 ―――スキル《倉庫》のレベルが最大値になりました―――


 というのが流れてきたからである。一概には言えないと思うが、おそらく10なのではと俺は思う。そう思うとレイナの《槍:8》とかかなりすごいんだな。たぶん例えるなら達人の領域ってやつ?

 10はたぶん神クラスだと思う。


 さて、問題はこれをどうやって成長させていくかだな。

 書物だとせいぜい3ぐらいが限界みたいだし、これ以上、上にいくならトレーニングや実戦だろうな。


 そうなるともう少し先の話になるな。


 しかし、その考えはすぐに崩れ去ることとなる。









 ある日の昼下がり。アレスとレイナが気配(襲撃)に気づき出かけて行った時だ。

 俺は2歳になってまだ数日しか経っていないときの事だ。


 俺は薄々感じていた。《気配察知》のおかげで、俺は家が囲まれていることに気づいた。数はおよそ10。

隠れて家でも破壊するつもりだろうが、俺からしてみればバレバレである。《透視》スキルは便利だな。


 さて、そいつらの姿だが、全員レザーアーマーを装備しており、剣や槍など自分の得意な武器で武装している。さらにやつらの手や腰に棒らしきものがある。十手みたいなものかなとわずかでも感じた俺は甘かったです。《神眼の分析》で見てみると


――――――――――

アイテム名:【爆裂弾】

分類:戦闘アイテム

属性:火

効果:《火魔法:2》と同じ効果。

詳細:龍族が人間族の魔法に対抗するために作った道具。

   しかし威力は低く、家を燃やす程度の威力しかない。

――――――――――


 やめてー! がっつり殺す気満々じゃないですか!?

 さらに種族を見てみる。どうやら全員【龍族】のようだ。なるほど初級魔法の道具を持ち歩いているのはそれが理由か、龍族は魔法を覚えれないからな。


 人じゃないけど限りなく人に近い生き物を殺さないといけないのか……2歳で殺人をするとかマジですか

 いや、別に殺す必要はないか、無力化すればいいんだからな。


 当然、俺は戦いに関してはド素人である。だが彼らのレベルや能力を見て奇襲さえ出来れば充分に勝てる相手だと思った。

 問題は、俺のこの体がしっかり思い通りに動くかだ。さすがに2歳なので完全に思い通りにはいかないだろうが、その辺は《身体強化》でどうにか切り抜けよう。どうせやらないと俺が死ぬんだから。




 《透視》で彼らの動きを見る。俺の手には家の隅にあった片手剣【ショートブレード】がある。ちなみに効果はというと。


――――――――――

アイテム名:【ショートブレード】

分類:武器・片手剣

属性:無・斬

効果:―

詳細:もっともシンプルな武器。非常に安く携帯しやすいので

   冒険者が予備の武器として持ち歩いている。

   長さは刃渡り60センチ程度。

――――――――――


 予想通り何もない。まぁ初期の武器なんてこんなもんだよな。


 まぁ、大丈夫でしょう(多分)


 徐々に包囲を縮めてくる龍族たち。ちなみに俺の家はまわりが森に囲まれており、さらにその周囲を崖に覆われているいわば天然の要塞みたいなところにある。

 たぶん今回は確実に倒すために裏道でも使ってきたんだろうな。

 奇襲とかできねーよ


 ……あれ? あいつらも《龍の眼》を持っているはず。つまり《透視》スキルを少なからず持っているはず……

 あわてて敵のステータスを読み取る。


 平均してみると……


――――――――――

名前:―

種族:龍族

レベル:10

筋力:200

生命:400

敏捷:300

器用:150

魔力:0

スキル

・固有スキル:《龍の眼》《千里眼:3》《透視:4》

・語源スキル:《龍族語》

・武器スキル:《片手剣:4》《盾:3》《槍:4》

・戦闘スキル:《身体強化:4》

――――――――――


 あらいやだ、俺よりか格上じゃないですかやだー。

 ということはなんだ? 俺の様子は丸見え? 奇襲できないということ?


 武器を持ってこちらを見ていることがバレてる以上奇襲は不可能だろう。となると俺に残された道は正攻法で倒すということだけですか?

 頼みの《身体強化》も敵の方が上なのですが?


 どうしようどうしようとあれこれ考えていたら、外から怒号が聞こえてきた。《透視》で見ると【爆裂弾】を投げる構えをしている。


 ああ……こりゃもうやるしかないですな……






 

 家を囲むように土魔法を展開する。この世界の魔法はいわば創造の力で作られる。魔力を加える量と創造によりさまざまなことができるようだ。

 スキルレベルによる違いはどうやら魔法を発動できる速さや規模の上限に関係がありようだ。威力は魔力を使えば多少は上げれるが範囲などはスキルレベルに依存しているようだ。

 

 今の俺の土魔法のスキルレベルは1。この家が小さかったおかげでギリギリ囲める程度しか使えない。具体的に言うと直径10メートルぐらいかな。


 それでも十分だ。俺は透視を発動しながら扉を開ける。正面には敵はいない。まぁ敵も正面からノコノコやってくるほどアホじゃないよな。


 土魔法の一部をいじり俺が通れるくらいの穴を作り外に飛び出す。

 生まれて初めて家を出るのがこんな形になるとはな……もうすこしロマンチックというかワクワクして出たかった。正直怖いです。


 外に出ると素早く詠唱を開始。家の中でばれない程度に練習をしていたので小さいのはすぐに発動できる。

 さて、敵は……どうやら土魔法で囲まれた家に驚いているようだな。一応確認したけど爆弾は中に入っていないな、よしこれで安心して戦える。勝って家が消えましたなんて話にならないからな。


 魔力を集中させ、敵がある程度固まっているところに―――


「―――雷撃(コール・ライトニング)!!」


 空からの突如の魔法の出現に敵は気づくことなくもろに受ける。ちなみにステータスの魔力の項目には魔法耐性も入っている。つまりゼロの彼らに魔法による攻撃は地獄で他ないのだ。


 雷撃が走り、辺りが一瞬まぶしくなったかと思うと、バチィという音が聞こえてくる。

 しばらくすると辺りに焼け焦げた匂いが広がって行くのを感じた。


 落としたあたりを見てみると、龍族が3体ほどピクピク痙攣しながら倒れている。


 よかった。威力は落としたけど加減がわからないからな。もっとも魔力ゼロの彼らにしてみれば加減しても死ぬほど痛いだろうけど……想像したくないね。


 他の7体は最初は唖然としていたが、こちらに気づくとすぐに武器を構える。さすがというべきなのか。龍族全体の実力なんてわからないし。


 7体は俺めがけて一斉に襲いかかって来た。少しは怯んでくださいよ、さっきの魔法で逃げて下さいよ。


 そう嘆きながらも、俺は、地面に手をつき魔方陣を展開する。俺と敵のちょうど中間あたりが一瞬パリッとした。

 まだ制御しきれてない、証拠である。


 だが、敵はそんなことに、気づくことなく俺を倒さんといわんばかりに襲い掛かってくるだが―――


「―――!?」


 気づいた時にはもう遅い。7体のうち3体を魔方陣が閉じ込めそして魔方陣の中で雷撃が走る。

 魔方陣で雷の範囲を制御し、そのまま罠へと応用した魔法雷罠エレクトリック・トラップだ。


>スキル《罠》を取得しました。

>スキル《魔法制御》を習得しました。


 このタイミングでスキル取得かよ!? だが、考えるのは後回しだ。

 他の4体もこれにはさすがに驚いたのか足を止め、魔方陣に目を向ける。そこを俺は逃しはしなかった。


「隙あり!!」


 持っていたショートブレードの側面で横腹にうちこむ、体格差や、身体強化を使っても、俺のステータスには勝てなかったのか、当たった瞬間吹き飛んでいく、ついでに2体ほど巻き込んで。

 そばにあった木をへし折り、そのまま森の中に消えていく3体。ありゃ威力ありすぎたかな?


 残りの1体が我に返り、そのまま俺に襲い掛かってくる。


 最後の一人が持っている武器は【長槍(ロングスピア)】。片手剣の俺との相性は抜群だな。リーチの長さが2倍以上違うもんな。

 だが、自動的に《見切り》が発動。敵の攻撃の軌道、範囲が赤い線となって見える。


「――― 一撃で仕留めようと突きをしたのが運の尽きだったな」


 バックステップをし槍の軌道から素早く横に逸れ、そのまま懐に入り込もうと間合いを詰める。

 だが、龍族も黙ってはいない。勢いそのままで薙ぎ払いに切り替え、俺を止めようとした。


 しかし、それも《見切り》であっさりと回避する。そして2歳という小柄な体で懐に入ると、何も持っていない方の手で龍族のお腹を突き上げる。筋力任せで、ド素人の打ち込みであったが、その威力はレーザーアーマーの防御力など紙のように打ち破る。

 打ち上げられた龍族はきれいな放物線を描きながら森の中へと消えて行った。


>スキル《雷魔法》のレベルが上がりました。

>スキル《片手剣》のレベルが上がりました。

>スキル《格闘》のレベルが上がりました。






 



 とりあえず、こいつらどうしよう。

 

 俺の眼の前には雷撃(コール・ライトニング)雷罠エレクトリック・トラップで気絶させた6体がいる。未だに動く気配が見受けられないが念のため縛っておく。


「ほかの4体は……放置でいいか」


 《千里眼》と《透視》で確認してみる、怪我をしているが、一応全員、生きてはいるようだ。


 家を囲っていた土魔法も必要なくなったので解除する。そういえば名前考えていなかったな。【土壁(アース・ウォール)】でいいだろう。シンプルが一番だ。イメージしやすいし。


 そうこうしているうちに両親が戻ってきた。戻ってきた二人は、顔色を変えている。そりゃそうですよね。


 さて……どう事情説明をしよう。


 俺は両親への言い訳に悩む事になった。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。


 次回もよろしくお願いします。


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