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【異世界転生戦記】~チートなスキルをもらい生きて行く~  作者: 黒羽
第5章:クロウのエルシオン開拓日記編
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第179話:開戦? ラ・ザーム帝国

 ※11/21 誤字を修正しました。

フェイからの強烈なタックルとレウスによる無慈悲な蹴りをピンポイントで受けたテルムの事は置いといて、俺の視線は門付近で揉め合っている連中に向いた。


「何度も言っているだろ、主要都市はほぼ壊滅した。アルダスマン国は首都を魔族に落とされ事実上滅亡した。これ以上の抵抗は孤立を深め魔族や龍族によって滅ぼされるという事が判らないのか?」


「だからさっさと明け渡せと? 悪いが悪名高いラ・ザームに渡すものなど何もない。欲しければ力ずくで取るんだな」


おい、なんか聞こえちゃ行けない言葉が聞こえて来ているんだが。

試しに《透視》で見てみると街の外にラ・ザームと思われし軍隊がズラリと並んでいた。


数にしておよそ3000と言った所か。


だが驚くところは数では無い。

《千里眼》で兵士一人一人の顔を見るが誰一人として姿勢を崩さず、顔色1つ変えることは無く、まるで人形のように黙って立っているのだ。


(怖……)


素直にそう思った。強い弱いといった問題では無い。あれはまるで……何かに支配されているような……呪われているような……いや、この結論は安易につけるべきじゃないな。普通に良く訓練された兵なのかもしれないからな。


良く見ると門で騒いでいるのもアルダスマンの兵士でラ・ザームの兵士たちは暴れようとするアルダスマンの兵士たちを牽制しているだけのようだ。


「そうか……ならこれ以上何も言わない。戦いでけじめを着けさせてもらおう」


「当たり前だ! 分かったらさっさと帰りな!」


 カエレカエレと騒ぐアルダスマン兵に対し顔色一つ変えないラ・ザーム兵、彼らを見ていると子供と大人の争いに見えて来る。


 ……いや、待て冷静に考えるな俺。今、目の前で宣戦布告をされているんだぞ。と言っても俺はアルダスマン国に特に思い入れがある訳でもないので正直な所この街がどの国の統治下になっていようともどうでもいいのだが。

 と言うか、俺は正直な所ラ・ザームが占拠した方がいいと思う。


 都市国家になるよりもある程度勢力を持っている国の傘下に入った方が魔族や龍族の侵入を抑えれるだろうし、復興も早く進むだろう。

 それはそうとして、その前に悪名高いと言う事が妙に気になる。重税を課したり、強制徴収されたり強制労働をやらされるのだろうか? そういうのはお断りしたいものだ。


「君たち!」


 一人の兵士がこちらに近づいてきた。近づいてきた兵士は一度だけ未だにのたうち回るテルム(上半身裸)を見たが、関わっちゃいけないと思ったのかすぐにこちらを向いた。


「今からラ・ザーム帝国と一戦を交える! 門付近は危険だから離れるのだ!」


 あっ、マジで一戦するんですね。あんなやり取りでやる気なんですね。


 兵士はやる気満々のようだが、正直勝ち目はないだろう。数では圧倒され練度も新兵が多く話にならない。

 勝ち目は薄い。門があるから多少の防衛は出来るかもしれないが、外壁は一部あの龍王のせいで未だに穴が開いたままの状態で、正直殆ど機能はしないだろう。


「? クロウお兄ちゃん何が始まるのですか?」


 物騒な雰囲気になったのをフェイは敏感に感じ取ったのだろう。不安な目でこちらを見てきた。


「だ……まあ、フェイたちには関係ないことだと思うよ」


 フェイの言い方に思わず「第三次大戦だ」といいかけてしまいそうになるが、ギリギリで言葉を飲み込んだ。


「そうなのですか?」


「ああ、俺がいる以上は何も起きないよ」


 そういってフェイの頭をなでなでする。耳がピョコピョコ動いているので撫でられて喜んでいるようだ。実際、顔が非常に喜んでいたので間違えではないだろう。


 さて、俺は皆を家に帰るように指示をし、どうしようかと考えようとしたとき


「ここはクロウさんもドンパチに混ざりましょう」


 レウスだ。おい、キリッってこちらを見てるんじゃねーよ。


「何故そうなるんだよ……」


「安心して下さい。骨は捨ててあげますから」


「いや、そこは拾えよ」


「そして、フェイちゃんは私がもらって行きますので(キリッ」


「帰れロリ○ン」


「フォォォォォォォォ!! 球が! 球がぁぁぁぁぁ! 息子がぁぁぁぁぁ!」


「「……」」


「まあ、アレは置いときまして、実際どうするつもりですか?」


 テルムの事は無視しておくとして実際はどうするんだとレウスが問いかけてきた。


「どうするって……家に戻って逃げる支度でもするつもりだけど」


「いやぁ、嘘つかないでいいですよ、クロウさんぐらいの人ならあの兵力ぐらいなら一人でどうにかなりますでしょ?」


「いや、何故そうなる」


「だってそうでしょ? 数百の龍族や魔族を一瞬で葬るあなたなr


「!」


 考えるよりも先に手が動いた。気付けば俺はレウスの口を手で押さえ引きずるような形で近くの壊れた民家の裏側にまで移動をしていた。


 民家の裏側でレウスの胸倉を掴んで問いかける。


「……何故それを知っている?」


 魔物の方は学園の生徒の前で盛大に使ってしまったので仕方が無いにしても龍族の方は誰も知らないはずなのに。

 どうする? 口封じするか? 《倉庫》から剣を引き抜こうか考えていると、レウスからとんでもない言葉が返ってきた。


「あれ? 本当だったんですか?」


「……え?」


「いやぁ、噂で誰かが倒したって言うのは聞いたので、まさかと思っていましたが……いやぁ、意外でしたね」


「……」




 この時、俺は素直に「しまった……」と思ってしまったのだった。

 活動報告にも書いていますが無事にPCが一か月以上の期間を経て帰ってきました。これで、執筆作業もモリモリ進みそうです。

 ただ、卒業研究も同時進行で行っていますので、元の更新速度は厳しいかもしれませんがご了承下さい。

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