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【異世界転生戦記】~チートなスキルをもらい生きて行く~  作者: 黒羽
第5章:クロウのエルシオン開拓日記編
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第176話:指揮をしてみよう

 遅れて申し訳ありません(土下座)


 ※補足

  前回の回を見て普通の《身体強化》と《身体強化 Lv.5》の違いが分からないと言う事で、簡潔にまとめておきます。


通常の《身体強化》

・全ステータスの最大上昇値は1.5倍(固定)

・スキルレベルが上昇すると身体の局所だけを強化して体力の消費を抑えたりすることが出来る。


エリラが取得した《身体強化》

・全ステータスの最大上昇値はスキルレベル(エリラの場合は最大5)×2倍まで上げる事が出来る。

・体力の消費が尋常じゃない。

・体力を消費しすぎると使用後に《疲労》状態になる。


 こんな感じですね。分からないことがあればご質問お願いします。


 ……ちなみに年齢の質問も頂いていましたが、当の私もどこで数え間違えたのか疑問に思っています。(オイ!)

 今後どうなるか分かりませんが、現時点ではクロウの年齢は「15」であることに変わりはありませんのでご了承下さい。

「GAAAAAAAAA!!!!!」


 森に鳴り響く獣の叫び声。それも1体や2体ではない。《マップ》で詳しく見た訳ではないが恐らく十数体はいるだろう。それぞれが独自の声を出しておりまるで合唱でも聞いている気分になる……超が付くぐらい音痴だが。


「来ました! 戦力はフォレストウルフ9体でございます!」


「銃撃用意、構え!」


 俺の合図で一斉に銃を構える獣族たち。女性のみで編成された小隊、その数10名。

 その10名全員が持っている銃の口は獣道に全て向いており、その先には狼がこちらに集団で向かって来ていた。

 突撃をしてくる狼を見て誰かがゴクリと唾を飲み込んだ。


「慌てるなよ。キルゾーンに入って来たら一斉に撃つぞ!」


 狼との距離は残り200メートルっていった所か。幸い森の中でも比較的見渡せる開けた場所で出くわしたのは有難いな。まあ初実践に森を選ぶなよという話になるのだけどな。


 と、そうこうしているうちにたいぶ近づいて来た。


 狼との距離が残り150メートルを切った所で―――


「撃て!!」


 俺の指示と共に銃口が火を噴いた。ダダダダッ! とこの森がおそらく今まで体験したことも無いような音が響く。

 そして、コンマ1秒と経たずに放たれた魔力の弾丸が狼たちを襲っていた。


「キャィン!?」


 何が起きたか分からない狼たち。聞いたこともない音が聞こえたかと思えば次の瞬間には自分たちの体に激痛が走っていた。

 刃物が貫通してしたときの感覚が狼たちを襲った。それも1、2体では無い、9体全員が個所は違えど血を噴き出し倒れて行った。


―――称号《指揮官》を取得しました。

―――スキル《指揮》を取得しました。

―――スキル《武神降臨》を取得しました。

―――称号《一斉射撃》を取得しました。

―――スキル《掃射》を取得しました。


==========

称号:指揮官

取得条件

・小隊以上の部隊の指揮を一度でも執ること

効果

・指揮時に指揮下にいる隊員全員のステータスが極小アップ

==========

スキル:指揮

分類:戦闘スキル

取得条件

・称号《指揮官》取得済み

・付与魔法系スキルレベルが「7」以上あること

・指揮下隊員全員に統一心があること

効果

・指揮下にいる隊員全員の生命ステータスをアップさせれる。

・24時間に1回、指揮下にいる隊員全員に一人分の魔力で全員に付与魔法をかけれる。

==========

スキル:武神降臨

分類:戦闘スキル

取得条件

・レベル100以上

・スキル《一騎当千》取得済み

・称号《一騎当千》取得済み。

・称号《指揮官》取得済み。

・武器スキルのいずれかがレベル「10」を越えている。

効果

・指揮下にいる隊員全員のステータスが極大アップ

・指揮下にいる隊員全員の精神に大幅補正がかかる

・敵に常時《威圧》を行える。

==========

称号:一斉射撃

取得条件

・称号《指揮官》取得済み。

・遠距離系武器を使用し短時間で【隊員数/2】以上の敵を倒す事。

効果

・指揮下にいる隊員全員の器用ステータスアップ。

・指揮下にいる隊員全員の遠距離射撃能力が向上する。

エキストラ取得条件

・レベル70以上

エクストラ効果

・銃の使用時発射までの時間を僅かに短縮できる。

・スキル《掃射》取得。

==========

スキル:掃射

分類:戦闘スキル

効果

・銃弾に【分裂(クラスター)】【狙い(ロックオン)】【急所撃ちクリティカルヒッティング】を付与する。

・弾一発の消費魔力大幅削減(魔銃使用時のみ)

==========


 もはや恒例となったスキルと称号の山。もはや自分でもどれを持っていたか正確に把握するのが難しくなって来た。

 今回取得したのは指揮系スキルと射撃系スキルか。《掃射》が新たに追加されたことにより《全属性装填》と組み合わせれば恐ろしいことになりそうだ。と言うか先にこっちを取得しろよ、どう考えても見劣りしてしまうだろうが。

 これで、銃に一気に付与できる効果は【分裂(クラスター)】【狙い(ロックオン)】【急所撃ちクリティカルヒッティング】【追尾ホーミング】【爆発エクスプロージョン】ということになる。これに銃一発に使う魔力も削減されるとなると、俺一人と銃一本用意すれば中隊ぐらいまでは潰せるよな。


 どうしよっか、マジで機銃作った方がいいかもしれないな。まあ、その分の素材は不足しているからまた後の話だけど、検討しておこう。


 次に指揮系スキルだが……一見すると普通かなと思ったら一つおかしなのが混ざっていやがった。《武神降臨》ってなんだよ、オイ。軍神じゃないんだな、上杉謙信じゃないんだな。どっちかと言うと武田信玄の方なんだな。

 《指揮》は魔法学園の時に取れそうだなと思ったが「統一心」の3文字を見た瞬間、心にグサッと来るものがあった。あの方法じゃ心は合わせれないという現実を突きつけられた気分になる。


 逆に言えば彼女たちとはそれなりの関係を作れているんだなと少し安心したりもした。


 統一心がいるということはおそらくだが、彼女たちを指揮する時にしかこのスキルは発動できないのだろう。まあ、今後他の奴らの指揮を取るなんざゴメンだけどな。自由に戦っている方が性にあっていると思うし。


 その後、スキルの実験も兼ねて森での訓練を続けた。スキルや称号の効果は絶大で、その後の戦闘では彼女たちが驚いたり慌てたり緊張してたりする様子は見られなかった。《武神降臨》の精神補正のお蔭だろう。射的技術もグンと上がっていた。

 ここまで差が出るとなると何も話さないのは不自然になるので、指揮系スキルについては彼女たちには話しておいた。驚いたが最後は「クロウさんですからね……」で納得した。納得の仕方に疑問は抱いたが納得してくれたらならそれでいいやと特に何も思わなかった。


 結局、この日は丸一日を費やして森での実践を行った。倒した数は狼100体前後。これくらいやってしまうとちょっとした食物連鎖の崩壊を招いてしまったのでは無いかと不安になるが気にしないでおこう……次は気を付けます。










==========


 時間は戻り、クロウが森の中でスキルを取得した頃。


 エリラは庭で一人訓練をしていた。


 子供たちはというと貰った試作品の武器で遊んでいた。ただ、地面を叩いたらヒビが入り、剣で鍔迫り合えば火花が舞うこの状況下を「遊ぶ」で済ませていいのか疑問になるが、彼らにとっては「遊び」なので、ここでは遊びで通させてもらう。


 そんな子供たちと大分距離を開けた所で早速エリラは訓練を始めた。


「……《身体強化 Lv.1》」


 体に力がみなぎって来る。だが、それと同時にすぐに息が荒れて来る。


「やっぱり Lv.1でもエネルギーの使われ方が半端じゃないわね……」


 昨日、クロウに言われ《身体強化 Lv.1》にまずは慣れることにしたエリラ。目標時間は取りあえず20分を目途に考えていた。


 《身体強化 Lv.1》を使用したまま普段から続けている素振りを中心としたメニューをこなし始める。


 いつもなら丸半日は動き続けるのだが、今日にいたっては10分も立たずにエリラは地面に倒れ込んでしまった。


 大粒の汗を掻き、大きく息をする。たった10分間の素振りですらもスキルを使った状態の彼女にはまるでフルマラソンでもしているような状態になってしまう。それ程までにこのスキルを使うには膨大な力が必要となるのだ。


(Lv.1でも10分程度……これじゃあ実戦には程遠いわね……)


 ぐっしょりと掻いた汗を手で払いながら重い体を持ち上げる。


(でも……やらなきゃ!)


 息が荒いまま再び剣を構え、《身体強化 Lv.1》を発動し素振りを始める。だが、今度は僅か3分足らずで動けなくなり地面へと再び倒れ込んだ。


 頭がグラグラし、視界が狭まる。流石のエリラもこれには動かない方がいいと直感で理解したのか、ある程度治るまでは地面に倒れたままだった。


「大丈夫?」


 そんなエリラを上から覗きこむ人がいた。テリュールだ。


「……」


 エリラはその言葉に何も答えない。いや、正確には答えれなかった。


「……ある程度の無理は仕方が無い事かもしれないけど、無茶は駄目よ。体を壊したら元もこうもないからね、いいね?」


「……」


 息は乱れたままだったが、エリラは少しだけ頷いてみせた。その様子にテリュールは納得をしたのか、笑顔で子供たちの方へとむかって行った。


「……」


 この時エリラが何を思ったかはエリラ自身しか分からないことであったが、その後、再び息を整え終わると《疲労》状態のまま彼女は再び剣を振り始めるのであった。

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