表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【異世界転生戦記】~チートなスキルをもらい生きて行く~  作者: 黒羽
第5章:クロウのエルシオン開拓日記編
179/270

第175話:《身体強化 Lv.5》

 戦争により都市の50%の機能が失われたエルシオン。その中でも人は徐々に復興をするべく各地で仮設住宅の建設や、農地の開拓などが行われている。


 カーンカーンと建築をする音やガラガラと何かを転がしている音。何か指示を送っているのか叫ぶ声など様々な音が聞こえて来ている。


―――ピシッ! ゴゴゴゴゴ!

―――キィン! ガアン!


 ただ、その中に明らかに普通では無い音が混じっていた。


 ある人はまた魔族か何かが攻めて来たのかと慌てたりする者もいたが、いつまで経ってもそのような情報などは無く、生き残っていた僅かな兵士たちも警戒をしつつも何も起きていないので特に何とも思っていなかった。その警戒心の薄さはどうなのだと思わざる得ないが、今回はその判断は正しいので不問としておこう。


 で、その音の発生源はと言うと……どうやら街の北側から聞こえてきているようだった。






==========


「《水流斬撃ウォーター・スライサー》!」


 エリラの剣から水が噴出し巨大な刃となって襲い掛かる。


「《防壁》」


 それを俺は冷静に防御系魔法をもって防ごうとした。魔力の壁と水がぶつかり合い、鍔ぜりが始まる……と思いきや魔力の壁に一瞬でヒビが入り、そしてパキィン! とあっさりと割れてしまったのだ。


「チッ」


 俺は小さく舌打ちをすると、持っている刀で防御態勢を取り衝撃に備える。ゴンッ! と水にぶつかったような音とは思えない音が聞こえ、俺の体はあっという間に後方へと吹き飛ばされてしまった。


 襲い掛かる水を防いではいたが、当然刀一本だけで防げるはずもなく、水と言う名の刃が体の各所を切り裂き血しぶきが舞う。


 即座に《女神の祝福》で回復をする。血が止まり傷口がみるみるうちに小さくなり、そして何も無かったかのように傷口は消えてしまった。


 やっぱり《防壁》なんかじゃ魔力を全振りしても無理か。


 俺は体勢を立て直し、エリラの方を見た。


 目視でも分かるほどの魔力がエリラの周囲に集まっており、身体に渦巻いていた。


 《身体強化 Lv.5》。一般のスキル《身体強化》とは一線を画すスキルだ。このスキルの恐るべき効果はそのステータスの向上にある。

 一般の《身体強化》を使用した場合、熟練度にもよるが最大でも現ステータスの1.5倍までが限界である。

 だが、エリラが取得したスキルはレベル×2倍のステータスアップが出来るのだ。つまり、Lv.1でも2倍。エリラのLv.5は10倍も上がる事になる。どこぞの界○拳だよと言いたくなってしまう。


 エリラの現レベルは前回の称号の効果もありレベル103。ステータスはと言うと。


==========(称号効果も追加済み)

筋力:9,920

生命:9,790

敏捷:9,600

器用:9,900

魔力:8,710

==========


 これに《身体強化 Lv.5》を発動すると。


==========

筋力:9,920 → 99,200

生命:9,790 → 97,900

敏捷:9,600 → 96,000

器用:9,900 → 99,000

魔力:8,710 → 87,100

==========


 になってしまう。チョットマテ 何故300レベル近い俺に迫る能力値になっているんだよ。てか、器用だけだったら俺負けているんだけど。(俺は90,080)


 で、今は何をやっているのかと言うと、この《身体強化》を上手に扱えるようにするために訓練をしているのだ。

 ただ、エリラは全力でやっているので、俺も冗談抜きで死んでしまう可能性があるだけに、もはや俺も余裕をもって戦うのは少し難儀になっている。


 ちなみにこのエリラのスキル。固有スキルに分類されているせいで俺の《理解・吸収》でも取得することは出来なかった。


 一見すごいチートスキルと思われるかもしれないが、もちろん問題もある。


「《桜吹雪》!」


 光の刃がエリラを襲う。昔、炎狼相手に使ったあの魔法とは規模も威力も桁違いの魔法だ。


「くっ!」


 防御魔法などを持っていないエリラはもろに攻撃を受け、先ほどの俺みたいに後方へと吹き飛ばされる。貫通性能がある光の刃は肩、胴体、太股を貫通した。


 ドォンと地面に激しく衝突し煙が舞い上がる。そこに追撃で光の刃が飛び込んでいった。俺は攻撃の手を止め、煙があがるエリラの所へと近づいた。


 煙が晴れると中から仰向けに倒れたエリラの姿があった。先ほどまで溢れるかのように渦巻いていた魔力は完全に消え、全身で激しく呼吸をしており顔色も悪かった。傷口から血が流れているが、少しだけ出血量が多いような気もする。


「……1分ってところか……」


「はぁはぁはぁ…そ、それ……だけ……?」


「ああ、やっぱり身体的負担が大きすぎるんだ。ステータスが10倍に跳ね上がるんだ、体の方が追いついていないんだよ。現時点でLv.5を使うのは現実的じゃないな」


 そう言いながら、俺はエリラを治療してあげる。傷口自体は直ぐに塞がったが相変わらず全身で大きく息をして、見るからに苦しそうだった。


 バットステータス【疲労】の効果なのか今のエリラのステータスは4桁をきっていた。こんな状態になるんじゃとてもじゃないが実戦では使えないな。


 エリラをお姫様抱っこで抱えると、屋敷の方へと戻り出す。


「ふふ……」


 荒い呼吸の中でエリラが微かに笑った。


「? どうしたんだいきなり笑いだして?」


「クロに……抱っこしてもらっていると……思ったら……嬉しくなったのよ……」


 恥ずかしげも無く言ったもんだから、俺は思わず顔を背けてしまう。それを見てエリラはもう一度笑ったが、それすらもきつかったのか、すぐに目を閉じ、俺の胸に顔を埋め動かなくなった。


 使いどころが難しいスキルを覚えたもんだと俺は思った。


 スキルを取得してから3日間はお互い傷がしっかり癒えるのを待って、再び今日やってみた訓練だが、こんな調子じゃまた寝込むだろうな。

 Lv.5は難しいかもしれないが、Lv.4やLv.3は使えないのかな? その辺もまた完治してから検証かな。早く上手に使えるようになってもらいたい。


 エリラが強くなると言う事は俺にもメリットが多いからな。


 《身体強化 Lv.5》の効果にワンランク上のスキルを扱えるって内容があったところを見るに、恐らくだが俺がまだ持っていないようなスキルも使えるようになるんだろう。《理解・吸収》でゲット出来るなら是非ともゲットしたいところだ。

 仲間を守れるようになれば、俺も行動の自由が広がるし負担も減るからな。


「……頑張れよ」


 俺はエリラに一言そういっておいた。聞こえたのかどうかは良く分からないが、エリラが微かに頷いたように感じた。



 

 さて、俺も頑張っていかないとな。

 どうでも良い事ですが、最近、艦○れに再びはまってレベリング頑張っています。国家試験とか色々迫って執筆作業も滞っているのに何やっているんだと自分に言いながらカチカチしていました。


 小休憩章なので、自分自身も少し休憩をする。必要だと思うのです(キリッ


 ……あっ、すいませんブラウザバックしないで下さい(土下座)





 活動報告にて【コメント返し002】を掲載しました。よろしければ見て下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ