第168話:正義の筋肉3兄弟(?)登場・前編
今回は時間の都合で短いです。ご了承ください。
そして、今回と次回は完全にネタ回です。
「手紙?」
「はい、今朝ギルドに届いていたんですよ」
武器や兵器を試した翌日、引き続き色々な事を試そうと思い数日間ギルドに顔を出さないと言おうと思いギルドに顔を出したときミュルトさんがこれまで見たこと無いような謎めいていた顔をして一枚の紙とにらめっこをしていた。
それで、気になったのでどうしたのかと聞くとどうやら手紙と睨めっこをしていたようだ。
「で、なんで手紙を睨んでいたのですか?」
「それがですね……内容は『この事態に是非救援をしたい。今向かっている』とのことなのですが……」
「……ですが……?」
「……見て下さい」
「?」
俺はミュルトさんから手紙を受け取り内容を見てみる。
そして、見た瞬間俺は固まってしまった。
そこには
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我々は筋肉3兄弟!!
エルシオンのこの危機に我々は馳せ参じる!!
なお、報酬は現金か筋力増強補助剤か輸血袋でいいぞ!
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「……なんですかこれ……」
「私が聞きたいぐらいです」
俺の当然のような反応にミュルトさんの返答も当然のように切り返す。
「筋肉3兄弟って……いや、言いたいことは色々ありますけど……」
もうツッコミどころが多すぎてどこから言えばいいのかさっぱりわからないのだが。
(筋力増強補助剤? 輸血袋? プロテインと輸血パックの間違いじゃないのか?)
そもそもそんなものがこの世界にあるのか? いや、逆にこの世界での俗称なのか?
何となく気になったのでミュルトさんに聞いてみることにした。
「これ……筋肉増強補助剤……それと輸血袋ってなんですか?」
「……さぁ? 私にもサッパリ……」
分からんのかい!
「……ん? これどうやって届いたのですか? 今、エルシオンは殆ど外との交易などは無いはずですけど」
いや、少ないながらも来ている人の中に届けたのかな?
「いえ……それが……」
「?」
「今朝、私がギルドにちょうど着いたのと同時に遠方から何かが走ってきまして……何と思ってみたら上半身裸の男が走ってきまして……」
何それ!? 怖っ!? いや、日本なら当然変人だが、この世界でもアウトだろ!?
「それで、私の傍に駆け寄ってきまして『そこのお嬢ちゃん! 済まないがこれをギルドの重役に渡してくれ! では! さらばマッスル!』などと言った挙句私にこれを渡して走り去って行ったのですよ……」
「ナノ ソレ コワイ」
思わず片言言葉になってしまった俺。いや、当然だろう。てか、よくミュルトさんそれを読む気になったなおい……。俺なら破り捨てるレベルだぞ……。
急に謎の寒気がしだした。こういう奴に限って嫌な予感しかしないんだよな……。
こうなったらミュルトさんには悪いが全部押し付けさせてもらおう。だって関わったら作業を止めないといけなそうで嫌なんだもん。
「あのー、ミュルトさん。すいませんが俺が用事がありまして数日間ギルドには顔をだs―――
そのときだった。
「フハハハハハハハハッ!!!」
辺りに謎の声がこだます。反射的に刀を取り出し辺りを見渡す。
「エルシオンの者たちよ! ワシらが来たからには安心せぇい!!」
外から聞こえて来る。
ギルドから出てみると。そこに立っていたのは
「三男! テルム・モルレスト! ムゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!」
「次男! プロレウス・モルレルト! ムゥン!」
「長男……アルバルト・モルレルト……むぅん……」
筋肉モリモリマッチョの二人ともやしと言えそうなほどガリガリに痩せて、全員上半身裸の男たちがボディービルダー並のポーズを決めて立っていたのだった。