第147話:黒い影
「投稿が遅れてしまい申し訳ありません。作者の黒羽です。リアルが忙しくて感想も返せずに申し訳ない限りです。代わりと言っては何ですが、リネアさんが読者の言う事を何でも聞いてくr(ゴスッ!)はぐわぁ!?」
「……リネアに……何をさせる気……?」
「サヤさんいきなりの強襲はやめて下さい。死んでしまいます」
「……いいから答える……」
「えーと……コスプレとか、えr(ゴスッ ボキッ!)ごはぁっ!!」
※上記の茶番は本編とは全く関係がありません。
クロウが倒れたのち、特待生組を中心として訓練などを続けていた。
流石にこう何度も完膚なきまでに叩かれると、いつ再び進軍命令が出るか分からない恐怖と、まともに太刀打ちをすることすらも不可能な自分らの実力に焦りを覚える者は少なくなかった。
だが、こうした恐怖心が生徒たちの間に流れていたにも関わらず特待生組たちが行わせた訓練は魔力強化など実戦には程遠いものが中心だった。
当然、特待生組内にもクロウのように行かないまでも実戦形式での訓練をした方がいいという意見も出た。サヤを筆頭にシュラやセレナ、ローゼは実戦形式系に賛成の旗を上げていた。これに相反する形でカイト、テリー、ネリーそして三人衆のリーファ、セルカリオスが反対をした。
賛成側の意見はご存知の通りであるが、反対側の持論はと言うと、
「俺たちは生徒であって軍隊では無い。これ以上負荷のかかることを行えば、どこかで必ず無理がたたるだろう。また、国もそんなまともに戦えない案山子をいきなり前に出す事は殆どありえないと仮定するならば、魔力を強化しての遠距離戦をまずは重点的に鍛えるのが先決なのでは?」
と言うものだった。賛成側からしてみれば、砂糖を口いっぱいに頬張ったぐらい甘い理論であった。そもそも、その理論の甘さはクロウが身を潰してまでハッキリと示したはずなのに、彼らの心には届かなかったのかもしれない。もはや甘いどころか歯が溶けそうなレベルの発言に、シュラやセレナなどサヤ以外の実践派はこの時になって、ようやくクロウの苦心とあそこまで無理をした理由を思い知る事となった。
あれくらいやらなければ戦場では生き残れない。そう思ったクロウは心を鬼にして、また自分自身の体にも鞭を打ち生徒たちを鍛えようとしていた。だが、結果はあの有様だった。
先生たちの意見も様々であった。長時間に及ぶ小田原会議の末に最後は多数決を取るという形になり、実戦派4の訓練派5で訓練をやると言うことになったのだった。
糠に釘とはまさにこのことなのかもしれない。実戦派の面々は物事を狭い範囲でしか見れない訓練派に不服の思いを募らせていたが、多数決で決まった以上。下手に反論することは避け、渋々付き合う羽目になった。と言うのも実戦派は恐れていた。意見の食い違いによって発生する仲間割れだけは避けたかったのだ。
そして、クロウが倒れてから数日が経過をしようとしていたときの事だった。
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「……はぁ……」
夜も大分深まって来た中、エリラは窓際から外をボーと見つめると深々とため息を吐いた。クロウと共同で使っているこの部屋は彼が居ない今はとても広く感じていた。
クロウが魔法学園の方に行ってから既に一週間が過ぎていた。
あれからエリラは一人でいる時間が圧倒的に多くなっていた。
色々頭の中に浮かんでは消えていた。
クロウが戻ってきたらどんな顔で会えばいいんだろう?
どんな言葉をいえばいいのだろう?
謝る? でも、それだけでいいの?
クロウからしてみれば、エリラの気持ちを考えずに言ってしまったと思っているので、エリラに謝ってもらおうなど微塵も考えていなかった。だが、エリラはそうはいかなかった。
何か罪滅ぼしをしなければ自分の気が済まないと言ったらいいのかもしれない。結局、自分はただ単に自分の願望をぶつけて挙句の果てに癇癪を破裂させて思ってもいなかったことを口走ってしまった。いくらクロウがエリラ自身を奴隷身分として扱っていないとしても。この世界で生まれ育った彼女に取ってはタダでは済まされないことだ。
「……ああ! もうっ! 私は何をやっているのよ!」
思わずベットに身を投げ捨てそのまま、布団に身をもぐらせてしまった。自分の中でどうすればいいか分からず頭をかきむしる。
「……素直にごめんなさい。と言えば十分なのかもしれない……でも……」
やはり、自分としてはそれだけでは許せれなかった。それほど彼女は自分自身の事を簡単には許せなかったのである。
布団に顔を埋め、ボーと考える。
考えがまとまらず、時間だけが過ぎて行った。
それから、どれほど時間が経ったか分からない。
彼女は妙な違和感を覚えた。
(……あれ? なんか妙に眠いような……?)
今さっきまで少しも眠くなかったのに、突然瞼が重たく感じだした。だが、エリラがおかしいと感じたときには既に遅く、彼女は意識を失い、ベットの上でピクリとも動かなくなった。
そして、エリラが動かなくなったのを確認してからか、今まで閉じていた窓が急に開き、部屋に黒い人影が一つ。侵入をして、気を失っているエリラの傍まで来るとそっと彼女を抱きかかえ、そして音も無く過ぎ去っていったのであった。
そして、その30分後。静まり返ったエルシオンの街中に突如爆音が響き渡ったのであった。
感想を返したいのですが、もう少しリアルが安定するまでお待ちして下さい(土下座)




