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第15話:プレゼント

 ※8/27 下記を修正しました。

    ・誤字脱字を修正しました。

    ・素材の換金計算が間違えていたので修正しました。

 ※8/28 誤字脱字を修正しました。

 ※8/30 誤字脱字修正をしました。

「……え、えーとこれは……」


「見ての通りレッドリザードンの尻尾ですが?」


「えーと、一応お聞きしますが、何匹狩ったのですか?」


「数えていない」


 キリッとした俺の顔に受付嬢はもう何も言わなかった。


 俺の目の前には炎亜竜レッドリザードンの尻尾がこれでもかというぐらい山積みになっていた。ちなみに依頼では尻尾は3本でいいのだが。


「えーと、数えますのでしばらくお待ちください」


 その後しばらくした後、俺の目の前には白金貨と金貨を持ってきた受付嬢がいた。ちなみにこの世界では銅貨1枚で1S。銀貨1枚で100S。金貨1枚で10,000S。そして白金貨は1枚で1,000,000Sとなる。すべての硬貨の大きさは10円玉ほどの大きさなのだが。数が多くなると非常に面倒になる。だがこの世界の住人のほとんどはある魔法道具を持っているので問題は無い。


 説明しておくと、この世界の住人は魔法の鞄(マジックバック)というものが市販で売られている。ただし入れれるのは1種類のみなので財布として使われている。なぜか硬貨は一まとめにお金として扱われるのでこれ一つでいくらでもお金を持てるというわけだ。逆に言えばこれを取られたら大変なことになると考えるだろうが、おもしろいことにこのアイテムは所有者でなければ開けることが出来ないのだ。

 しかし所有者が死ねば誰でも開封可能となり、最初に開けたものがその財布の所有者となる。そのためダンジョンなどで拾ったものはとっても問題はないのだ。


「えーと、これはいくらですか?」


「え、えーと全部で200万Sです……依頼報酬30万Sにレッドリザードンの尻尾一本8万5千Sが20本で170万Sです」


「へぇ、意外と高いんですね」


「レッドリザードンは討伐が難しく、しかも個体数があまりに居ないのです」


「繁殖期だったんじゃないのですか?」


「え、た、確かにレッドリザードンは繁殖期の時に数は多くなりますが、時期が分からないのですが……もしかして……」


「ええ、そういえばこんなものがありました。かなりあったのですが1個だけ持ち帰りました」


 《倉庫》から取り出したのは赤い卵だ、大きさはダチョウほどの大きさで網目状の模様がある。緑色ならメロンに近いかな。


「こ、これはレッドリザードンの卵……」


 その名前に近くに座っていた冒険者たちが一斉に立ち上がり俺らの周りに集まってきた。おいおい、なんなんだよこれは。


「おい、マジかよ!? こんなチビがやったのか!?」


「うそだろ、どこかで拾ったんじゃないのか!?」


 冒険者たちが口々に何か言っているがどうやら珍しいようだな、けど結構数あったぞ? と思い俺も鑑定してみる。


――――――――――

アイテム名:炎亜竜の卵

分類:尻尾

平均価値:300,000S

説明

 炎亜竜の卵、産卵期にしかまず手に入ることが出来ないレアアイテム。だがそのときの炎亜竜は集団となり個々の強さもあがるので危険度はB以上となる。

 焼いて食べるのが一番おいしいとされている。

――――――――――


 ぬぉ、マジか。これ一個で300,000Sだと!? くそっもっともってくればよかったか? いや、生態体系壊す可能性があるからいけないよな。


「えーと、とりあえずこれも換金してくれるとうれしいんですが、なんか価値が高そうなので私だと手に負えないかもしれないので」


「えっ、本当にこちらで換金していいのですか!?」


「ええ、いいですよ。私は味とかあんまりわからないタイプなので(ただし料理スキルがあるのである程度はわかるが)」


「わ、わかりました。では30万Sで換金しますがよろしいですか?」


「はい、それでいいですよ」


 周りの冒険者が色々揉めているが俺は知ったことではないのでスルーする。換金したお金を受け取り俺はギルドを後にしようとするが……


「ちょ、ちょっとまってくれ、バルケノ火山のレッドリザードンは今、どれくらいいるんだ!?」


 と、一人の冒険者が話しかけてきた。後ろにもたくさんいる。どうやら俺の討伐数や卵を見て行きたいと思っているのだろう。

 全員の能力を一通り見てみるが全員がエリラと同程度の強さだ。全員CかDと言ったところだろう。


 数は減ったけどそれでもかなりの数が残っているのも事実だ。正直こいつらだけで行ったところでどうにかなるのか? と思ったりもしたが一応数は減っているのでは、とだけ言っておいた。俺も正確な数は把握していないからだ。

 それを聞いた冒険者はパーティのメンバーたちを誘って早速行く準備をし始めた。



 俺はガルムに50万Sを渡しに行った。ガルムは「1日で返すとはな……」と苦笑していた。その後、鍛冶場はいつぐらいに出来るか聞いて戻ってきた頃にはすでに半分近くがいなくなっていた。

 おいおい、10分ぐらいしか立っていないんだが、無計画すぎないか?


 やっぱり5歳児でも行けるんだからと言った感じだろうか。それにしてもこのギルドにはBとかAクラスのメンバーはいないのかな? なんとなく受付嬢に聞いてみた。


「一応Bクラスは4名、Aクラスは2名います。全員が個別に長期クエストを受けているので今は出払っているんですよ」


 なるほどな、やっぱランクが上がればそれだけ時間がかかるような依頼もあるんだな。まっ面倒なのだけには目を付けられないようにしよう。もう1名につけられているがあんなやつはどうでもいいや。


 俺は一言礼だけ言うと俺はギルドを後にした。


「さて……戻るとする……ん?」


 俺はある店を見つけた。


「……試しに作ってみるか」


 そういうとクロウはその店に入っていった。











「戻って来たぞ~」


「……」


 宿に戻って見るとエリラが放心状態でベットに座っていた。目は完全に明後日の方を向いている。火山の帰りからもうずっとこんな感じだ。


「お~い」


「……」


「……」


「……」


「……《雷撃(コール・ライトニング)》」


 周囲にバレないように極小の雷をエリラに撃ち放つ。かすかにバリバリバリと言う音と共にあばばばばばばと言いながらエリラがその場で飛び跳ね、そしてベットから転がり落ちた。


「はっ!? 私は一体……」


「よう、ようやくお目覚めか?」


「あっ、あれ私はたしか火山にいて……レッドリザードンに囲まれて……」


 エリラが再びフリーズする。どうやら俺の使った魔法を思い出したのだろう。無理もないよな、あんな魔力、国のお抱えの魔道士でもそう何回も使えないクラスだからな。


「……あなた一体何者よ?」


「生き物」


「バカ! そういう意味じゃないよ!」


「うーん……人?」


 半分だけどな。


「……もうあんたに何言っても無駄なような気がしてきた。まさか火だけじゃなくて水も使うなんて……」


 よし、雷を使ったことはバレていないな。


「それよりも卵とか売ったら全部で230万Sになった。50万はギルマスに返して残り180万Sだが、ほら半分やるよ」


 そういうと俺は90万S分を彼女に渡す。


「な、何言ってるのよ!? 奴隷にお金を渡すなんてお使いのときにしか渡さないわよ!? しかも半分も!?」


「はぁ、知るかよ、第一な俺はお前を奴隷にしているが、お前を奴隷だと思ったことはねぇ! 俺とお前は対等だ」


「えっ?」


「第一、くだらねぇんだよ奴隷とか俺としてはさっさと解除して二人で仲良くパーティ登録にでもした方がいいわ」


「……あんた見たいな考えを持った人初めてよ」


「はっ、なんだ今まであってきた奴は違うんかよ?」


「当然よ、奴隷は家畜同然。学校でそう教えられるのよ」


「はぁ!?」


 俺はその言葉に愕然とした。なんなんだこの世界は!? 奴隷は家畜と一緒という考えを学校で教えるだと!? どこかの国みたいに洗脳教育でもしているのか!?

 ちっ、どうやら相当可笑しいようだなこの世界は……


「田舎出身の俺はそんな教育受けなかったな、第一学校にも言ってねぇし」


「それは学校に行くのが6歳からだから当然でしょ、学校にも言ってないのになんなのあなたのその知識と力は?」


「親に鍛えられたからな、そりゃあ3歳のときから毎日朝から晩まで訓練尽くしだよ。まっおかげでこうやって生活出来ているんだがな」


「あなたの親は奴隷のことは教えなかったの?」


「教えはしたさ、でも家畜と考えろと言うことは言われなかったな。第一同じ人間だろうが、家畜と扱う方が間違ってるよ」


「……あなたはとことん変な人ね」


「変な人で結構だよ」


 俺はニヤリとする。そうさどうせ俺はこの世界では異質な存在なんだならとことんやってやろうじゃないか。


「……ごめんなさい」


 急にエリラが謝りだす。はっ? どうしたんだ行き成り?


「正直、こんな人の奴隷になるなんてって思っていたわ。でも……今はよかったと思う。あそこで解放されて自由人になってもおそらく……」


 自分の別の未来を想像していたのだろう。あのとき解放される方を選んでいたのなら……と無駄な想像はやめておこう。こっちを選んだんだから考えても仕方ないしな。


「気にするな、10歳以上年下の下で奴隷としてとか思えば嫌でもそう感じるだろうさ。まっなっちまったものは仕方ないさ。解放させてあげれないけどこれからもよろしくな」


 俺は手を差し出す。初めて出会ったときは弾かれたなぁと思っていた。


「……うん」


 今度はしっかりと彼女は手を握っていた。なんでだろう彼女の眼がかすかに潤んでいたような気がするのだが。


「あっ、そうだ忘れないうちに……」


 俺はそういうと《倉庫》からいくつかの小さな宝石と鉄のインゴットを取り出す。


「宝石?」


「ああ、ちょっとまってな」


 俺はそういうとまず鉄のインゴットを錬金で形を作り始める。もちろん普通の《錬金術》ではこんなことは出来ないが、俺のスキルレベル10では形あるものを変形させることが出来るようになる。もちろんこのスキルでも変えることが出来ないものはある。生き物や特殊な鉱石は残念ながらいじることは出来ない。まあ特殊な鉱石をいじるために鍛冶場が欲しいんだが。


 目の前で起きている出来事に信じられないと言わんばかりに目を見張る。


 やがて鉄のインゴットは見事なチェーンに姿を変えたのだ。さらにそのチェーンに買ってきた宝石を錬成してやがて美しいネックレスへと姿を変えた。

 エリラの赤髪をイメージしたルビーを中央に置き周りを翼の形をした金で作り上げた中々の出来だと思う、本当は買ってもよかったんだけど、どうもどれも精度が低くて自ら作ることを決めたのだ。おそらく売れば原価価格の3倍ぐらいで売れると思う。


 そして出来たネックレスをエリラの首に着けてあげる。


「うん、思ったより似合っているな」


「……」


 エリラは何も言わない、代わりに付けられたネックレスに目を下ろしジッと見つめている


「あー、俺のせいで不便な思いさせているって思ってな……その、せめてものと思って……女性に物を送るとかしたことないからそれしか思い浮かばなかったんだが……」


 くっ、年齢=彼女いない歴の俺には苦渋の決断だったんだよ!(前世でのお話)


 いくら彼女に非があっても試験を受けたのは俺だ。だからせめてもの償いと言う訳じゃないが何か出来ないかなと思って考えたのがこのネックレスと言うことだ。ちなみに《創世魔法》と《錬金術》で特殊な付加魔法をに混ぜ込んでいるので錆びることはない。 壊れないというのはさすがに無理だったが、耐久度も普通の鉄より格段に上げることが出来た。《錬金術》と《創世魔法》は便利だな。

 

 中々顔を上げてくれないので俺は段々と心配になってきた。


「もしかして不満k―――」


 そう言いかけた瞬間、彼女がいきなり飛びついてきた。不意を付けれたので俺は反応出来ずに彼女に巻かれそのまま地面に叩き付けられてしまった。


「ちょっ……いきなりどうし―――」


 俺はそこで言葉を切った。



 何故なら








 彼女が俺の腕の中で泣いていたからだ

 タイトルが全然思い浮かびませんでした orz

 終わりはきりはいいのに……前回の最後にまとめればよかったかな? まあ今言ってももう遅いですが。


 ※アドバイス、感想などありましたら気軽にどうぞ

 ※誤字脱字などありましたら報告お願いします。


 いつもたくさんの感想、報告ありがとうございます。この場を借りて皆様に感謝です。

 本当にありがとうございます。

 これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m


===以下更新履歴===

===2017年===

02/22:指摘があったので、一部言葉の変更を行いました。

09/11:誤字を修正しました。

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