表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/270

第104話:第1次エルシオン防衛戦1

「……で、この街には守る人がもう殆どいないと……」


「はい、国軍の撤退に伴い冒険者たちも大半が他の都市へと流出しました。ここに残っているのは、逃げたくても逃げるあてのない住民たちと僅かばかりの勇士だけです……」


 国軍の撤退には本当に驚いた、まさか防衛を放棄するとは思わなかったのだ。それほど追い込まれているという事なのだろうか?

 いや、いや、いくらなんでもそれは無いだろ。俺は戦時中に生まれたわけではないから俺の知識がどこまで合っているかは分からないから絶対とは言えないが。


 それにしても……国でも有数の商業都市をこうもアッサリと手放したりするものか……?


 ここまで来ると、意識的に捨てに行ったようにしか俺は思えなかった。そもそもエルシオンはアルダスマン国でも有数の都市なんだぞ? それを見捨てるってどういう神経しているんだよ。普通なら石にしがみ付いてでも奮戦する場面じゃないのねぇ?


「……で、俺にどうしろと……?」


「この街のギルドからの依頼です。この街の守備をお願いしたいのです」


「……俺一人で?」


 いや、実際たぶん出来ると思うけどさ。


「……現状、一人ですね。手当たり次第に声はかけているのですが……」


 いないんだ。ちょいマテ、なんでや。一人ぐらい、いるでしょ? いくらなんでも誰も居ないってことは……



マッピング検索

 検索ワード:冒険者

  ヒット数:1


「……」


 あっ、これアカン奴だ。


※冒険者が検索ワードなのでクロウもカウントされてます。アーユーオk?


「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 ボロカスとなった青空ギルドで叫ぶ俺。いや、叫んでいいですよね? なにこれ? 何の仕打ち!? いや、誰も居ないってどいういこと!? 一人ぐらい勇士がいてもいいのでは!? 逃げた奴ら薄情過ぎない!? 君たちの血の色は何色をしているのかな? 紫色のナメ○ク星人の色でもしているのかな?


「はぁ……はぁ……」


 地面にへたり込む俺。アレ? おかしいな、全然動いていないはずなんだけど、物凄く息切れをしているような……?


「……俺一人でどうしろと?」


「すいません……今、声をかけているので……」


 それ集まらないフラグや。


「本当にすいません……また、誰か来てくれたらお伝えしますね」


 おう……そんな申し訳なさそうな顔しないで下さい。怒るに怒れないじゃないですか……。


 俺は色々と言いたかったが、結局俺は何も言わずにギルドを去って行った。

 くそっ、また襲ってきたら一人でやらないといけないんかよ……いや、出来るけどさ、勝つだけなら。ただ、防衛戦になれば話は違う。三方を平原。残りは森で囲まれたこの都市を守るという事は、四方八方から襲いかかってくる敵から街を防衛しなくてはならないのだ。

 いや、出来ますよ? 街の中央から《誘導火炎弾(アサルトフレイム)》で狙撃すればいいだけですから。


 ……で、帰ってエリラに相談してみたのだが


「クロなら大丈夫でしょ?」


 と、言われました。oh、信頼してくれているのは嬉しいのですが、なんかだんだん俺は人間扱いを受けなくなって気がするのですが……。

 こうなったら、ミュルトさんが戦ってくれる人を見つけて……一人や二人じゃ変わる訳ないか……。


 結局、俺は一人で戦うことを想定したスキル作りや魔法作りをするのであった。









 それから、3日間が過ぎた日の夜の事だ。


「……!」


 来た。


===INTRUSION!!===


 英語の表記と共に俺の視界にこの街と周辺の地形が表示されたマップが現れ、さらにマップ上には何百というほどの赤いマーカーが表示された。

 赤いマーカーはこの都市を囲むように広がっていた。


 これは俺が新たに作った《侵入探知(キルゾーン)》と言うスキルだ。予め決めておいた範囲内に指定した者が侵入した場合に俺に伝わってくるように作っている。

 寝ている場合はちょっとしたアラームが発動するようにしている。えっ、どんなものかって? それはな……


「お、おううっぅぅぅぅ……」


 俺の横ではエビ反りで呻き声を上げているエリラがいた。


「ああ……やっぱり被害が出たか……」


 俺のアラームというのは至極簡単。電流だ。なんか体に悪そうだけど勿論即死するほどの威力ではない。それでも普通の人が受けたらそれなりのダメージになる。現に目の前に実例がいる。

 ちなみに俺は耐性あるから問題ない。


 ちょっと急造だったので、まだ完全に出来ていないんだよな……。なんというかバグじゃないけどそんな感じが残っているんだよな……。


 っと、そんな場合じゃなかったな。


 俺は痺れているエリラを放置して家を出ると、そのまま空を飛んで街中央の上空にまで来た。高さは200メートルぐらいだ。


「ターゲット補足開始」


 マップのキルゾーンに入って来た敵を片っ端ロックオンをしていく。一人一個でいけるかな?



===すべてのロックオンが完了しました===


 よし、全部にロックオン出来たな。


「……悪く思うなよ」


 一回は忠告しておいたんだからな。アレが忠告かどうかは分からないけど。


「一斉掃射……開始!」


 暗い夜空ので、赤い魔法陣と共に赤い花火が四方へと飛び出していった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ