表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/270

第1話:転生

 後先考えずにはじめちゃいました。チートスキルを持ってどうやって行こうか・・・作者である私もわかりません(泣)

 俺は今、25歳。天涯孤独である以外、普通のサラリーマンだ。親や兄弟は、俺が小学校5年生になるまでに、全員死んでしまった。親なんて5歳の時だぜ? 兄弟だけでは当然、生活は出来ないので、孤児院で高校生になるまで、お世話になっていた。


 年齢=彼女いない歴。趣味、ゲーム。寂しい奴だな俺は……って自分で言うなよ……。


 ……はぁ


 俺の人生って何なんだろうな。どうせ俺の死に際とか誰も看取ってくれないだろうな。いや看取って欲しい訳じゃないよ、多分……うん……


 会社からの帰り道。疲れたと思いつつ、帰ったら早速新作のゲームをするつもりだった。


 ゲームジャンルはRPG。昔は、よくこの世界に憧れた。今でも憧れているが。


 楽しみで仕方がない。今の俺の生き甲斐は、これだけさ。


 そう思いつつ、歩いていたら、目の前の信号が赤になったので待つ。


 あっ、そうだ。小説はもう更新されているかな? マンガも、まだ読んでいない。まっ、そのうち見ればいいかな? 週末はどうせフリーだからな。


 自分で分かっていても、苦笑いを隠せなかった。本当、俺って寂しい奴。


 と、思っているうちに、信号が青になり、俺は横断歩道を渡り始める。


 すると妙に辺りが騒がしくなったので、辺りを見回す。すると一緒に信号で待っていた人たちが、何かを指しながら逃げて行った。


 指を指した方を見ると―――


 そこには全く止まる気配の見えないトラックが、猛スピードで来ているのが見えた。時刻は夕方の6時。まだ居眠り運転にしては、早過ぎないか?


 いや違った。俺の頭は新作のゲームの事で、頭が一杯だったので気づかなかったが、後ろからサイレンの音が聞こえる。トラックに隠れて見えないが、予想はついている。警察から逃げているのだろう。犯罪でもやったのか?


 と、考えても仕方がないな俺も避けないと潰されそうだ。そう思い他の人よりやや遅れ気味だったが、交差点から抜け出した。こんな事件で、死にたくないからな。


 逃げてるなら、わざわざ歩道につっこむ馬鹿などないだろう。俺も周りもそう思っていた。そして僅かな余裕ができると、俺の頭の中は再びゲームのことを考え出す。


 だが、これがまずかった。再び悲鳴で我に返ると、目の前にトラックが迫っていた。……へっ?


 おそらく交差点を曲がろうとして、ハンドルを早く切りすぎたのだろう。どうやらカージャックしたトラックぽいので、慣れてなかったんだろう。


 他の人は何とか逃げれていたが。反応が遅れた俺は今度こそ―――


 ―――バキャ!


 目の風景が急に変わり。地面が下に見える。あれ? 俺、空飛べたっけ?


 風景が変わり、今までの思い出が流れだす。親や兄弟の思い出。孤児院での思い出。今ではもう思い出したくない、恐怖の思い出。


 ああ、これが走馬灯ってやつなのか? 俺は死ぬのか?


 そう思った瞬間、俺はコンクリートに頭から叩き付けられていた。

 

 







 世の中よく、「前世の記憶を持った人」とか、「人は生まれ変わっている」とかよく聞くけど、正直な所、俺は信じれなかった。


 だが、今、現実を見せられ、俺のその価値観は、変えざる得ない状態となったといえよう。


 ここはどこだ?


 俺は確か仕事からの帰りで、信号を無視したトラックに体当たりを受け……数十メートルぐらいは、吹き飛ばされたような……それで……確かコンクリートに頭からぶつけて……ここから先の記憶が無い……恐らく、頭ごと潰れたんだろうな。


 で、起きてみれば、ここどこ? なんか少し古ぼけた家で、壁はすべて木製、見たところ防腐剤などを施していない所を見ると、どこかの小屋か?


 いや待て、俺が交通事故にあった場所は、すぐ近くに、病院があったはずだ。なら本来なら絶対そっちに行くはずだ。ここは日本だ。周りに人もいたから誰かが、必ず救急車を呼ぶはず。


 ここが病院じゃないことは明らかだ。周りにはつるはしや書物が散乱しており、ここが病院だというなら俺は絶対訴える。衛生的な問題で。あと信号無視した奴もぶっとばす。


 いやまて、なぜ俺は生きているんだ? つーか、衛生よりか、まずそっちだ! あの勢いでは間違いなく死んでいるはずだ。いやあれで死ななくても、最後のコンクリートにぶつかったときは、間違いなく死んだだろう。即死だ。


 そう、俺は間違いなく一回死んだのだ。だが、生きている。ならあれは夢だったのか? ……違うな、あのぶつかったときの衝撃は今でも思い出せる。全身の骨が砕ける音も思い出せる。


 あれこれ考えていたが、いつまでも考えていても仕方がない。と俺は体を上げようとした時に気付いた。


 体が動かない事に


 ……えっ、もしかして俺、脊髄やられたの? そりゃあ頭から落ちればそうなるけどさぁ、えっじゃあなに? 俺、25歳にして一生不自由な生活をしないといけないの? せめて手だけは……ゲームとかしたいのに……


 25歳になっても未だに、RPGやアクション系のゲームが好きな俺には、地獄でしかない、いっそ死にたい……いやまず一人で、自立した生活を送りたい。せめて70ぐらいまでは……


 しかし、しばらくしていると、ある事に気づいた。確かに体は動かせないが‘感覚’があるのだ。神経がやられているのなら、絶対にありえない。


 わずかに動かせる眼を動かし自分の体を確認する。


 シワシワの小さい手……ぷっくりとしたお腹……






 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 俺は絶叫した。なんとか現実から目を背けようと、思考回路をプラスプラスへと持っていこうとするが、どう考えても結論は一つ。


 “俺は赤ん坊になっている”


 しばらく間を置いた後に、絶叫しようと声を上げようとしたが、不可能だった。おそらく声帯がまだ発達してないからだろう、それが一層、俺が赤ん坊であることを認めざる得ない状況に追い込む。


 死にたい! まじで死にたい! こんな姿、知り合いに見せれない! もう結婚できない! 「もうお嫁にいけません」みたいなノリで絶叫する俺、だが当然その声は心の中だけであるが。


 いやぁぁぁぁという絶叫(心の中で)すること数分。ようやくパニックが落ち着いてきた俺は、状況を整理しようとする。


 認めたくないが、今、俺はどうやら赤ん坊のようだ。つまり「生まれ変わった」のだ。認めたくないが、「生まれ変わった」。大切な事なので、2度言っておく。


 そして、ある事に気づく。俺は赤ん坊なら、親はどこに行った? まさか赤ん坊を捨てたのか?


 死の予感がする俺。飢餓で死ぬとか嫌なんですけど、いやそもそも人生(?)で2度も早死にしてたまるか。


 そして、極めつけは、ここは日本じゃない事だ。わずかに動く目を動かし木を斬っただけの、ガラスなども付けられていない、窓の外を見たとき、確信した。目に飛び込んできたのは、見たことないクラゲみたいなのが、空を飛んでいる様子だ。完全に、物理の法則を無視したその生き物は、悠々と空を、泳いでいる。


 気球かなと、思いもしたが、火などを使ってる様子も見えないし、なにより透明で中身まで丸見えなのだ。そこには心臓らしきものや、腸らしきものが見えた。正直キモイ


 もはや日本というレベルを通り越して、完全に異世界にいるような気がする……いや間違いなく異世界だろう。あんな生き物、地球で見たら大ニュースだよ……。ダイオウイカが出現とかいうレベルじゃない。物理法則完全無視の謎の生物。あれ? もしかしてあれか? 宇宙人ってやつか? それならここは地球かな?


 しかし、そんな現実逃避にも終わりが来る。


 ―――ガチャ―――


 そんな音が聞こえ、目を向けるとそこに立っていたのは―――


「ふう、全く懲りない奴らだね」


「そうだな、いい加減あきらめて欲しいものだ」


 頭に二本の角が生えており、アバ○ーよりも、薄い青い皮膚をした女性(?)と剣を片手に持った黒髪をした男だった。


 ……What? あれ? 地球にあんな種族いたの? いや、いたら俺の脳内知識にインプットされてるはずだ。やたらと雑学に詳しい俺が言うんだから間違いない。伊達に高校のとき、座学がトップだった訳じゃないぞ。でも待て、隣の男はどう見ても人間だよな? あれ? あれ?


 そんな困惑している俺をよそに二人は持っていた装備などを片付けていく。あまりにインパクトが強かったので、見えていなかったが女性らしき人物も槍を持っていた。そして血のついた槍を丁寧に拭いていく。


>スキル《武器整備》を取得した


 ・・・ん? なんだ? 今、俺の脳内に響いたアナウンスは? ウグイス嬢?野球好きの俺からしてみれば、嬉しいものだが、いや待てその前にスキルって?


「あっ、ごめんよクロウ~」


 女性らしき人物が、整備していた槍を置き、こちらに近づいてくる。何か言ったようだが、俺にはなんのことかわからなかった。おそらく言語が違うからだろう。何か言っていることは間違いないが


>スキル《龍族語》を取得した


 あっ、また脳内アナウンスが……、しかしよくみると、この人完全に女性ですよね? さっきは思わず「(?)」をつけてしまったが、皮膚の色や角を除けば、完全に女性である。そして俺が女性だと決定づけている最大の理由は、目の前に迫ってくる二つのメロン。おそらくこれが前世なら、狂喜しているところだ。いや今でも嬉しいです。ありがとうございます! しかし残念ながら下の方は反応していないようである。やっぱり体は、赤ん坊かと思った。一瞬「俺って女性に転生したのかな?」と思ったが、それは今は確認出来ないので置いておこう。


「ごめんな……私たちのせいで、さみしい思いをさせて……」


 女性はそう言いながら俺を抱え、よしよししてくる。腕にやわらかいメロンが当たってめっちゃ嬉しいです。この人はやっぱり女性です。でもたぶん怒ったら怖いだろうな、言葉使い的に。あと槍とか返り血の様子を見て。


「あいつらが、諦めてくれさえすれば、こんな事にも、ならないのに……」


 女性はそうポツリと呟く。どうやら、ただならぬ予感を感じさせるのは、俺だけでしょうか?


「しかたないさ、レイナ。それよりも体は大丈夫なのか? まだ出産して数時間ぐらいしか経っていないが……」


「それは出来れば、戦いに出る前に聞きたかったね。大丈夫だよ。龍族を舐めないで」


「ははっ、そういわれると、お前が、龍族だと言う事を忘れていたわ」


「全く、どこの馬鹿かしら異種族……それも人を好きになった馬鹿は」


「それなら、俺は龍族を好きになってしまったぜ」


 二人は一瞬見つめあうと、そのあと笑い出した。あの、すいません俺の前でいちゃつかないでください。その手の事に縁のない奴らから「死ねリア充」とか言われそうな光景ですぜ。いや、俺はそんなことで、リア充死ね、とか言いませんけど。


 しかし、話を聞いていると、おおよそ見当がついた。伊達にネットでは小説を読み、ゲームはFFとかDQをやっていたわけじゃないぜ。もっともFFは、攻略が難しかったから、そこまで遣り込んでいないが


 予想は3つある。


 1つ。彼らが一族(人間か龍族のどちらか)の大事な秘宝。……アーティファクト等を盗んで、追われているか。もっとも、彼らの様子から、それはないと思うが、一応視野には入れておこう。


 2つ。彼らのどちらかが、国または、種族の中でなんらかの重要な役割、または特別な力を持った人たちか。これも可能性として無さそうなんだけどな……アーティファクト同様に。


 そして3つ目。これが一番高いと睨んでいる。それは異種族同士の結婚。簡単な話だ。今のご時世でも「あそこの人と話してはダメ」、とか「あそに住んでいる人と結婚しては駄目」と言ってるのと、同じ事だろう。

 人と龍族か……。人と魔族みたいなもんか?


 ……まっ、いいか。とにかくどちらかの種族(経験上龍族だと思うけど)が、異種族と結婚した事による制裁だろうか? それなりに歴史のある世界なら対立とかありそうだもんな……。俺らのいた世界も、言えたようなもんじゃないが……。


 俺としては3つ目がもっとも可能性としては、高そうだなと思う。となると俺は、人と龍族のハーフということか? 体の色は人間だけど、どこか龍族っぽい所とかあるのか?


 いや、それも気になるが、問題は俺だ。さっきから流れる脳内アナウンス見たいなのは一体、何なんだ? ファンタジー世界に憧れていましたけど、もうゲームっぽくないですか? スキルとか。いや普通のゲームに言語取得とか普通は無いと思うが。

 

 なんか、メニューとかイメージしたら出てきそうだな~、と思っていたら


―――メニューを起動します。

>スキル《倉庫》を取得しました。

>スキル《換装》を取得しました。


 ……なんか変なアナウンスが……さらに―――――


―――特別条件《転生》を満たしました。

>スキル「神眼の分析」を取得しました。


 俺の視界の右上には「アイテム」「装備」「スキル」「ステータス」という文字が並んでいる。おいおいこれは、いよいよゲームじゃねぇか……俺は、夢でも見てるのか? リアルな夢だな。夢なら覚めてくれ、俺の心は泣いていた。いやまて……夢から覚めたら、激痛に襲われそうだな、じゃこのままでいいか?


 不安になる俺だったが、反面うれしかった。目の前に、いつかこうやって異世界で戦ってみたいと思っていた出来事が今、目の前にあるのだから。もっとも俺の予想が正しければ俺の命は今、この二人に、かかっているようですが。

あれこれ考えていると、レイナがふと口を開く。


「しかし……クロウだけでも何とかならないもんかね……」


「無茶言うなよ、ハーフだぞ。たぶん。この世界でも二人といないんじゃないか?」


 あっ、やっぱり俺ハーフなんですね。つか待て。世界に二人といない? つまりこの世界で、異種族と結婚し、子供を作ることはそんなに、問題になるものなのか?


 そう考えると、この二人が勇者に見えてきた。いやマジで勇者には見えないよ。ただ純粋にすごい、と思ったからだ。


 まぁ純粋に憧れるほど、俺の心は澄んでいませんが、はっきり言ってその内、大部隊とか投入されるのでは? 俺、まだ赤ん坊ですから、やばいですよね?


 ふとこの二人のスキルが気になり、さきほど流れていた《神眼の分析》と言うスキルを、使ってみるとしよう。なんとなく使い方はわかっている。何故か、わかっていた。不思議だね。

 まずはレイナの方へと意識を集中させる。しばらくすると俺の脳内に彼女のデータが流れ込んでくる。


――――――――――

名前:レイナ・アルエレス

種族:龍族

レベル:31

筋力:650

生命:1290

敏捷:980

器用:485

魔力:0

スキル:《龍の眼》《龍化》《龍族語》《槍:7》《身体強化:7》

    《調理:3》《自然治癒:5》《倉庫:5》《換装:6》《鑑定:5》

    《千里眼:3》《見切り:6》《透視:5》《フォース:5》

    《分析:4》《状態異常耐性:6》《遮断:5》

――――――――――


 これは高いのかな? 比較のしようが無いので、正直分からない。ふとそのとき思い出し、メニューを開く。そしてステータスという所を押す(押すイメージをするだけで実際は押していない)。案の定、俺のステータスが載ってあったが……それを見た俺は、口があんぐりと開いた。(と言っても心の中の俺がであるが)


――――――――――

名前:クロウ・アルエレス

種族:龍人族(龍族・人間)

レベル:1

筋力:500

生命:500

敏捷:500

器用:500

魔力:1000

スキル:《理解・吸収》《武器整備:1》《龍族語》《倉庫:10》

    《換装:1》《神眼の分析》

――――――――――


 ……What? 《レベル:1》だよね? 高くないですか? いや、高いだけならまだいい。問題は、器用と魔力の項目で、俺が勝っていることだ。魔力は種族の違いもあるだろうが、器用はさすがにどうかと思う、何十年か生きてきたレイナよりか俺の方が上って……。

 それに魔力ゼロって……、どうやら龍族は、魔力を持たない種族らしいな。あれ? じゃあ《身体強化》とかどうやってるんだ? 龍族は魔力なしでも自己の力を上げることぐらいは出来るのかな?

 しかし、それはすぐに違うことがわかった。セラのスキルのひとつ《龍の眼》というのがどうも気になったので見てみると。


――――――――――

スキル:《龍の眼》

分類:固有スキル

属性:―

効果:龍族独自のスキル《身体強化》《千里眼》《見切り》《透視》

   《フォース》を無条件で発動可能にする。

   威力は使用者の熟練度に比例する。

――――――――――


 すげぇスキルだ、なるほどこれのおかげで、魔力が無くても、魔法を扱えるのか。そう思っていると


―――特別条件《意志を継ぐ者》を満たしました。

>スキル《龍の眼》を取得しました。


 イージーすぎる!! これ固有スキルでしょ!? いや、俺はハーフだから半分もっているのかな? それでもこれはどうかと思う。チートすぎるでしょ? なんで? そもそもさっきから特別条件って何?《転生》とか、《意志を継ぐ者》とか! 《転生》はまだなんとなく理解できるからいいが《意志を継ぐ者》とか、今の流れで何故そうなる!?


 一応、スキルに目を通してみる。


――――――――――

スキル:《理解・吸収》

分類:古代スキル

属性:神

効果:一度見たものは即座に理解し使用することができる。

   《分析》スキルでは表示されない。

――――――――――

スキル:《神眼の分析》

分類:古代スキル

属性:神

効果:《鑑定:10》《分析:10》を付加して《遮断》効果を無視する。

   《分析》スキルでは表示されない。

――――――――――


 いや、マテや、どこぞのマンガみたいな能力ですか? いや憧れるけど、実際マジで持ってみると、自分で自分に引きますわ。てか属性問題あり! 神ってなに!?

 これはあれか? この世界を作った神的何かが「こいつに、これやったらおもしろそうだな」とか言って渡してきたのか!? じゃああれか? 《神眼の分析》ってやつも―――


 赤ん坊でも、俺の眼は動いているのだろうレイナが不思議な目で見てくる。そう思っていたらどうやら気づかれたようである。


「むっ、この子にも《龍の眼》が……妙だな生まれたときは無かった筈なのに……ってな、なんだ!? こ、これは……!?」


 あ、アカン、これ完全にステータスも、スキルも、バレたパターンやん。《理解・吸収》と《神眼の分析》はたぶん大丈夫なんだろうけど、数値あたりとかアウトじゃないですか? だって30レベのレイナと比べたらおかしいですよね?


「ど、どうしたんだ!?」


 男が寄ってくる。あっ、俺、そういえばこいつ……この人の名前とか知らないな、ついでに見ちゃえ☆


――――――――――

名前:アレス・アルエレス

種族:人間

レベル:55

筋力:840

生命:1140

敏捷:1140

器用:1405

魔力:560

スキル:《龍族語》《大陸語》《片手剣:6》《盾:6》《大剣:4》

    《身体強化:5》《倉庫:7》《換装:7》《鑑定:6》《見切り:4》

    《分析:6》《魔道士の心得》《炎魔法:5》《土魔法:5》

    《光魔法:2》《治癒魔法:4》《武器製作:4》《武器整備:4》

    《野営:5》

――――――――――


 なるほど、おやじの名前はアレスか。スキル豊富ですね。羨ましいです。つーか、強いですね。


「……! こ、これは!?」


 アレスの表情が、見る見ると変わって行く。そりゃ、純粋な数値なら俺の方がいくつか勝っている数値があるもんな、驚くのも無理ないか。つーか、これ捨てられるパターンとか無いよね? 大丈夫だよね?

 と、思っていたら、アレスから、俺の予想の斜め上を行く、言葉が飛び出す。

 

「この子は必ず強い子になる。これだけの力……国が放っておく訳がない。俺たちの所に来た奴らにも、いやその辺にいる生き物にも、見せてはまずい……いいな、この子が育つまでは、必ず守りきるぞ」


 その言葉にレイナは静かに頷く。ええ話や~、良かったこの人たち、いい人だ! やっぱり我が子は捨てられ……って変なこと考えちゃ、まずいよな。


 アレスは今まで開けていた窓に向かって何か呟いた、すると窓を覆うように土が、どこからもなく現れ、窓を塞いでしまった。


>スキル《土魔法》を取得した。


 ……これ、便利だけど、本当に一度見たら、なんでも吸収してしまうんだな、なんかその内、恐ろしいぐらいのスキル量を、作ってしまいそうで怖いんだが。


 何やらともあれ、俺は新しい世界で、なにやらチートじみた能力を身に着けて転生してしまった。

 だけど、もう一度生をもらったならば、次は、最後まで生き抜いてやる。そして、傍から見たら化け物じみた俺を、絶対育てると決心した親に俺は報いたい。純粋にそう思った。


 自分の前世を、思い出しながら密かに決心する。


 今でもありありと浮かんで来る前世の思い出。中には、もう一生忘れたくても忘れられない思い出も、沢山ある。


 失敗と、後悔だらけの前世。25歳になっても恋人は、ゲームぐらい。天涯孤独の身だと思った俺に、もう一度チャンスが巡ってきた。


 これから失敗も、後悔も、するだろう。だが戦い抜いてやる最後の最後まで。


 こうして俺の、2度目の人生が始まった。

 というわけで、第1話はどうでしたか?

 誤字、質問、感想など何かあれば気軽にどうぞ。


 それにしても書くのは大変です。描写とか難しいです・・・。 


 ※8/2 以下を修正をしました。

  ・レイナとアレスのステータスを大幅変更。

  ・スキル《神目の分析》を《神眼の分析》に変更


 ※8/7 スキル名の分類名を変更しました。

  ・【固有アーティファクト】から【固有スキル】へ

   なぜ今まで放置していたんだろうか。

 ※8/20 加筆修正をしました。

 ※9/15 誤字修正をしました。

 ※10/15 誤字を修正しました。

 ※10/16 誤字を修正しました。

 ※10/18 誤字脱字を修正しました。

 ※10/20 加筆修正を行いました。(大幅修正)

 ※11/3 誤字を一部修正しました。

 ※11/9 誤字を一部修正しました。

===2017年===

10/29:誤字を修正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ