14.◆ こころげそう
短いです。
BLではありません。念の為。
「好きだよ」
「……。え…、えっ! えっ!?」
「何」
「なにって…センパ…すきって…、えぇ!?」
「好きだよ」
「な、なんで今!? もったいな……あっ!」
「好きだよ」
「ちょ、今日1日じゃないですか!」
「だから何? 好きだよ」
「オレもすきですけど! あ、いや、きらいです!?」
「そう、俺は好きだよ」
「いや、そんな満面の笑みで言われても! かわいいですけどね!」
「嬉しいよ。ありがとう。好きだよ」
「えぇ!? ちょ! ものすっごいかわいいんスけど! 素直によろこべないスよ!? つかセンパイがすきでもオレはだいっっっきらいですからね!!」
「……そうかよ」
「えー!? なんでそんな悲しそうな顔すんですか! 嘘ですよ!? だいすきですよ!?」
「そっか。俺も好き」
「いや! だからですね! いつもならうれしいんですけどね!」
「…好き」
「も、かわ…っ! 抱きしめてもいいスか!?」
「いいよ」
「まじスか…!!」
「うん」
「かわ…っ、かわいすぎ…!!」
「そりゃどーも?」
「…………」
「……何? 抱きしめてくれるんじゃないの?」
「…いや、ちょっと…理性が…きかなく…なりそうな…」
「ふーん」
「も…、センパイ反則…」
「あんたになら何されてもいいけどね」
「え!?」
「あ、鐘。じゃあな」
「ちょ、待…っ! 今のどうゆう意味!?」
「さぁね」
「って、え! ほんとに戻っちゃうんですか!?」
「あ、そうだ。教えてやろうか」
「なにをですか!?」
「エイプリルフールのこと。嘘吐くのは午前中だけ。午後に言うことは嘘じゃないんだよ」
「え……」
「じゃあな。始まるまでには戻れよ」
「え、え! えぇーっ!? うそォ!?」
「嘘だよ」
「えぇっ!? センパイ!!」
12時45分のこと。