10.★ レッツポジティブシンキンッ!!
雛嬢は特進(頭チョー良いクラス)で、俺はスポ科(1つのスポーツを極めた運動神経バツグンの人達の集まりです! ぼくもその1人です!)で。校舎が違うから、何気に会う機会は少なかったりする。
(まぁ実質、無理矢理会う機会つくってるから問題はないんですけどネッ☆ 愛に障害はつきものなんですヨ)
かいちょー曰く『向日葵の君』の雛嬢。
ぼくから見ればヒマワリっつーよりアヤメとかスイレンですね(あの冷たい目とか絶対そんな感じですよね!)。
昼放課イカれかいちょーポエム告白事件のあと教室に戻ろうとする雛嬢に当然の如く付いて行こうとしたら、さっきの100倍くらい嫌な顔されました。でもぼくちん気にせず付いて行きマス。なぜならそこに愛があるから!!(死ね) 雛嬢もその後なにも言わなかったから同じ気持ちなんだと思いマス☆(ザ・勘違い)
と思ってたら校舎入ったところで口を開きました雛嬢。
「……黒田。」
アー〇ーじゃありません。
「黒田なんてよそよそしい☆ 龍之介って呼んで下さい(ハート)」
「黒田くん」
うわっ!! くんつけられちゃったYo! もっとよそよそしくなっちゃったゼ!! 雛嬢、それはキツいっス!
「黒田でいいんでくんは付けないで下さい!!」
「スポ科は東校舎なはずなんだけど(付いて来んなやボケ)」
「(ワォ☆)雛嬢が安全に教室に戻れるようお供してるんです」
「迷惑」
ズッパリきましたねー!! でもめげません!
「もしかいちょーがまた来たらどうするのよ雛嬢!! あんなに嫌がってたじゃないのよ雛嬢!! 一時の意地を一生後悔することになってもいいの雛嬢!?」
あぁ!! 言ったそばから女子トイレ入ってぼくちんのこと撒こうとしてるよ!! あんまりじゃないの雛嬢!(レトロ少女漫画風に)
まぁ、雛嬢の性格上、窓から逃亡なんてことはしないですから安心なんですけどね☆
雛嬢がトイレで小をしようが大をしようがぼくぁ、ここで待ってますよ。えぇ、変態って目で見られようが構やしません(いや構え)。
おぉっと雛嬢!! 予鈴鳴りましたよ!! 特進はサボり厳禁ですからね! 本鈴で席に着いてないと減点です! 残り5分、さぁどうしますか雛嬢!! 観念して出てらっしゃいな!! うわ黒田女子トイレの前で仁王立ちしてるよキモーイなんて会話が廊下を通る女子生徒から聞こえようが気にしません!!(あとであの女子生徒のロッカーにナメクジをいれてやろう、うん)
なーんて思ってたら後頭部にドーンってきたよ! うっを痛ェ!! なんだよ! ドアだよ! 誰だよこんな勢いよくトイレのドア開ける奴は!!(雛嬢なら許す)
わ、雛嬢じゃねぇや。時代錯誤かレトロブームかどっちだよその髪型。卑弥呼もびっくりだよ。うーわあんた確か特進の奴じゃん。予鈴鳴って焦んのはわかるけどやっていいこととやっちゃいけないことがあるんでない? あ、しかも謝る気ないんですね。俺に目もくれず階段駆け上がっていきましたよ。つか俺の存在に気付いてないっぽいなあれは。よし、あいつのくつ箱には蛾を入れておきましょう。
てゆーか雛嬢そろそろ出て来ましょうよ! ぼくちん本気で不安になってきましたヨ!? ほらさっきの女も慌てて戻って行ったじゃないですか!!
「ひぃーなぁーじょーお!?」
居ても居なくても返事なんかしてくれないこと分かってるんですけどね、はい。自分で言って結構傷つきますね、これ。
「本鈴鳴っちゃいますよー?」
もしかしてサボる気雛嬢!? 特進がサボるなんて前代未聞よ!! 5限の鬼の片桐(数学)が怒ってもぼくちん知りませんからね!! ……ってことはないですけど! く…っ! 雛嬢が片桐なんかに怒られてるのを黙って見ていれるはずがないじゃないの! わかってやってるんでしょ雛嬢!!
……あー、くそっ。このままだとまじでカマ野郎になっちまう。
もういっそこのまま、新しい自分を見・つ・け・よ・う☆(キャハッ)みたいな? うっわありえねぇわそれは。まぁ愛しの(ハート)雛嬢が望むならそうしてもいいですけど?
てゆーかですね、こんなこと考えてる間にね、思い出したんですけどもね?
……ここのトイレって、突き抜けじゃありませんでした?
ノォォオオオオオオオ!!(なんでこんなときにちょうどよく本鈴鳴るんだよこんちくしょッ!)
ぼくとしたことがなんたる失態!!
雛嬢カンペキそっから出てってるよ!!
意を決して女子トイレ開けたら(チカン行為すんまそん)誰もいねぇ☆(グハッ) みたいな?
カムバック雛嬢!!
ぼくはもちろんサボりです☆