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うっかり短編と連載間違えたからもういっそここを怪文書製造室とする  作者: あらまき


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真夏の夜の怪談『デス・ストーカー』

「いや、帰られないで。

 本当に怖いんだって。」


 ただのストーカーだって怖いでしょ?

 それもデスが付いてるんだよ、デスが。

 怖くないわけがないよね!

 

 というわけで、これは実際にわた……知り合いの身に降りかかったことなんだけどね――。


 それは、しんしんと雪が積もる真冬のことじゃった……。

 窓の外に広がる、一面の雪景色。


 その美しさに浸りながら、男は日課である『ピ〇ポ君がシャブを打ってラリっているMAD動画』を作っていた。

 今日はびっくりするほどユートピアネタも絡められ、ボジョレー並みに今年一番の出来を確信していた――そんな最中だった。


 窓の外に……それは居た。

 窓を掴み、すぐそこで力強い目を男に向ける若い女が。


 そんなはずはない。

 だってここは六階だ。

 なのに窓の外に張り付いているなんて……。


 いや、実のところを言えば、それは最初からそこに居たんだ。

 ただ、男が気づかなかっただけで。


 女は最初から木に擬態し、男を見張っていたのだ。

 けれど男が、MAD動画の会心の出来に股間の息子・スト〇ンガーが『チャージアップ!』し、唐突に全裸となったことに耐え切れず、つい窓際まで寄ってしまったのだ。


『ああ! 窓に! 窓に魔王が居るよお父さん!』


 きっと息子のストロンガーも、そんな風に怯えて縮こまってしまったことだろう。

 まあ実際は、フルパワー状態を維持しているのだが。


 さて、困った。

 さっきまでドーパミンドッパドッパのサイケ状態だったため、女が本物かどうか判断が付かない。 


 本物だったらヤバいのはそうだが、偽物であってもヤバいことには変わりない。

 というわけで確認のため、男は窓を開けた。


 当然、全裸のまま。


 心地よい冷風が、男の股間にかかる。


 そして目の前にスト〇ンガーがやって来た女は、顔を赤くし、自分の両手で顔を隠した。

 指の隙間からめっちゃ目が見えているけれど。

 むしろじっとガン見しているけれど。


 そこで男は理解した。

 これは、幻であると。


 だってそうだろう。

 六階の窓で、両手を離してそこに居るのだ。

 そんなわけがない。QED。

 男のIQ180(だと良いな)の頭脳が唸りを上げ、病院に電話をしようと振り返った――その瞬間だった。


 ぺちん、と謎の音が。


 そう、それは古来より伝わりしもの。

 数々のエロ漫画で使われた、エロでもギャグでも使える伝説の状態。


 チンポビンタ。


 振り向きざまにスト〇ンガーが、女の横っ面を叩いたのだ。


 幾ら幻だったとしても、その感触はおかしい。

 というか、ビタンなんて音はしない。

 だってビタンなんて、チンポでビンタしましたみたいな音がするわけがない。


 男のIQ170の頭脳が唸りを上げる。


 これは、幻ではない。


 鼻血を出しながら札束を取り出す女。

 男はそっと札束を受け取りながら、女の身体を見る。


 そう……女は……めっちゃ長かった。


 六階だというのに、地に足が着くくらい長かった。

 八尺様なんて目じゃない。


 五十尺様である。


 あまりの恐怖に、男のスト〇ンガーも超電子ウルトラサイク〇ンするところだった。


 その恐怖を乗り越え、男は一家に一台必ずある沢田のアニキのロケットランチャー(RPG-7)をぶっ放した。


 ……え?

 ない?

 まあ最近のご家庭は、グレネードやミサイルなど多様性ですものね。

 時代だねぇ……。


 話は戻して……ロケランが直撃した大女は、吹き飛んで燃えながら地面にぶっ倒れましてね。

 もう完全に特撮の世界ですよ。


 まあその過程で建物が幾つか壊れましたが、コラテラルダメージって奴ですよね。

 ただ……。


 そう――女は、起き上がったのだ。

 ロケランの直撃を受け、焦げながらも、当たり前のように。


 そして、そっと万札を差し出したのだ。


 男は万札を受け取った後で、ぞわりとした言葉にしがたい恐怖に襲われた。


 なにせ、起き上がったのだ。

 この時点で『関西土建屋の事務所<五十尺様』という構図が成り立つのだ。

 なんと恐ろしいことだろう。


 気づけば時間が過ぎてしまい、『チャージアップ!』していたスト〇ンガーも通常状態に戻る。


 男はがっかりした表情で服を着た。

 するとどうだろうか……。

 五十尺様はずんずんと音を立てながら窓から離れ、そして消えた。

 そう、不思議なことに消えたのだ。

 それはIQ160の男の頭脳でも解き明かせない、この世の神秘そのものだった。


 あと、なんか突然やけに巨大な気が現れたけど、たぶん無関係だろう。


 その後、男は図書館に行って文献を調べた。

 けれど、あまり難しい漢字は読めないし、古い新聞とか調べるのも面倒だったから、やっぱり家に帰ってパソコンで調べた。

 いつものように串を咬ませてアングラウェブで検索しても出てこなかったから、スマホでググった。


 そうしたら、出てきたのだ。


『デス・ストーカー』


 それはストーカー世界のジェイソン。

 ありとあらゆる手段を持って相手をストーキングする究極の変質者であり、そして意外とピュアな不死身の上位存在。


 何でも富士山は、もともとデス・ストーカーの成れの果てという説さえあるらしい(民明書房)。


 IQ140の頭脳が叫んでいた。

 これは真実の情報であると。


 そしてそれをどうにかするためには、仏門に下り修行をし、煩悩を昇華した後、結婚式場を予約し、一姫二太郎を成し遂げねばならぬらしい。


 さっそく男はデス・ストーカーから金を貰ってチベットに向かったけど、修行できそうになかったから中国を旅行して楽しんだ後、インドに向かった。

 そしてインド旅行中、山奥に住む奇蹟の聖者に出会い、修行をしてもらって、そして悟りを開いた。


 世界が透き通って見えるようになった。

 自分はなんと愚かなことにこだわっていたのだろうか。

 大切な物というものは案外多くなく、それ以外に執着するその心こそが毒。

 毒を減らし、物事を正しく見る。


 それこそが、最も幸せなのだと……。


 そう……男は重要なことに気づいたのだ。

 自分のIQは、あんまり高くないと……。


 というわけで、助けてくれないか?

 奇蹟の聖者にデス・ストーカーを寝取られて、金が足りないんだ。


 あと、ついでにMAD動画がBANされた上に名誉毀損で訴えられててさ。

 なあ、ちょっと身代わりになってくれるだけで良いからさ、頼むよ?


 え? 俺の職業忘れてるのかって?

 なんだって?


 あっそっかぁ。

 警察だったのかぁ。


 一番怖い話って思ったけど、更新しちゃったぁ。

『』





普通の人はストロンガーネタにばかりに目がいってレインボーマンには気づかない。

え? 普通の人はストロンガーさえ気づかない?


そうかそうか。

誰か俺を殺してくれ。


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