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とんでもスキルで魔国建国 ~ネットスーパーの供物で魔王を餌付けしたら、最強のグルメ大国ができました~  作者: 限界まで足掻いた人生


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第1話:恩恵なき者の追放

眩い光が収まったとき、俺の目の前に広がっていたのは豪華絢爛な玉座の間だった。

だが、そこにあったのは歓迎の宴ではなく、冷酷な選別だった。


「……何だ、この男は。魔力が微塵も感じられんぞ」


豪華な椅子に座る肥った男、このギルガデス王国の王が吐き捨てるように言った。

俺の隣には、同時に召喚されたらしい若者たちが4人。

彼らは「聖剣使い」や「大魔導師」といった輝かしい称号を鑑定士から告げられ、騎士たちに跪かれている。


だが、俺の番になったとき、鑑定士の老人は顔をしかめてこう叫んだ。


「無能です! スキル名は……ネットスーパー? 意味不明なガラクタスキルですな!」


その瞬間、周囲の空気が凍り付いた。

いや、正確には「嘲笑」という名の冷気が俺を包み込んだ。


「おい、聞いたか。ネットスーパーだってよ」

「買い物係か? 貴族の小間使いにもなれやしない。召喚の無駄遣いだ」


俺は必死に説明しようとした。

ポケットから、召喚の瞬間にポイントで試しに呼び出した一欠片のチョコレートを取り出す。


「待ってください! このスキルは、異世界の高品質な物資を……」


ドガッ!


重厚な鎧に包まれた騎士の足が、俺の腹を蹴り上げた。

息が詰まり、床に這いつくばる。手からこぼれたチョコレートは、騎士の汚れた鉄靴で無残に踏みつぶされた。


「黙れ、下賤な者が。王の前で許可なく汚物を取り出すな」


「……っ、それは、貴重な……」


「ゴミが。その甘ったるい匂いすら反吐が出るわ」


王は退屈そうに鼻を鳴らし、残酷な命令を下した。


「勇者の召喚枠を一人分汚した罪は重い。だが、殺してこの広間を汚すのも忍びない。……灰の砂漠へ捨ててこい。生贄にすらならんが、魔物の餌くらいにはなるだろう」


「灰の砂漠」とは、魔力が枯渇し、狂暴化した魔物だけが彷徨う絶望の大地。

生身の人間が放り出されれば、数時間と持たずに干からびるか食い殺される場所だ。


俺は抵抗する間もなく、魔法使いによって転送陣の上へと引きずられた。

身に着けていたコートも、持っていた鞄も「王国の財産だ」と言われ剥ぎ取られた。

残ったのは、ポケットに入っていたスマートフォンと、ボロボロのシャツ一枚。


「あ、待て! せめて、上着だけでも返してくれ!」


「死にゆく者に布切れなど不要だ。その無能なスキルで、砂でも買って食べているがいい」


転送の光が視界を白く染める寸前、魔法使いが冷たく笑った。


次に目を開けたとき、俺の頬を叩いたのは熱を帯びた砂嵐だった。

空はどんよりとした暗雲に覆われ、地面はひび割れた灰色の土。

遠くで、地鳴りのような魔物の咆哮が聞こえる。


「……ふざけんなよ」


召喚されたばかりで、何一つ悪いこともしていないのに。

ただ「戦えない」というだけで、ゴミのように捨てられた。

理不尽。その言葉以外に、今の状況を説明できるものはない。


喉が焼けるように乾いている。

蹴られた腹の痛みも引かない。


俺は震える手で、ポケットのスマホを取り出した。

画面をスワイプする。電池残量はなぜか100パーセントのまま固定されていた。

そこには、この世界で唯一の、俺の味方となるアイコンが並んでいた。


「……食ってやる。あいつら全員が、ひれ伏して許しを請うくらい、最高のメシを食って生き残ってやる」

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