第一章 冬のある日
結構ベタな展開です。
まあ、まずは読んでみてくださいなo( ̄▽ ̄o)
暇な時間でちょいちょい読めるように比較的細かく区切る事にしました。
…季節は冬。
雪こそ降らないものの、木枯らしの執拗な立ち退き命令に木々の葉が完全に屈してしまった頃。
信司は5年もののママチャリにまたがり、軽快に海岸沿いの道を飛ばしていた。
「随分、遅れちまったなぁ…」
左腕に巻いた時計を覗き込み、信司は呟いた。
信司はさきほどまで、今自転車で走っている道を少し戻った所にある商店街のショーウィンドウに心奪われていたのだ。
今年もあと数日で、人々が心を弾ませる聖なる夜…クリスマスがやってくる。
今やどこもかしこもクリスマスムードが充満していて、商店街でもプレゼントを買う客を獲得しようと、店という店が各々熾烈なクリスマス商戦を展開中。
そんな中商店街のショーウィンドウに陳列された商品を物色していた信司は、夢中になるあまり友人との約束の時間に遅れてしまったのだ。
「怒ってねえかなーアイツ…」
一人呟きながらペダルを漕ぎ続けていると、段々と目的の建物が見えてきた。
この辺りで唯一都市と呼ばれる地区からはかなり離れた、お世辞にもアクセスが良いとは言えない七階建ての建物。
「よっと」
キキッと自転車を駐輪場に停め、信司はその建物の中に入ろうとし、立ち止まった。
「おっと危ない危ない…」
信司はポケットから携帯電話を取り出すと、ボタンを長押しして電源を切ってから中に入った。
この建物…この辺で一番大きい総合病院の中では、携帯電話はご法度だ。
やっぱりこのくらいに区切ると読みやすいですかね( ̄∇ ̄)
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