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二度目の就任式


大聖堂の鐘が大きく打ち鳴らされる。

その響きは、魔法を使って国中に届けられていることだろう。


大聖堂の鐘が鳴るのは、聖女誕生の時、聖女が亡くなった時、そして国が終わる時。

今回はその一つ、聖女誕生のために鳴らされていた。


厳かな雰囲気の中、私は大聖堂の祭壇の前で、目を閉じながら手を組んで膝をついている。

私の前には、大聖堂を代表する教皇様。

その横には、補佐の大司教様。


今日は私の、聖女就任式。


数々の修行を積んで、やっとこの時を迎えることができた。

とは言え、これは二度目なので、一度目と違って緊張はしていないけど。


一度目の時は酷かった。

たくさんの聖職者と、同僚になる聖女たち、そして元同僚である聖女候補たち、そして王族と魔法使いたちに見守られながら行われる就任式。

緊張で全身が震え、まともな姿勢を保っているので精一杯だった。

あの頃に比べたら、こんな余計なことを考えるくらい今は余裕があった。

他の人から見たら、随分と落ち着いて貫禄があると、勘違いされそう。


教皇様に額飾りをつけてもらい、この時より正式に聖女になった。

この額飾りは、聖女である証。

聖女である限り、つけなければいけない義務がある。


一度目と同じく、やけに額飾りが重く感じた。

これはきっと使命の重さであり、命の重さなんだ。


教皇様に促されるまま立ち上がり、私は参列者たちの方を振り返った。


「さあ、聖女オリヴェール。みなに挨拶しなさい。」


「はい。」


一歩前に進み出て、参列者を見渡す。

大勢の人が、ただ1人、私を見ている。

その中に、あの人もいた。

周囲には誰も近付かず、たった1人でこちらを見据える鋭い眼差し。

誰よりも強く、そして誰よりも繊細なあの人。


こんなに大勢で、しかも遠い場所にいるのだからわからないだろうけど、私は彼に視線を合わせて口を開いた。


「この度、光栄なことに聖女として立つことになりましたオリヴェールと申します。この国のために、命をかけてくださっている魔法使いの方々を、1人でも多く支えられるように精進していきます。どうぞ、よろしくお願いします。」


聖女の礼をとると、一斉に拍手を受けた。


これでやっとスタートラインに立つことができた。

ここからもう一度、始めるんだ。

今度こそ、あなたを殺すために。


私はその決意を胸の内に隠したまま、微笑みを浮かべた。






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