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男の娘、皇太子を産む。  作者: コマタ
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93弟の事情。

 「でっ、お前どうするんだ?」


 「姉上にお仕えしたいと、思います。」


 ポカーン...。


 「へっ、うちに姉妹はいないぞ。」


 「えー、私の姉さんはマコ姉ェだけですよ。」


 あまりの斜め上の答えに、理解が追いつかなかった。


 「希人君、お姉さんと言うのは君の奥さんの事かい。何か、事業でもしているのかい?」


 「いえ、ただの専業主婦です。と言うか、引きこもりのニートかもです。先生、多分秋人はロシアでちょっと頭でも打っておかしくなったんでしょう。」


 「兄さん、私は大真面目だ。どうせ、防衛省には戻れないし警察庁じゃ腫れ物扱いされてる。ビリーさんの仕事を手伝いながら、姉さんに教えを乞いたい。」


 「秋人、防衛省は籍を外してないぞ。階級を中尉に上げて、大学院の復学も問題無いそうだ。外務省から、引き抜きの話が出てる。早計にするのは、考えた方がいい。」


 「お義父さん、すいません。瑠亜に贅沢はさせてあげられませんが、不幸にはさせません。姉さんの事は、瑠亜の希望でもあるので。」


 「一度、希人君の奥さんに会ってみたいな。」


 「ええ、会ってみるべきです。あのお方は、人智を越えた神ですから。」


 「人を誉めない吾朗君が言うなら、なおさらだ。」


 「人ではないですよ、先輩。」


 「お二人共、期待するだけ損ですよ。ただの泣き虫な、駄々っ子ですからら。」


 「ほう、かわいくてしょうがないのかね希人君。」


 「はぁー、お前のせいだぞ。バカ弟!」


 「えへへ、兄さんはどうするの?」


 笑ってごまかしてるのか、うれしいのか。




 「オレは、病院を継ごうと思っている。」


 「へっ、冗談だろ。医者なんて、一番似合わないじゃないか。まだ、殺し屋の方がましだよ。」


 「お前から、先に片付けてやろうか?まっ、冗談だがな。会社を立ち上げて、研究に専念するよ。野口も、気象庁を辞めて手伝ってくれる事になってる。ビリーさんが後ろ楯になってくれると言ってたが、話が早い。秋人、社長をやれ。オレと野口じゃ、交渉事に向かない。」


 「へぇ、面白そうだね。私も、協力できる事があれば何でも言ってくれ。」


 「本当ですか、先生の伝手でこの辺りに土地を紹介してもらえませんか?できれば、誰も立ち入れない静かな場所がいいんです。」


 「お安い、ご用だ。後程、吾朗君に資料を回してもらえる様に手配するよ。」


 「ありがとうございます、予算はかかっても構わないんで。吾朗さん、よろしくお願いいたします。」


 「あぁ、了解した。希人君、たんまり儲かってるのにまだ稼ぐつもりかい?」


 「ちょっと、待ったぁ!兄さん、勝手に決めないでくれよ。私は、まだ子どもだぞ。社長なんて、無理だつぅの!」


 「そうか。で、先生のこれからの予定は?知り合いの地中海レストランで、食事でもいかがですか?もちろん、割り勘ですけど。吾朗さん、ビリーさんの店ですよ。あそこなら、安心でしょ?秋人、車を回してくれ。」


 「そうだな、まだ少し頼み事もあるしそうするかな。よろしく、頼むよ。」


 「秋人、何やってるんだ?」


 「おい、弟の事情はお構い無しか?いつから、そんな薄情な兄貴になったんだ!」


 「いつからって、生まれた時からだろ。あっ、納車の日付教えろって連絡があったぞ。」


 「やった!いつでもいいよ、兄さん。じゃ、車回して来るよ。」


 「いいのかい、秋人君は大事な事忘れてるんじゃないかね。」


 「素直で、いい弟でしょ。」


 




  


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