69聖女危機。
「ママ、ウーン!ママ!」
「マコ、どうしたの?あらら、破水してる。どうしましょう、防人君!」
マコが、産気付いた。
担当医は、堀谷防人院長。
親子二代、同じだ。
婦人科の、宮田郁恵Drも付く。
ナースが手際よく酸素マスクを施している間に、美世も介護服を着る。
お郁ちゃんが、来た。
「お郁ちゃん、マコが!」
「美世ちゃん、至急希人君を呼んで!」
ナースが呼びに来て、マコが分娩室に運ばれる。
美世はマコのスマホに登録してる、研修先の連絡先を探して連絡を取る。
そこは、なぜか検察庁の外事課という所だった。
希人君の事を尋ねると、こちらの事を聞かれた。
慌てて、名乗る事もしていなかった。
非礼を詫びながら、妻の母親であると。
娘が出産で、危ない状態であると伝える。
事情は察するが、あちらでも消息は把握していないとの事。
申し訳ないが、本人と連絡を取って欲しいと言われた。
何度も、希人君のスマホに繋ごうとしている。
ずっと圏外なのか、一向に繋がらない。
瑠亜ちゃんも、来てくれた。
昔からマコと仲良くしてくれた、とてもいい娘だ。
後ろから、トテトテ走って来る幼女。
真理子お姉ちゃんだ、心強い。
瑠亜ちゃんを連れて来てくれた、らしい。
「美世、マコは?」
「先、分娩室に入ったばっかり。希人君に、連絡がつかないの。瑠亜ちゃん、秋人君には?」
「秋人君も、連絡が着きません。二人共、こんな時に...。」
分娩室にて、大量の汗を流しながら苦しむマコ。
「んー、希人助けて!」
『フフ、苦しむがよい聖女!』
「ここは、何処?あんた、誰よ!」
『吾は、クレタ聖教教皇ロマノフじゃ。迎えに、来てやったぞ。さぁ、吾の慰み者になるのじゃ!』
「はぁ、なに寝ぼけた事言ってんの?看護師さん、ボケたおじいちゃんが迷い込んでるよ。連れてってー!」
『まぁ、よい。お主の守り人は、来ぬぞ。今頃、ロシアの地で肥料にでもなっておるわ。』
「何、言ってるの!希人が、そんな所にいる訳ないじゃない。」
『さぁて、これを見てもかな?』
それは、フェリーの上で教皇とか言う奴と似た服を着た男達と戦う希人だった。
秋人と見知らぬ白人も、一緒だ。
「希人のとこ、いきゃなきゃ!何、これ?ボクに、何をした!」
『無駄だ、身重の身体でどこに行く。赤子が産まれたら、拘束は解ける。どの道、吾がお主を連れて行くがな。』
「くそっ、誰がお前みたいなキモデブハゲジジイなんかと!ボクは、希人のもんだ。娘を置いてなんか、行かない!」
『ホッホッホッ、足掻け。今のうちに、精一杯足掻け。』
「クーッ、陰陽が使えない。何で?」
『んっ、何だ?聖女よ、すぐ戻って来てやるからな。楽しみに、待っておれ。』
クレタ島教団本部、秋人が双剣を靡かせ聖騎士を打ち払う。
「貴様は、何だ?どうやって、この聖域に入って来た。」
「私は、警察庁の堀谷秋人警部補であります。あなたを逮捕しに来ました、ロマノフ教皇。」
「何だと?少年よ、おとなしく直れ。
吾を教皇と知っての狼藉、痛い目をみるぞ。騎士団は、どうした?誰か、こ奴を捕らえよ!」
「無駄ですよ、皆黙らせましたから。おとなしく、縄につけよクソ坊主!」
「ほざけ、ガキ!我が、退魔術をその身に喰らうがいい。-ビュルギャ-!」
秋人の周りを瘴気が、取り囲む。
側で転がっていた騎士が、腐り始めた。
「さてと、とっとと片付けちまうか。」
「何故、効かね。この世の、最悪術式だぞ...。」
「さぁね、うちの兄貴は魔王なんでね。兄さんの、命令だ。アースガルドの法廷に、送らせてもらうぞ。その前に、と!」
教皇は、希人から渡された魔石に封印された。
レイナックさん、大丈夫かなぁ?
修道女に、捕まってたけど...。
んっ、マコ姉ぇのバレッタだ。
似たやつ、かなぁ?
瑠亜が送った時、イニシャル彫ってたなぁ。
M・H、確かにマコ姉ぇのだ。
なして?




