ブランコ
雨の日に 窓から下の公園を見ると
ブランコに赤いワンピースを着た 人が座っている
ザーザーと凄い雨で
何をしているのかなと
思ったが 電話が鳴り 受話器に行ってしまった
翌朝 昨日の事を思い出し
遊具をかき分けるようにブランコに向かうと
椅子の下に黒いゴムマットが見えた
しかし それは片側だけで
近づいていくと
青い座椅子の部分は錆色の何かがベッタリと付いていて
どこか生臭い匂いが雨の後にしていた
長い行列ができるブランコがある
それは 子供のみならず 大きな大人のカップルまでもが
その行列に並んでいるのだ
それは一種の 願掛けとも言える行為であり
そのブランコに 同時に 二人で乗ると
必ず 生涯を一緒にいられると言う
それはどうやらかなり古い話のようで
戦時中
戦地から帰還した 夫は どうしようもない状態であり
妻の方もひどくやつれ 二人は再開したその日に 気苦労もあったのだろうがなくなったという
この話は さらに遡ることも可能であり
時々出てくるこの話は どうやら 江戸時代よりも 以前に遡ることも可能らしく
心中話や 奇々怪々 不可思議な話として出てくるが
どうもおかしいと 思わなくもない
なぜなら 最近も同じような話を聞く
なんでも夫が仕事先で大怪我をし
病院に見舞いに奥さんが 向かうと
手術室から死体となり出てきた夫に
その顔を突っ伏したまま動かない
しばらくして看護師が彼女の肩をゆすると死んでいたと言う
これからも分かる通り
これは祝福でもあり呪いなのかもしれない
死ぬ時は一緒と言う




